家事をしろと言われた

その翌日の土曜日、俺はいつも通り遅めに起きる。時計を見るともうすぐ昼の12時になろうとしていた。

土日は学生やら一部の社会人は休日なのだが俺のような引きこもりは毎日が休日なのだから変わりはない。





ふぁ・・・・・・・・眠い。

昨日は久々に外を出たせいかな。昨日の騒動でいつもより疲れを感じる。

もう少し寝たいが時計を見ると昼前なので仕方なく起きることする。

学校が休日ってことは、最悪なことに夏輝も休みでうっとおしいが、家事はほぼやらしてるから俺に絡む余裕ないだろう。

頭を掻きながら部屋に出る。






「明日火くん・・・・・」

「うわぁ!!!!!なんだ、夏輝か?」

まったく気配がなく、いつの間にか背後に立っていた。

その姿を見ると掃除中だったようでエプロンとマスクを装着し、片手にはたきを持ってこっちをジッと見つめていた。

昨日の忍び足といい忍者の素質があるのかこいつは・・・・・・






「ごはんの時に話があるんだけどいい?」

「お・・・・・・・・・おぅ」

ただならぬ威圧感で俺は断ることができずそのまま昼飯にした。





ちなみに今日の昼飯はウー〇ーで頼んだハンバーガーだ。

ちなみに俺はテリヤキバーガーセット(サイドメニューはナゲット)で夏輝の方はエビフィレオとシェイクを勝手に頼んだようだ。

寝起きでハンバーガー・・・・・特にテリヤキなんて頼むなよ。

自分はちゃっかりとシェイク頼んでるし、逆が良かったな。

寝起きで油濃いもの食ったら胃もたれすんだよ。






「で、話ってなんだよ」

「明日火君、ボクが今日なにをしたか分かる?」

「へ?」

あくびをした感じで答えると急に立ち上がりわなわなと震えながら答えた。







「朝から風呂掃除洗濯は勿論だけど、それに加えておばさんから書斎に空いた夫婦部屋の片づけもやることだったんだよ。それでも時間が足りないから昼はウー〇ーで頼んだんだけど、それでもまだ掃除は終わってないんだよ」

「へぇ・・・・・・ご苦労なこって」

「他人事みたいに言わないだよ。前言ったよね。この土曜日おばさんの残った荷物を整理するから早めに起きてって・・・昨日もコンビニに帰った時に言ったはずなんだけど」パクッ

そんなこと言ったけ?夏輝の注意事項は基本聞き流してたわ。

っというかさりげなく俺のナゲット食ってるし・・・・・




「こっちはまだ夕食の買い出しにこのリビングや玄関の掃除もあるんだけど・・・」

「それで?」

「キミも手伝って欲しいんだけど・・・・・」

「なんで?」

「!!!!!」

「なんでってここはキミの家でしょうがーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

キーーーン!!!!!!








家中に響く高だかな声に俺の鼓膜はキーン響いてしまった。

あまりの声量で目が覚めたわ。おはよう





「一応ボクは居候って形でここにいるんだけど、キミのメイドさんじゃないんだよ」

それは見たらわかる。こんなガサツなメイドがいてたまるか。





「ここにはキミとボクしかいないんだよ。せっかく共同生活だから協力しようよ。ボクはおばさんと違ってガミガミいうから」

「別に言わんでいい・・・・そのままにしろ」

「このままの君だと家を追い出されるんだよ?少しでも自分を変わらないと」

「・・・・・・・・・」

「分かった。・・・・・・・・じゃあ勝負しようよ」

「勝負?」

突然の宣言で口が塞がらかった。一体何を言ってんだ。




「今からボクと腕相撲で勝負をする。それに勝ったら何も言わない。その代わりに負けたら従ってもらうよ」

は?何言ってんだこの女。腕相撲だと?いかにも脳筋が考えそうなことだ。

昨日のDQNの無双ぷりを見てしまった今受けるはずないだろう。






「なんで腕相撲なんだよ・・・」

「ホントはポーカーやUNOと言ったものにしたいけど運が絡むしそれで負けたら文句言うでしょ?かといってTVゲームなら圧倒的に君が有利、なら男女の差が出る腕相撲ならどうかなって」

「・・・・・・・・・・」

そもそもポーカーって仲介人がいるんじゃなかった。二人だけならイカサマのオンパレードだ。



「あ・・・・・・・・・・そっか、ボクが格闘経験者だから受けにくいんだ。なら3つペナルティを受けようか」

・・・・・・・・・・・・・・・・・







夏輝は耳打ちしある提案をする。

ほ・・・・・・・・・・・本当にその条件でやるのかよ。

後悔しても知らないから




俺は夏輝の口車に乗ることにした。







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