ふと目が覚めた

チュンチュン

「ん~~~~~~~~朝か~~~~」






カーテン越しの光が俺の目に入りふと目を開ける。

引きこもりなので普段なら朝っぱらでも必ず二度寝や三度寝は当たり前だが、今回はやけに目がさえる。

それもそのはず、昨日、うちの学校の生徒である灰崎夏輝が無理に俺の家に住むことになり、母さんは新居の爺ちゃんに移ってしまった。

しかも無理に爺ちゃんの家に行くと俺はホームレスになる可能性があるからマジで腹立つ。





はぁ・・・・・・さっきまで寝てたのに全然疲れが取れん

そういや昨日、徹夜までオンラインゲーやってたな。それで夏輝が俺のゲームするとこ見てたんだっけ・・・・・・・




部屋を見渡すと夏輝はいない。

流石にもう出て行ったか。もう来なくていいのに・・・・






う・・・・・・・小便したくなってきたな。トイレトイレ・・・

つい昨日夏輝とあった経緯をデジャヴだと思うが、尿意には勝てずにトイレに向かおうと立ち上がる。


歩きながらスマホを見ると時間は7時半になっていた。

この時間帯普通の学生なら起きてる時間だな。まぁ俺にとってはどうでもいいけど・・・



そしてトイレの前につくと水が流れる音が響いていた。





夏輝のやつトイレか・・・・

そう思うとドアが開く。と同時に驚愕する。

なんと夏輝は歯ブラシを加えながら用を出していて、しかも上の制服のボタンをせずブラが丸見えだ。

幸いスカートを履いていてその下の領域はみえなかったがそれでも突然の登場でよろけてしまった。




「ふぁ、おはほう・・・・・・あふふぁふん。ひょうもうぃへんふぃふぁね(あ、おはよう明日火君、今日もいい天気だね)」もごもご

「夏輝、お前な・・・・・・・なんて格好してんだよ」

「ふぁ?」

倒れる瞬間なんとか壁を持ち体制を取り戻すことができた。

夏輝は歯ブラシを口から取り出し、大丈夫?と声をかけた後説明する。

もちろんちゃんと服を整えた状態でだ。





「なんでってそりゃ学校行く前だからやることいっぱいあるから身だしなみあんまできないよ。なんせ昨日の洗濯物干したり、お風呂掃除だったりと・・・・・君のお母さんは仕事行く前にずっとこういうことしてたんだよ。君、家にいるのに全然家事しないからお母さん呆れたよ」

「う・・・・・・・」

正論すぎて反論に困る。そりゃ引きこもりが家族が家にいない間家事とかするわけないだろう。

家事を率先する引きこもりがいるなら、ハローワーク行けと一喝するわ。

発言ブーメランだけど



「こっちは全然頼んでねぇし・・・・」

「照れちゃって。本当はお母さんがやるより年上のお姉さんに家事やらせてもらえるの好きでしょ?ほらお姉さん属性?とかJKってのはそそるんだよね」

「そんなわけねぇだろ」

「え?じゃあ君ってマザコ・・・・・・」

「うるさい!!!トイレ行かせろ!!!」

夏輝の戯言に付き合えなくてトイレに逃げ出した。べ・・・・・・・別にマザコンってわけじゃないんだからね。






その後トイレから出てきた俺は、夏輝を避け、部屋に逃げ・・・・・

二度寝する・・・・・・・振りをした。

流石のあいつでも寝ている人間を容赦なく起こすわけにはいかないだろう。




『じゃあ行ってくるね~~~~~気が向いたら学校に来なよ~~~~』


そしてしばらく経つとドア越しで夏輝が聞こえていき、出て行っていた。

はぁ・・・・・・やっと出て行ってくれたか。

誰が学校行くか馬鹿野郎。



玄関からドアを閉め、カギをかける音をし、出かけたのを確認すると俺は部屋から出る。

はぁ・・・・・・やっぱあいつ家の合カギ持ってたか。あのBBAめ。

さてと夏輝もいなくなったし、適当なものでも食おうかね。そう思いながらリビングに向かうとリビングにあるテレビがつけっぱなしでテーブルには今日の広告と新聞がいっぱいに散乱していた。




たく、居候のくせにだらしないな。人の事を言える立場ではないけど・・・・





さらに俺はあいつがちゃんと家事をやってるか年の為に確認する為に風呂場とベランダに向かう。

家事経験がないせいかちょっと荒々しいがちゃんとできてる・・・・・・

ふと俺はベランダに干していた夏輝の下着に目をやる。




てか、あいつ俺と同じ洗濯物を入れたんだな。

詳しくは分からないが女子高生は、清潔には気を遣うから、初対面の俺と同じものを入れるのに抵抗を覚えるはずなんだがな。

しかも俺がいる間にベランダに自分の下着を干すとか警戒心薄々だろ。




俺が名を知れた変態引きこもりなら下着をそのまま部屋に持ち帰り、いかがわしいことをするのだが、俺はそもそも変態ではないし、夏輝のことを好きではない。





じーーーーーーーーーーーーーーーー

なんでこいつの下着如きに見とれてるんだ。

俺は逃げるかのようにリビングに走った。

まったく気が狂うぜ。







ん・・・・・・・・・そういや俺の飯はどこだ・・・・

さきほど見たチラシの束から一つの書きおきがあった。それは夏輝からだ。






『明日火君おはよう。今日の朝と昼ごはんは冷蔵庫に入れてあるから好きに食べて。

夜は少し帰りが遅くなるので少し待てってよ。できればご飯を炊いててくれたら嬉しいな。 なつきより』




なるほど、今日は遅くなるのか・・・・・てか今日もあいつが飯作るのか・・・・・

これは晩飯はカップ麺確定だな。あいつの飯は食いたくない。



それと今日の朝、昼めしは冷蔵庫か・・・・・少し怖いな。

恐る恐る冷蔵庫の中を見ると食パン2つとその上に袋に入ったままのこんにゃくが乘っていた。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁいいか。

あいつの手作りよりマシだ。



俺はその食パンとこんにゃくに加え冷蔵庫にあるものを適当に探し久々の調理をすることにした。

そして完成したのはこんにゃくベーコンバーガー。

ただこんにゃくを切って冷蔵庫にあったベーコンと適当に野菜と調味料をぶちまけて完成したものだ。




我ながらいい出来栄えだ。こんにゃくの間に塩胡椒を振り焼いたベーコンを入れるだけで擬似的なビーフになるからとても腹持ちがいい。




たまには飯を自分で作るのも悪くない。

新たな発見が見られし今後の人生に役に立つだろう。

ただ、調理中あいつと同じように包丁で指を怪我したのは言うまでもない。















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