第2話
2月1日
「サムニン」グループのリフォーム詐欺事件で、「エム・エイチ・エス」の社長を逮捕。
防衛施設庁談合事件を受け、額賀福志郎防衛庁長官が、同庁を解体し、防衛庁との統合を含めた再編を行う意向を明言。
藤原は十五郎穴にやって来た。
十五郎穴は、茨城県ひたちなか市中根にある横穴墓群。34基が茨城県指定史跡に指定され、出土品の一部がひたちなか市指定有形文化財に指定されている。
十五郎穴は古墳時代終末期から奈良時代にかけて作られたと見られる横穴墓群で、虎塚古墳が存在する指渋(さしぶ)地区、虎塚古墳群2号墳が存在する館出(たてだし)地区、笠谷古墳群が存在する笠谷(かさや)地区にそれぞれ存在する3つの支群から構成される。
1940年(昭和15年)3月11日に、館出支群の一部(34基)が茨城県の史跡に指定された。
十五郎穴という名前は、昔、曽我兄弟(五郎と十郎)がここに隠れ住んだという伝説からとされている。
ここにも進藤はいない。
藤原は大久保の家に居候させてもらっていた。
大久保は曽我兄弟について教えてもらった。
曾我兄弟の仇討ちは、建久4年5月28日(1193年6月28日)、源頼朝が行った富士の巻狩りの際に曾我祐成と曾我時致の兄弟が父親の仇である工藤祐経を富士野にて討った事件。赤穂浪士の討ち入りと伊賀越えの仇討ちに並ぶ、日本三大仇討ちの1つである。
曽我兄弟の仇討ちは、駿河国富士野(現在の静岡県富士宮市 、『吾妻鏡』は更に子細に富士野神野と記す)で発生した。兄の曽我十郎祐成(一万)が22歳、弟の曽我五郎時致(箱(筥)王)が20歳の時のことであった(数え年)。
真名本『曽我物語』によると、仇討ちの発端は安元2年(1176年)10月に兄弟の父である河津祐泰が伊豆国奥野の狩庭で工藤祐経の郎従に暗殺されたことによる。祐泰が31歳、一万が5歳、箱王が3歳の時のことであった。祐経は「心を懸けて一矢射てむや(真名本『巻第一』)」と伊東荘を中心とする所領相論の相手であり妻(万劫)を離縁させた人物でもある伊東祐親の暗殺を郎従に命じていたが、実際は矢は祐親ではなく祐泰に命中し非業の死を遂げた。その敵にあたる祐経を曽我兄弟が討った事件である(兄弟の母が曽我祐信と再婚したため兄弟は曽我姓を名乗る)。
同事件は様々な分野に影響を与えた。「一に富士、二に鷹の羽の打ち違い、三に名を成す伊賀の仇討」といった言葉にあるように、現在日本三大仇討ちに数えられ、武士社会においては仇討ちの模範とされた。また『曽我物語』や江戸時代の教科書『富士野往来』といった史料、芸能では「曽我物」を成立させた。
近代には教科書にも採用され、尋常小学校の教科書に曽我物語の要約、高等小学校の教科書や高等女学校の国語読本に能「小袖曽我」(後述)が掲載されるなどしている。一方GHQによる検閲で仇討ち物は忌避されたため、一般への認知に影響を与えたと指摘される。
昼過ぎに阿字ヶ浦にやって来た。
南北1.5kmにわたる砂浜からなる海水浴場で、茨城県では10km南の大洗海水浴場に次ぐ規模の海水浴客が来場する。
目立ったリゾート施設や大きなホテルはないが、国営ひたち海浜公園、大洗水族館、那珂湊漁港市場が全て自動車で30分以内で行ける距離にある。また小さな民宿や旅館は充実しており、東京からの手ごろな距離や価格の安さもあって、大学生の合宿によく利用されている。海水浴シーズン以外は人気が少なく、全体的に海岸沿いは寂れた雰囲気である。民宿・旅館が集中する、海岸の南側の坂を登ったところには酒列磯前神社が鎮座する。
かつてから風光明媚な砂浜は、東洋のナポリと呼ばれていたが、常陸那珂港建設の影響で、海岸が侵食傾向となり、砂浜部分が狭くなっている。
美女が砂浜にたくさんいる。
藤原は女とやりたくてたまらなかった。
藤原は昔からモテた。今回も美しい女性をゲットした。
ペンションで女性と交わった。パンティを横にずらした指先が露わになった割れ目をゆっくりとなぞる。
「…ダメ…ダメ…なのに…っ」
くちゅっ…くちゅっ…、ぬぷっ…太くて、長い指がナカに入り、いやらしい水音を立てる。
その後、立っていられなくなるほど藤原の指に感じてしまった女性は……ピュッピュッと愛液を飛ばした。
「景子、一生君を愛するよ」
2月10日
預金者保護法施行。
堀江貴文ライブドア前社長ら4名、およびライブドア、ライブドアマーケティング両社を、証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に告発。
世界遺産でもある国宝、姫路城の大天守が、震度5強程度の地震で倒壊する恐れがあることが調査により判明。
藤原が、細菌戦略に関する情報を携えて茨城への亡命を決意する。寒いからホッカイロをたくさん持参した。
安芸をリーダーとする茨城側の情報部員はそれをサポートするため、小山駅から友部駅向かう水戸線に同乗し、任につく。
しかし、それを阻止しようとする計画の主謀者、進藤敏郎がひたちなか市に様々な罠を仕掛けた事から、激しい闘いが始まる。
タクシーに乗ってひたちなか市ホテルに到着する源義経だが、運ばれる荷物の数が少ないことに気付くと、ホテルへのチェックインを根来恵子に任せ、別のタクシーに乗り込んで来た道を戻っていく。しかし、タクシーは事故で川に突っ込み、義経は一命を取りとめたものの昏睡状態に陥ってしまう。
義経が目覚めると既に4日が経過していた。身分を証明できる物を一切持たない義経だが、事故の後遺症で記憶が混濁する中、なんとか恵子の存在や進藤に加担してひたちなか市を攻撃する予定などを思い出すと強引に退院してホテルへと向かう。しかし、再会した平清範は義経を知らないと言い、別の男を義経だと紹介してくる。ホテルの警備室へと連れて行かれた義経は自分が本物だと主張するが、監視カメラに姿は映っていなかった。混乱した義経はホテルを離れ、公衆電話から友人の進藤へ助けを求める留守電を残す。
翌朝、義経は事故の際に自分を助けてくれた伊東景子を探し出すが、厄介事を嫌って協力してくれない。昼には思い出した予定通り大久保教授に会って助けになってもらおうとするが、彼のもとには謎の男が先に到着していた。義経は大久保と電話で話した内容を語ることで本物であることを証明しようとするが、なんと謎の男も寸分違わず同じ内容を語ってくる。さらに男が決定的な証拠として取り出したのは、男と清範が写っている記念写真と、男が源義経であることを証明する運転免許証だった。自分が何者か分からなくなった義経は気を失い、病院に運び込まれる。
消沈する義経を気の毒に思った精神科医の八嶋恒夫は、助けになってくれる町田良夫という人物の連絡先を渡してくる。義経が鎮静剤を打たれて検査を受けていると、意識のハッキリとしない彼に不審な男が近付いてきた。男に殺されそうになる義経だが間一髪の所で逃走すると、平磯海水浴場近くにある豪邸に向かい、町田を訪ねて自らの事情を説明する。町田は協力を快諾すると、義経が助かるためには景子の協力が不可欠だと言う。再び景子を訪ねた義経は清範から送られた高級時計と引き換えに協力を約束してもらうが、景子の家に向かうと病院に現れた安芸と藤原がバールや鉄パイプで襲撃してきた。辛くも男を撃退した義経は景子を連れて夜の街に逃げ出し、カーチェイスの末に仲間の男を撒くことに成功する。
朝を迎え、2人はクロワッサンのロビーで独自調査を終えた町田と落ち合うと、「義経を別人にすり替えたのはスポンサーである進藤を暗殺するためだ」という推測を披露される。大久保教授は進藤が今夜開くパーティーに招かれる予定であり、大久保教授と交友関係のある義経であれば、容易に進藤に近付くことができるからだという。暗殺の確証を得たい義経は景子の協力のもと、1人で行動する清範に接触する。彼は義経のことを覚えており、彼がタクシーに乗ったのは駅に忘れた鞄を取りに戻るためだったことを告げると、後で駅に向かうから先に鞄を回収するように求めてきた。
その頃、自宅に戻った町田は留守電にメッセージを入れておいた安藤からの連絡を受け、彼を自宅に迎え入れていた。凄腕の暗殺集団『スリーブダガー』の噂話を披露した町田は、コーヒーに青酸カリを入れて飲んでしまう。町田は進藤の命を狙っているのが『スリーブダガー』であること、安藤もその一員であることに気付いていたのだ。安藤は情報を守るために死を選んだ町田を賞賛する。
駅で鞄を取り戻した義経が中に入っていたパスポートなどに安堵していると、その場に安藤が現れる。一方、義経と別れタクシー乗り場に並んでいた景子は、安藤と襲撃者の男に拉致される義経を目撃してしまう。景子がタクシーを奪って彼らを追跡し、殺害される寸前の義経をなんとか救出すると、彼女は壊れた鞄の隠しポケットから加工前の物を含む複数の偽造パスポートや、暗殺計画の記された書類を発見していた。
義経、清範、恵子、進藤 栃木軍
安芸、藤原 茨城軍
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