第3話

驚きと殺意に満ちたホームルームが終わった後、俺はクラス中から質問攻めに合っていた。


「何度も言ってるだろ。俺はあいつとはただの幼馴染だ」


助け船を出してくれと親友に視線を送っているのだが口パクで


『がんばれ』


そう言って俺に親指を立ててきた。

ふざけんな。


「なあお前ら俺だけじゃなくて愛羅にも聞いたらどうだ」


俺に聞くよりも愛羅に聞く方が早いと思ったのだが。


「あんな孤高のお姫様に俺らみたいな平民が話しかけれるとでも?」

「いやできるだろ」


なんだよ平民て。いつの時代だよ。


「できるわけがないだろ」


なにを言っているんだと言わんばかりの顔をしてくる。


「お前はあの方と幼馴染だろ。でもな俺らにとってはテレビでしか見れないお姫様なんだよ。2次元とかじゃなくて3次元の話なんだよ。妄想とかグッズとかでどうにかなるものではないんだよ」


なにやら熱く語っていたが結論は


「お前らに勇気がないだけじゃねーか」

「まあそう言うことになるな」


なんかもう疲れてきたので


「なあもう良いか?」

「言い訳がないだろうが!」

「はい」


なんかキレられたんだが。圧に負けて入っていっちゃたし。

それから下校時刻になるまで俺は質問攻めにあうのであった。


「お疲れだったねぇ」

「お前のせいなんだがな」


なんだかんだでなんとか解放してもらえた。あのままの調子で行くと100%最終下校時間まではかかるしなんなら家にまで着いてきて話を聞いてきそうな勢いであった。


「でも私が声をかけたから解放してもらえたんだよ」

「お前が少しは変装すればいいものをそのままの格好できたからだろうが」


『特にその目立つ髪』そう言って俺は愛羅の髪を指差す。

愛羅の髪は白と銀の中間ぐらいの色合い。ラノベやアニメで絶大な人気を誇る髪色だ。


「だって仕方ないじゃん私にも色々あるんだから」

「それよりもお前アイドル活動はいいのか?」


なんだかんだ言ってこいつは世界的アイドル明日には学校の周りに報道陣やファンやらが詰めかけるだろう。第一クラスメイトが追っかけに走らなかったのがおかしいまである。


「ああ大丈夫もう色々準備してあるから。それに学校内にさえいれば誰も手出しできないようになってるから」


『そう言う条件で入ったんだ』そう言って愛羅は笑った。


「下校の時とかはどうするんだ?」

「え?君に送ってもらうけど」

「登校は?」

「もちろん君に」

「いや勘弁してくれ」


ダダでさえ俺は目の敵にされているんだ。これ以上面倒ごとには巻き込まれたくない。


「そうは言ってもねぇ。もうどうすることもできないよ」

「マジで俺これから学校で生きていけないぞ」

「なんで学校に行く必要があるの?」

「はぁ?」


なにを言ってるんだこいつ。と思ったのだが愛羅は不思議そうに視線を向けてきて


「いやだって私が養ってあげるし。だから別に学校に行く必要なんてないんだよ」

「何言ってんだお前?」

「何って別に普通のことだよ」

「どう言うことだ?絶対普通のことではないんだと思うんだが」

「じゃあ別に深く考えないでいいよ。どちらにしても私は怜のことを養うけど」

「なんで俺が養われることが前提になっているんだ?」


俺は一度も養ってくれなんて言ったことはないんだが。いやいったことはあるけど、それは多分何年も前のことだと思うんだけど。


「まあもう私はお爺さまに許可はもらっているけどね」

「許可?」

「同棲の」

「はい?」


何を言っているのだろうかこのアイドルは。同棲?男女が一緒の部屋に住むというカップルしかしないイベントのことか?


「愛羅さんそれはどういうことなのでしょうか?」

「そのままの意味だけど。もうお母さんには許可取ってあるし、あなたのお祖父様にも許可を取ってあるわ」

「俺の許可はどこいったの」

「だから本当は今日から一緒に暮らしたいのだけど流石に怜の準備もあるでしょう?一応地図を渡しておくから明日からそこに来てね」


そう言って一枚の神を手渡される。そこにはこの地区内で最も有名と言って過言ではないマンションが書かれていた。


「知ってると思うけど私はアイドルだったんだから防犯対策はしっかりとしないといけないでしょ」

「まあそうだな」

「でしかも同棲するでしょ?」

「なんで同棲するっていう話になるんだ?」

「いや3年前に言ったでしょ。私が養ってあげるって」

「だからと言ってなんで同棲するっていう話になるんだ?」

「いや生活の全てを養ってあげると思って」

「いやいいよ別に」

「大丈夫だってお金は心配しなくてもいいよ。もう私たち二人で生活する分のお金は稼いでいるから」

「なんだお前はヤンデレか?」

「アイドルに向かってヤンデレとはひどい」

「そこまできたらヤンデレだろ」

「私はあなたのためだと思っていっているのに」

「いいって別にそんなことしなくたって」

「気にしないでいいのに。まあどちらにしても私が生涯かけて養ってあげる」


なぜだろうか。彼女の目に光がないような気がした。とりあえずいう子よを効かないと俺の命が危ないの感じる。

これから俺の生活はどうなるのか?

ただ100%普通の生活が送れることがないといえる。






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3年ぶりに再開した幼馴染がアイドルになっていて俺のことを養ってくれるらしい 亜羅羅 @koppe1571

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