第4話 みるくの秘密

ここは佐野みるくの家である。

彼女はキラキラした景色を観るのが とても好きだった。


(·····はぁ。めっちゃ三日月が綺麗やなぁ)と みるくが見惚れていると、いつから居たのか義母が後ろに立っていて こう言い放った。


「·····みるく、頼むから ここの家庭では問題だけは起こさないで。あなたは他の人とは違うのよ。〃あの力〃だけは どうか使わないでね。」


すると みるくは少し悲しげな顔をしながら


「お義母さん、心配かけて ごめんな? うち、分かっとるから。あの〃檻みたいな家〃から 連れ出してくれただけで、うちにとっては幸せな事やし、今の暮らしを壊すような 事はせぇへんから 安心して。」


すると、義母は一瞬だけクスッと笑った後で


「そう!そうよね? みるくなら きっと優しいから 私達の事を大事にしてくれるはず。と、そう信じてるわよ。じゃあ、今日の分のご飯を置いておくから 一人で食べてね、おやすみなさい。」


おやすみなさい と力なく返しながら、みるくにはもう

分かっていた。 この大きな家に 他の義母の我が子にも滅多に会わさず、毎日、一人でご飯を食べている。


その 本当の意図は、ただ 自分の事をそれだけ愛していない証拠だと。どうでもいい存在なんだと。


だけど、元いた本当の両親の家にだけは もう帰りたくない。その思いを ずっと心の中に秘めていた。


(あ·····! そうだ、スマホ!スマホ!みるくの頭の中に密かに片想いをしている、一番 仲良しの男の子。

三日月 町が浮かんだ。)


「ふふ。 町、大好きやで」と、ポチポチと夢の中で三日月 町にLINEしながら、気付いたら みるくは寝てしまっていた。

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