4話 登校
明依と出会って翌日。
特に行くところもないらしく、視える俺のところにしばらく居付くのだそう。理由を聞くと、
「誰からも相手にされない生活ってつまらな
いじゃん」
とのことだった。聞いておきながら追い出すのは、可哀想なので許可した。
……………
今、俺と明依は登校している。
それは朝食後のこと。
「じゃ、俺は登校するから。また後でな」
「ちょっと待って、私も一緒に行く!」
「着いてくるのか?」
「うん、そういうこと。道分かんないから
案内よろしくね!」
まぁ、徒歩通だし大丈夫か。
「行ってきまーす。(行ってきま〜す!)」
「行ってらっしゃーい‼︎」
毎日、登校時間と通勤時間が俺より遅い
母さんと桃花がこうして言ってくれる。
歩いていると、
「今日もあの家は元気だねぇ」
道行くおばさんの呟きを聞いたり、
「あれを見るの、実はお姉さんの日課になってるんだよ!」
などと、似たような言葉が俺にかけられたがいつものことだ。
ただ、明依は微笑ましいものを見るように笑っていた。
「笑わなくても良いだろ」
「もしかして照れてる?イイじゃん元気な家族で」
「…………」
自覚はしているがこうして言葉にされるとなんかこう、くるものがあった。
「ちょっと拗ねないでよ。私が悪かったから
さ〜」
なんて会話をしていると、
「ねぇ、誰かと話してるの?トウ君」
幼馴染のサチが話しかけて来た。サチの家は通学路の途中にあるため、よく一緒に登校している。今の反応を見ると妹と同様に彼女も明依のことが視えていないようだ。
「聞いてるの?返事してよ」
「あぁ、少し考え事をしていて」
「なら許す」
「助かるよ。それで、今日は何話す?」
「う〜ん。今日はたい焼きの具についてか
な。ちなみに私はつぶあん派」
「俺はこし餡派だな。あんこの味とたい焼き
の生地の味を楽しめるし、豆の食感がない
から口触りがいい」
「つぶあん派の私からすると、豆の食感があ
るからあんこって気がしてイイんだよ!」
なるほど。あの粒々があんこだっていう捉え方もあるのか。
「私の事、忘れてない?さびしい」
あ。
「もしかして、ほんとうに忘れてたな〜!」
「(それは生霊なのが悪いと思う)」
「そこっ!冷静に返さない。事実ばっか言っ
てたら、キリがないよ。わたし」
こんな会話がそのあともしながら、学校に着いた。サチは少し首を傾げながら、俺を見ていたことに気がつかなかった
………………
途中のものを投稿してしまい、すみません
。
目の前に浮遊するクラスメイトがいたんだが 兎餅ミナカ @first-sing
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