3話 計画通り? ②

 父の書斎に入ると、机に紙が置いてあるのを発見した。手紙というよりはメモに近い。

そこにはある家の住所と名前が書かれているた。それを見てら彼の家だと知った。記憶の中の彼は小さい。どんなふうになってるかな。寝顔はどうかな。次々に溢れる思いを胸に秘め、向かった。


………………


 家に着き、彼の部屋に侵入。生霊だから、不法にはならない、よね?自分で言ってちょっと自信を無くした。室内をを見回すと、彼はは寝ているようだ。どうせなら、と透けた自身の手で頭を撫でてみた。


 「あれっ、触れる⁉︎」


  私は驚いて少し動きを止めていた。霊体が実体に触れるなんて、思わなかった。次第にその事を飲み込めてくると彼が起きるまで寝顔を眺めることにした。すぐ、真横で。

 

 ようやく彼が目を覚ました。ぼんやりと私を見た(ような気がした)。その後、特にこれといった反応をせずに階下に降りていった。 


「さっき私のこと見てた?」


だとしたら、驚いてもいいはず。やっぱり気のせいか。




 彼は私の事が視えるらしい。何でだろう?戻ってきて、特に驚いた様子もなく話しかけてきた。


「何で俺の部屋にいるんだ?」

「それはね…って、家に女の子がいるんだよ!

 反応が薄過ぎ、だよ!しかも、幽霊!」


 彼の最もな疑問だけど、私が期待してた反応は「誰だ!」だったので、ちょっぴり残念だった。


 私は彼の名前を一方的に知っている。けど、彼は私の名前は知らないと思う。

だから、公平にしようと


「それじゃ、自己紹介を」


返ってきた言葉が、


「名前あるの?」


だった。悲しい…。これが目の前に霊が現れての普通の反応かなぁ。


「私は一条 明依。明依って呼んでね」

ホントは呼んでねの後に⭐︎をつけたい。でも、引かれそうなので止めといた。      

 そうして、お互いに名前で呼び合うことに成功した。


 けれど、


「明依」


いざ名前を呼ばれると、とても恥ずかしくて一瞬にしてさっきまでの余裕がとんでいってしまった。


「ハ、ハイ。ナニカナ」


そのせいで片言になっちゃた。頭がグルグル回る。あと少しでお星さま見えるかな。  


 自分では気が付かなかったけど、顔が真っ赤になっていたらしい。心配したトウ君が私のおでこに手を当てた。思わぬ追撃に限界間近だった私は耐えきれず、しばらく動けなくなった。まるで、ショートしたロボットみたいに。


 トウ君が部屋を出ると私は一人、叫んだ。


「こんなんじゃなかったのに〜!!」


いたずらの一つだと思っていたのに、逆にこっちが驚かされ、恥ずかしくなったり、とやられっぱなしだった。何となく悔しい。私の方が大人だと思ったのに。


「むぅ〜」



………………

ようやく、大量のやる事が終わりました。


前話の明依の点数。かなり極端ですよね。 

なので、本人にインタビューしてみました。


Q.どうして隠してあったテストが0点と100点

という数字になったのですか?


明依「それはねー。計画立てずに好きなやつ

  優先で勉強してたらさ。5教科しかやって

  なかったんだ!(全9教科)

  当日気づいて本気で"詰んだ"って思った」



Q.授業を受けていれば、0点は取らないと思

 うのですが?


明依「私、理解が遅いんだよね。授業では薄

   すらとしか分からなくて。だから、

   家でたっぷり勉強してるんだ」


 このような理由でした。良くも悪くも真っ直ぐな子のようでした。余談ですが、友達にその事を話すと大層呆れられたそうです。

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