第21話 AIで生成した小説 ~ラブコメ編~

AIでラブコメにチャレンジします。今回のデモンストレーションでは「釣り」を題材にしたラブコメを作成します。主人公は、彼女いない歴6年の釣りが趣味の24歳の青年、ヒロインは若くして大手釣具メーカーの宣伝部長とプロアングラーの肩書を持つ22歳の美人女性です。初めて主人公とヒロインが出会い、そして再会するまでを描きます。



◆AIに入力する最初の書き出し


・タイトル

僕の彼女は有名釣りガール


・キーワード

ラブコメ、釣りガール、恋人、釣り女、恋愛


・登場人物

三崎リュウ:主人公。釣りが大好きな24歳男性。趣味が高じて釣具店に就職。彼女いない歴6年。休みの日は、日本全国の釣りスポットへでかけて釣果をSNSにアップするのがライフスタイル。

鮎川ヒメコ:22歳女性。大手釣具メーカー・ドキドキフィッシングの宣伝部長兼プロアングラー。韓国の女子プロゴルファーのような美貌とスタイルを持ち、テレビや雑誌などにも引っ張りだこで会社の広告塔として大活躍をしている。


・内容

6月下旬、リュウは平日に休みをとって河口湖に向かっていた。目的はバスフィッシングだ。朝5時に到着。まだ、あたりは暗いが上空には雲ひとつないことがわかる。この時間帯は朝マヅメといってブラックバスがエサを追いかけやすい。早速、ロッドとリール、ルアーを取り付けて準備OK。早々にリュウはキャストを開始した。


釣具店の店員だけあって、ポイントは熟知していた。ルアーを投げて、



◆AIを活用して作成した続き


アタリがなければ、次々と可能性の高い場所へ移動していった。


ブラックバスがヒットする雰囲気はあったが、なかなかアタリがこない。リュウは心の中でつぶやいた。


「釣りは精神修行のようなところがある」


その矢先、アタリがきた。ドンッと激しい衝撃に体が反応する。ロッドを引いてアワセる。ググーッとロッドが曲がった。引きは魚のパワーを感じ、なかなかのファイトにリュウは驚いていた。


「やった!思ったより、大きい」


バスを弱らせてから陸に引き上げた。バスを釣った!


約40センチのミドル級だ。ルアーをはずす。そして、バスの口に親指を少し入れて、顔の近くまであげてスマホで自撮り写真を撮影した。それを早速SNSにアップしたら、釣り仲間のイナガキ君やスドーの店員さんも、いいねやフォローをしてくれた。バスフィッシングは、自己顕示欲を満たす最高のレジャーだ。


バスをリリースすると、20メートル程離れた次のポイントへ向かう。


「ガヤガヤ、ガヤガヤ」


背丈ほどに成長した雑草をかき分けてポイントに近づくと、なにやら騒がしい。雑草の林を抜けると、そこにはカメラマンと照明を持った助手と思われるスタッフ数人、そして帽子を被って、ルアーロッドを持ったミニスカートの女性が話をしていた。顔は帽子のつばが邪魔をしてはっきりとはわからなかったが、スタイルはモデル体型といったところだろう。


リュウは、その集団に近づき、挨拶をした。


「おはようございます」


すると、最初にあいさつしたのは、ルアーロッドを持ったモデルらしい女性であった。彼女が帽子をとると、さっきまでは気がつかなかったが、金色の髪があふれてきた。ちょうど朝日が彼女の背中にあって、金色の髪をキラキラと輝かせているようだった。髪はスローモーションのようにキラキラと輝きながらバスト付近まで流れていった。


「おはようございます!」


リュウは、金色の髪の先にあるバストに釘付けで、女性の声が耳に入ってこなかった。


女性はバストへの視線を感じてか、少し恥ずかしそうにリアクションのないリュウに呼びかけた。


「あのー、もしもし」


そしてその場にいた他のひとたちも次々にリュウに声をかけた。


「おはよーす」

「どうもー」

「お騒がせしてます」等々


リュウは他のひとたちの声を聞いて、我に返る。そして、目の前にいる女性の顔を見ると、彼女は金色の髪に囲まれて、まるで天使のようであった。顔は童顔のようにも見えるが、少しオトナっぽい顔つきで、スタイルも抜群であった。リュウの心臓の鼓動は速くなり、血流が黒潮のように全身を駆けめぐっているようだった。それでもリュウは思考回路をなんとか再起動して、ようやく言葉を返した。


「なにかの撮影ですか?」


すると女性は笑顔で答えた。


「はい、私たち釣具メーカーで、新商品のプロモーションビデオの撮影にきているんです」


リュウはそれを聞くと、女性の帽子に目を向けた。どこかで見たようなさまざまなブランドのワッペンが縫い付けられ、ロゴマークが刺繍されていた。アルファベットで「Doki Doki Fishing」と縫われている。リュウは女性に尋ねた。


「もしかしてドキドキフィッシングさんですか?」


女性は笑顔で答えた。


「はい、そうです!」


リュウも笑顔で答えた。


「僕は釣具店に努めていて、うちの店もドキドキフィッシングさんの釣具をたくさん仕入れてます」


ドキドキフィッシングと言えば、大手釣具メーカーであり、日本国内で大きなシェアを誇っている。リュウが働いている釣具店でも同社のロッドやリール、ルアーなどを多く取り扱っている。


女性は飛び切りの笑顔で、リュウにお辞儀した。


リュウはハッとした。この女性にどこかで会ったような……。思考回路がリールのように高速で回転した。展示会、店、どこかの釣り場……思考回路が会った場所を検索中。そして、ついに思い当たることが見つかった。


「もしかして、あなたはヒメコさんですか?」


女性は少し驚きながら、リュウに尋ねるように答えた。


「はい、鮎川ヒメコです。えっと、どこかでお会いしましたか?」


鮎川ヒメコといえば、釣り業界では有名なプロアングラーである。当然、アングラーとしてのテクニックの凄さが話題になるが、韓国の女子プロゴルファーのような美貌とスタイルを持ち合わせていることで、釣り雑誌の表紙や週刊誌のグラビアにひっぱりダコのグラビアアイドルとしても注目を集めている。リュウの釣具店では釣り雑誌も販売しているので、それで何度かヒメコが表紙のものを見た記憶が蘇る。リュウは見たことがなかったが、週刊誌のグラビアでは、ヒメコはきわどい水着姿を披露して、アングラー以外のファンも引きつけていることは知っていた。


リュウは、これまでヒメコに興味はなかったが、実物を見てさまざまな興味が泡のように湧き上がった。


「いえ、雑誌の表紙でお見かけしたことを思い出しました」


すると、ヒメコは初対面のリュウにユモーアたっぷりに笑いながら言った。


「そうですか。それじゃあ、ビックリして声も出ないんですね」


その一言でリュウのヒメコに対する好感度は、うなぎ上りであった。さっきまでの緊張感がほぐれて自然と口にでた。


「雑誌で見るより、実物の方が美しいですね」


仕事柄、ヒメコは多くのひとから同じようなことを外交辞令として言われているので、わずかに笑う程度だった。ヒメコは話題を変えるように話しだした。


「そういえば、さっきエラ洗いのような音が聞こえてきたけど、釣れましたか?」


リュウは照れくさそうに答えた。


「はい、ランカーではないけど40センチ位のミドル級のバスを釣り上げました!」


ヒメコは首をかしげながら、独り言のようにつぶやいた。


「朝マズメで、天気もまずまずだからホッパーあたりかな」


リュウはそのつぶやきに反応。


「さすがプロアングラー、ホッパーです」


ヒメコは得意気に一言。


「やっぱね」


こうしてふたりはしばらく釣り談義に花を咲かせた。


リュウは高校生のときは彼女がいた。だが、大学に入学して早々に別れた。原因は趣味の釣りだった。彼女はほとんどのデートが釣りだったことに、だんだんと嫌気がさしたらしい。それもそのはず、釣りをしている間はほとんど会話もなく、釣れなければ転々と場所を移動してただ疲れるだけだった。彼女は、別れ際、フグのような顔をして捨て台詞を残して去っていった。その台詞とは。


「釣りなら家ですればいいじゃない」


この一言をリュウはずっと引きずっていた。


でも、ヒメコと釣りの話をしていると長く引きずっていた失恋の傷が一瞬で癒えたような気がした。


スタッフのひとりがヒメコに話しかけた。


「ヒメコさん、お昼には東京に戻らないといけないので、そろそろ撮影をはじめないと」


それを聞くとヒメコは苦笑いをしながらリュウに挨拶をした。


「ごめんなさい。この後の予定が詰まっているから仕事に戻らないと。お話ができて楽しかったです」


まだまだ、リュウはヒメコと話をしたかったが、仕方がない。ヒメコに挨拶をした。


「いえいえ、こちらこそお仕事の邪魔をしてすいませんでした」


するとヒメコは名刺を差し出し、リュウは、一度、手をジーパンで拭いてその名刺を受け取った。


名刺の表には次のように書かれていた。


「ドキドキフィッシング株式会社 宣伝部部長兼プロアングラー 鮎川ヒメコ」


リュウは仕事を休んで釣りにきているので名刺入れを持ち合わせていなかったが、財布の中に、万が一に備えていれておいた1枚があることを思い出した。ジーパンの後ろポケットから財布を取り出し、少し角が折れた名刺をヒメコに差し出した。


「ありがとうございます。一応、僕のもお渡しします。ベストキャスト新宿店の三崎リュウです」


ヒメコは笑顔で受け取り、可愛らしい名刺入れにしまって撮影に戻っていった。


「三崎さん、また!」


リュウは、ヒメコとの楽しい会話の余韻に浸りながら次のポイントに向かった。


「あ、一緒に写真を撮ってもらえばよかった」


リュウにとっては一緒の写真を取らなかったことは、近年で失恋の次にショックな出来事であった。


それからひと月後


ベストキャスト新宿店内、陳列中の商品を手にして呆然とするリュウの目の前にはヒメコが立っていた。



<終わり>



このデモンストレーションの文章は、ざっくりとですがAIが生成した部分が4割、手動で追加&修正が6割です。釣りを題材して、その中でもバスフィッシング(バス釣り)をピックアップしたのですが、現時点のAIはそれほどバスフィッシングを学習していないようで、なかなか専門用語を使用した文章が生成できなかったため、作成の途中で数カ所「(ルアー)ロッド」「ホッパー」「(プロ)アングラー」「ランカー」「エラ洗い」などの専門用語や文章の所々に例外的に釣りに関連する言葉を手動で追加、修正しつつ、AIの生成を繰り返しました。とはいえ、AIは一般的な釣りは学習しているようで、例えば文章中の次の一文はすべてAIが生成したものです。


「その矢先、アタリがきた。ドンッと激しい衝撃に体が反応する。ロッドを引いてアワセる。ググーッとロッドが曲がった。引きは魚のパワーを感じ、なかなかのファイトにリュウは驚いていた」

※AIが生成したときには「ロッド」の部分が「釣り竿」になっていたため、バスフィッシングにあわせて手動で「ロッド」に変更しています。


この文章は、釣り人と魚のファイトを的確に表現していて、釣り漫画や雑誌などでも見られるものです。AIが文章生成するときに正しい言葉の繋がり実現する確率がピッタリとハマった会心のパターンです。


その他、結果的に、このデモンストレーションでは主人公とヒロインの出会いの中ではコメディ要素が入りませんでした。もし、コメディ要素を追加するのであれば、例えば、主人公とヒロインの出会いを次のような書き出しからはじめると面白いかもしれません。


「僕が投げたルアーが彼女のスカートに引っ掛かり」


この書き出しからAIが生成した続きの文章はこちらです。


「、その場でスカートの中まで見えちゃいました♪『これって夢?』と尋ねると、「もうよかろうよ!!」とノリノリの返事でした♪お......オネーサン、失礼ですけど、その声ちょっと若いです。」


文章の最後の「その声ちょっと若いです」は他の内容に手動で変更した方が良いかもしれませんが、コメディの方向でふたりの出会いを描くこともできます。



【次回予告】AIでミステリー小説に挑戦

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