第19話 AIで生成した小説 ~童話編~

AIを活用して童話をつくってみます。「ハゼ」をネタにしてつくりますが、「ハゼ」と言えば、海底や防波堤の壁に張り付いている愛嬌のある魚です。一昔前には「ハゼ」を題材にしたテレビアニメも放映されていました。昭和時代には、東京湾の至るところでハゼ釣りを楽しむ家族や釣り人が多くいましたが、十数年前から一部釣りで楽しめる程度の生息状況となっているそうです。昔のひとは江戸前の魚といえば「ハゼ」と言うほど、東京では親しまれた魚なのに残念です。



◆AIに入力する最初の書き出し


・タイトル

ハゼ物語


・キーワード

ハゼ、魚、海水魚、昔話、童話、江戸


・登場人物

ハゼ


・内容

むかしむかし東京湾の至るところにたくさんのハゼがいました。



◆AIを活用して作成した続き


彼らは「泥団子」という丸い玉を作るのがとても得意でした。


泥団子の中に身を沈めて泥をねては放り上げ、また泥団子に沈めては放り上げる。その繰り返しで出来上がるのが「泥団子」。


ある時、若者が海の沖合いからたくさんの泥団子を見つけて捕るようになりました。若者はうまく泥団子を炊いて、湯炊きしました。その団子は湯気と共に甘酸っぱい香りが漂い、この団子は大変好評でした。団子は飛ぶように売れ、たちまち町が賑わい、若者はどんどんその勢力を広げていきました。


しかし、ある日から「泥団子」がとれなくなりました。


若者はハゼに「泥団子」を作らなくなった理由を聞くと、ハゼは良い返事をしませんでした。


どうしてだと聞くと、ハゼは大きな黒鯛になりました。「泥団子」を食べ過ぎると、大きな黒鯛に成長します。黒鯛は大きく育つと、次に大量の「泥団子」が必要になります。だからハゼは黒鯛にならないように「泥団子」を作るのをやめたのです。


若者は、ハゼにもう一度だけたくさんの「泥団子」を作ってほしいと頼みました。ハゼはしぶしぶ若者の願いを聞き入れて「泥団子」を作りました。


若者は、たくさんの「泥団子」を売るために江戸の至るところに店を作って、再び「泥団子」は飛ぶように売れて、若者は江戸で一番の金持ちになりました。


若者は欲深くなり、ハゼにもう一度だけたくさんの「泥団子」を作ってほしいと頼みました。ハゼはしぶしぶ若者の願いを聞き入れて「泥団子」を作りました。


若者は、たくさんの「泥団子」を売るために関東の至るところに店を作りました。しかし、既に「泥団子」のブームは去り、直ぐに売れ残りの「泥団子」の山ができました。


若者が売れ残りの「泥団子」を東京湾に捨てると、ハゼは大きな黒鯛になりました。


こうしてハゼは東京湾から姿を消したのです。


<終わり>



この童話は、最初の書き出しがこれまでのデモンストレーションと比べて非常に少ない量となっていますが、予想以上にユニークかつまとまりのあるものに仕上がっています。童話の大半はAIが考えたもので、手を加えたのは童話としてのリズムをだすために若者がハゼに泥団子を複数回にわたりつくることを依頼した部分、泥団子を複数回にわたり販売したこと、そして泥団子のブームが終わったこと、を追加した程度です。AIは「ハゼが泥団子をつくること」「ハゼは泥団子を食べ過ぎると黒鯛になること」を考えました。偶然にも冒頭で書いた通り、現在、東京湾でハゼは少なくなりました。その原因は環境汚染や破壊にあると言われていますが、「泥団子=環境汚染」を表現しているような印象を受けます。AIでの文章生成における偶然の産物とも言えるでしょうか。



【次回予告】AIで歴史小説に挑戦

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