第7話 パ、パッパ、パッパ、睫パーマ

 マリア・テレジアの子育てが……ひどい。


 思わず彼女のアットホームで偏った子育てについて、鈍器のような本を読んでいたら、なんだか酷くつかれたので『元祖和風シンデレラ・落窪姫』で心を癒し、夏バテも酷いので、今日はおとなしくしていよう……。


 そんな休日の真昼間の事でした。


 わたしは『まつげパーマ・通称、まつパ(ほんとに?)』の予約をすっかり忘れていたのでございます。


 このエッセイを振り返ると、なんだよ、化粧品の新作に整理券持って並んだり(限定プレゼント目当て)これまた限定アイパレットを購入して、ニマニマしている様子を書いてみたりしているので、普段からさぞや美容にこだわっているんだろうね?


 そんな声も聞こえそうな気もいたしますが、(そうでもないかな? 身だしなみの範囲内?)


 実は、髪質にはかなりこだわりがありながら、最近まで、「メイク? 唇に色がついていれば大丈夫じゃないの?」そんな生活を送っていたので、この昨今大流行り(かどうかは知らないけど)の『まつパ』に友達が誘ってくれていたのを、すっかり忘れていたのでございます。(二人で予約すると、安いキャンペーンだからと、お声がかかっていた)


『目元のメイク厳禁。割り増し料金(メイク落としのため?)だからね』


「ひーえー、そんな暇なし!!」(その時点ですっぴんでした。)


 そんなこんなで、わたしは禁止されるまでもなく、雑に日焼け止めを塗り、久々にこの酷暑にマスクを装着すると(マスクってこんなとき便利)、お気に入りのワンピースで、逆さになった巨大なまつぼっくり……もとい、おしゃれなアーティチョークのような白い照明が何個もぶら下がった、カリフォルニアの西海岸(空想)にあるような、とてもおしゃれな『まつげパーマショップ』に、怒りを隠した友人と駆け込んでいたのでありました。(あとで謝罪にお茶をおごらせて頂きました)


 で、初心者なので、何パターンかある睫の角度(それぞれおしゃれな名前がついているのですが、今回は角度がついている順に、松、竹、梅でいきます。)の中から「どれになさいますか?」なんて、美しいお姉さんに、カウンセリングなんかをしてもらいながら、小市民なので、真ん中にしよう。そう決めると「竹でお願いします」


 そう言って、施術台の上に転がっていました。(何分、睫パーマなので、施術中は、なにか睫がペタリと接着されて丸まっている……くらいのレポートしかできなくてすみません)あと、帰り道、ちょっとだけ目が染みてました。


 で、睫パーマを体験してみて、よかったな!! と思うのは、やはり毎日ビューラーで上げたように、朝、洗顔をすると、睫が上がっていることです。


 不器用なので、ビューラーなんて使ったことなかったのですが。


 あと、お店のお姉さんに「睫ちゃんとお手入れしてくださいねー」と、紙をもらったのですが、その中に「睫美容液をちゃんと塗りましょう」と、書いてあって、睫美容液なんて、眉唾! と、横目で見ていたわたしは、人生で初めて、睫美容液なるものを購入したのですが(プチプラの一番安いヤツ)その感想といえば……


『睫美容液って、本当に睫が伸びるんですね!』


 世の中を疑り深く生きている自分を、少し反省した酷暑の一日でございました。


 女子への幻想をぶち壊すスタイルのエッセイで申し訳ないのですが、こんなシロモノも存在するのかと、なにかのお役に立てれば幸いです。



2023年8月吉日












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