第12話 新人(ルーキー)狩り 【残酷注意】

野良猫庵に寄って行こうとしたら声が聴こえてきた。




「獣臭いったらありゃしないわ」


「本当に魔物使いって、何なんだ、自分は戦わないで代わりに魔物を戦わせるなんてゴミだな」


「そう、思わないか?」


「あははははっ本当は魔物じゃ無いのかな? どうみても貴方は人間よりも魔物の方が友達が多いでしょう?」



暴力こそ振るって無いが、明かに侮蔑している。


スワニーとパーティを組んでいる俺としては



見てられないな..




折角、今日は美味しい物食べて帰ろうと思ったのに..


「スワニー、後でご飯買って帰るから、先に宿に帰ってくれるかな?」


「解ったわ」



スワニーを言葉で傷付けられると困るから宿に帰した。


文句を言われているのはファングだ。




間に入ったら..間違いなく喧嘩になる..だから、僕は店に入りまずは飲み物を注文をした。


そして..


「なぁ、あそこだけど、何であの3人摘まみださないんだ?」


店員に文句をいう事にした。


「それは...その」


うん、解かって言っている。


冒険者、しかも明らかに柄がわるそうだし怖いだろうな。


だが、今の僕は客だ、しかもこの店はテラス席を売りにしている。


つまり、魔物使いにも対応しているのが売りだ。


それなのに、あの暴言は許しちゃ駄目だろう?


「あのさぁ..ここはギルドでも従魔を連れて入って良い店として紹介しているよね? しかも、エドガーさんも行きつけなんだよね」


「はい..」


「なら、注意する義務があるんじゃないかな」



「解りました..注意してきます」



店員が注意してもやめようとしない..仕方ないから間に入るしか無いか。



「ちょっと良いか?」



「何だ、お前!」


「何かお姉さんにようかな? お酒のお誘いなら受けるけどちょっと待ってくれる?」




「あのさぁ..出て行ってくれないかな..」



「お前、何言っているんだ! 」



「此処は、冒険者ギルドで、魔物使いも使えると言われているお店だよ、嫌なら他に行けば良いんじゃないか?」



「はぁ、何それ、俺は獣臭いから文句いっているんだ、出て行くのはあっちだろうが..」





「なら、僕はギルドに抗議に行きますが良いですか? 冒険者ギルドがテラス席があるお店は従魔を連れて入って良いって言っていたんですから」




「もう、良い..行くぞ」



「そうじゃなくて、名前を教えてくれませんかね! ギルドに報告しますから」




「そこまでにしなくて良い..悪かった」


「めんどくせーな..もうこんな店こねーよ、それで良いだろう」


「あーあ、つまんない..もうこんな店こないわ、美味しくないし」




結局、三人は謝らないでそのまま帰った。



「ファングさん、大丈夫ですか?」


「セイルか、かっこ悪い所見せちまったな..」



「そんな事ないですよ、ファングさん従魔を庇う為に動かなかったんでしょう...カッコ良いですよ」


「そういう、お前も巻き込まれない様にスワニーを家に帰したんだろう? 同じだよ」


「そうですね」


「ありがとうな」


「お互い様です、だけど僕たちが生活しやすいのはエドガーさんだけじゃなく、他の魔物使いの方の努力の上に成り立っている、それは良く解りました」


「そうか..お前は良い奴だな! 今度酒でも奢らせて貰うよ..今日は用事があるじゃぁな」


「はい、また」



僕はスワニーと食べる為に揚げ鳥を1羽買って帰る事にした。






ダンジョンにて..


「助けて下さい..たすけて、たすたすたす....たすたすたすたすたすたすけてぇぇぇぇぇぇぇー」


「俺たちは獣みたいな物だからなわかんねーな..」



「俺たちが悪かった..もう二度と言わない、だから許してくれ」


「知らねーよ..大した実力も無い癖に、人を馬鹿にするからこうなるんだよ..大した事ねーな」



「そうだ、お前..そこのブルーウルフとまぐわって見ろよ! 面白かったら助けてやるよ」


「嫌嫌嫌いやあああああああああっ..あああ、あああああっ....これ以上はいやああああっ..やめて..もうやめて、せめて、せめて..人間にしてください..」



元は綺麗な顔をしていたのかも知れない。


街を歩けば、沢山の男が振り向く、そういう美貌だったのかも知れない。


だが、沢山の暴力を受けたのだろう..その顔は、鼻は潰れて、前歯も一部無く1.5倍位に吹腫れあがっていた。


裸に近い程、引きちぎられている服から見えるその肌は..痣によって紫に見えた。





「おい、誰かこの女抱いてみたい奴いるか?」


「どうみても、ゴブリン以下..抱きたくねーや」


「俺もパス」


「オークのメスの方がまだましだな」




「だ、そうだ..お前の相手してくれそうなのは..従魔位しかいねーな..それに躊躇していていいのかな? 急がないと二人死んじゃうよ?」



男の1人は多分、剣士だったんだろう..近くに食いちぎられた、腕が剣を握ったまま落ちていた。


自慢の美しい顔は、鼻が食いちぎられていた、足も既に片方無い。


ただ「ヒューヒュー」と苦しそうに息をしているだけだ。



もう一人の男は多分、リーダーなのだろう、大怪我はしているが今のところは無事だ。


ひたすら「俺たちが悪かった」「許してくれ」と連呼している。




「嫌、嫌、嫌..」



「どうでも良いけど? 早くしないと二人が死んじゃうよ」




「アルト..シャル..見ないで..」



彼女は諦めた様に..裸になると四つん這いになりお尻をブルーウルフの方に突き出した。



「それじゃ2匹だ..2匹、相手を終えたら、命は助けてやる」



直ぐに一匹は、彼女に跨り犯したが、もう一匹は彼女を見ても何もしなかった。



「あーあっ、こんな女、従魔でもやりたくなんだな..本当に使え無いな」



「うっううう..そんな..なんで、なんで」



(馬鹿な女、ゴブリンやオークでも無い魔物が人間を犯すかってーの、1匹は事前に発情薬を打ってあるからしただけだって)



「あああっ可哀想に、ブルーウルフにまでそっぽむかれて..」


「それ以前に犬みたいな魔物とするなんて、犬以下じゃね? よく魔物使いが臭いなんて言えたよな」



「さて、結局、1匹しか相手出来なかったな..」


「許して、許して..いやぁぁぁぁぁ..殺さないで、アルト、シャルぅうう..」



「もういいや、許してやるよ..」



「本当、本当?」


「ああ、今なら謝れば許してやる」


「ごめんなさい.ごめんなさい」



「違う、謝るなら土下座だろう」



「ううっ..わかりました」



土下座して謝ったが...



「ああっお前遅すぎたわ..可愛そうにシャルだっけ? 出血多量で死んでるわ、さっさとしないからこうなるんだよ!」


「そんな、シャルぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ..何で、何で..」



「アルトだっけ、こっちは舌噛んで死んでるな」



「アルト、アルト...そんな..何で死んじゃうの..私は私は..」



「お前が彼氏の前でブルーウルフと楽しんでいたからじゃねーの」


「可哀想に、魔物に彼女を寝取られて..自殺、これはお前を恨むんじゃね?」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」



「さてと飽きたから、これで終わりで良いわ..お前達はどうだ」


「犬みたいな魔獣、相手に腰振る不細工見てても仕方ねぇー帰るか」




「だ、そうだ..じゃぁな、約束だ、姉ちゃんの、命はとらねーよ、これで少しは気は納まったかファング」


「はい、エドガーさん」



女一人を除き、全ての人間と従魔が去っていった。



「アルト.、シャルぅぅぅぅぅ..」


だが、魔物の住むダンジョン..血と肉の臭いが魔物を呼び寄せる。



「嘘、ゴブリン、でもゴブリン位なら..無い、無い、私のナイフも弓も無い..」


三人いれば造作もない、1人だって4体のゴブリンならどうにか狩れる..それは武器があればの話だ。



「嫌嫌嫌いやああああああああああああああああっ」



その後、彼女がどうなったのかは想像がつくだろう



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