第8話 ちょっと待て
【マカ】
「ちょっと待て・・・マカ王よ、契約とはなんだ?」
まあ、今までよく口を
途中、何度か(特にナオが王妃にプロポーズをしたあたりで)
手に持ったカップがミシミシと音を立ててはいたが・・・
「ミラセアクアラ殿?」
「いや、なにぶん1000年前の事ゆえ、わらわの中で
あの時、わらわが眼を覚ました時にはもう、貴方は消えてしまっていたはずじゃ。
何しろ目を覚ました後であの二人に事の
だから、今聞いたマカ王との契約の事・・・わらわにはまったく覚えがないのだ。」
「ああ、そうだろうな。ただ、あの時の私は確かに
「呪いの影響で、わらわの意識が
「いや、あなたの認識も間違ってない。結論から言うと、これは全部ナオのせいだ」
「ちょっと待ってよマカ。 なんで・・・僕のせいなの?」
「正確にはナオの持っているギフトのせいだ。 貴女にあの時の記憶が無いのも、私が今日まで表に出る事が出来なかったのも全部、いつの間にか生えていたナオのギフトのせいだったんだ。」
「僕のギフトって何? それにミラセアの記憶を消す? マカを閉じ込める? 僕に
「ナオ、それを話しだすと長くなる、だから説明は後だ。」
「そんな事を言われると、かえって気になるんだけど?」
「ちょっと待ってください。それよりも
と・・・ミーラが顔を強ばらせて質問してくるが、それを押しのけるように割り込んで来たのは、興奮状態の
彼女達にブレーキは無かった。
「ちょっと待ってマカさん、
「
「
「
「あんたたち、自分で使えないモノを聞いてどうするの? それよりも戦車は?
マカさんお願い。とりあえず、あのエイブラムスをもう1台出してほしいな」
「紗希、気持ちはわかるが戦車が必要な状況なんて起きるのか?
それよりせっかく
「
「紗希ちゃん、そんな話は戦車を見つけたからにしようよ。それよりも、さっきの話だとストレージの中身って、これまで通りバンバン使っちゃって問題無いって事だよね?」
「そうなの、椿。これからは撃ち放題だよ」
「サキ、今までもそうだったような?」
「そんなことないよ。ストレージの中身を全部使い切っても良いって確かに聞いたよね?
私の妄想じゃないよね?」
おお、さすがは
「もちろんだとも、これまで通りバンバン使ってくれ。君達が暴走するたびに、ストレージから漏れてくる
向こうの世界で覚えた親指を立てるポーズ、サムズアップで応える。
「マカさんったら太っ腹! みんな、これで持ち主から正式なお墨付きが出たわけだし、とことん楽しむわよ」
「「「オー!!!」」」
私も上機嫌で軽口で返していたのだが、そんな中
今度は私の、いやナオの口が動いた。
「そんなことよりマカ・・・黙っててくれるはずじゃ無かったの? なんで全部バラシちゃったの?」
「ん? なんの話だ? もしかしてナオの失恋の話か? 過去の事実を説明するのにココの部分は避けられないだろ?」
「口の上手いマカなら色々と誤魔化せたよね?」
「誤魔化してどうする? お前、記憶が無かったせいか色々と変な
「だからって、僕が王妃さまに告白した話は要らなかったよね?」
「それだと、私が言い訳・・・いや、王妃から私と姉君の見合いを勧められて
ナオが勝手に承諾してしまった話が出来ないじゃないか。」
「キセラムフリス・・・あやつは・・・」
ミラセアクアラ殿は何かを思い出したのか、苦笑いを浮かべている。
「まあ、それなのに。見合い話を進めていた相手が突然自分の国を滅ぼしたあげく、
それを討伐した姉がその見合い相手に呪われたんだ。私の意図するところではなかったにしろ、王妃には本当に気の毒な事をしてしまった」
「マカ・・・・・」
心の中でナオに話しかける
《ところでナオ・・・》
〖どうしたの、マカ・・・何か内緒の話?〗
《私はこのまま・・・次の話、君の世界で目覚めてからの話を続けて良いのかな?
さすがに1000年も待たせたんだ、これ以上彼女を待たせるのは無粋だと思うが?》
〖でも・・・〗
《でも、なんだ? だいたい想像はつくが、とりあえず言ってみろ》
〖
こんな僕が告白というか、プロポーズなんて良いのかな?〗
《祖国を滅ぼした凶王と呼ばれるのは心外だが、私が保障しよう。告白してこい、プロポーズしても良いぞ》
〖マカ・・・〗
《それに、君がプロポーズをしても、相手がそれを受け入れてくれるかどうかはまた別の話だ》
〖えっ?〗
《安心しろ。もし、振られた時は責任をもって ”やけ酒” に付き合ってやるから。
心置きなく玉砕してこい》
〖・・・おい〗
《特別にストレージから秘蔵の酒を出してやる。こいつは
〖マカ・・・プロポーズの前に、振られる前提で話を進めるのはヤメテヨ〗
《ほ~ら、あまり黙っているから、みんなから注目されてるぞ》
「ナオ、どうしたのじゃ? 顔色が悪いが。 マカ王に何か言われたのか?」
不安そうに問いかけるミラセアを見て・・・僕は覚悟を決めた。
※〖〗ナオの声(マカだけに聞こえる)
《》マカの声(ナオだけに聞こえる)です
※
※
ロケット6発入りのコンテナとミサイル1発入りのコンテナが同じ形状になっていて、コンテナごとロケット砲に装填されるため、コンテナの外観からはロケットなのかミサイルなのか判別できなくなっています。
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