閑話 第1回 ギフト研究会

【サキ】


ここは、王都近郊のとある湖のほとり

ここでは、今、我々サバイバルゲームチームのメンバー4名が集まり

ある試みが行われようとしていた。


「只今より、第1回ギフト研究会を開催するよ。みんな拍手~」


ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち


司会をしている椿以外のメンバー3人に加えて

キーラちゃんとミーラちゃんの拍手も加わる


「それじゃあ、みんなの手元にあるのが各自自分で考えてきたギフトのキーワード、

 各自20個 合計80個になりま~す」






ギフト・キーワード一覧表


【ファイヤ】【ファイヤボール】【ファイヤストーム】【ファイヤトルネード】

【ファイヤボム】【ウィンド】【ウィンドカッター】【ウィンドストーム】

【ストーン】【ストーンブレット】【ストーンシャワー】【ストーンクラシャー】【ストーンクラッカー】【ロッククラッシャー】【ロックシャワー】【メテオ】

【メテオストーン】【コメット】【アイテムボックス】【フリーズ】

【チルド】【アイス】【コールド】【ブリザード】

【フレア】【ブラスト】【ボム】【クラッシュ】

【ニードル】【スピア】【ランス】【コール】

【サモン】【クリエイト】【ディメンジョン】【テレポート】

【ワープ】【リープ】【エスケイプ】【ミキサー】

【プレス】【コピー】【テレパシー】【サイコキネシス】

【ストップ】【スリープ】【ブレス】【ヒール】

【エンチャント】【ファスト】【スロウ】【クイック】

【ブレイク】【レーザー】【メーザー】【スラッシュ】

【インパクト】【ビーム】【ダウン】【フライ】

【スピン】【ブレット】【スラッグ】【マグナム】

【ディーゼル】【ムーブ】【ガソリン】【ケロシン】

【トレース】【ライト】【フード】【トランスレーション】







「「「お~」」」


「みんな~ 1番上から順番に~ 湖を向いてキーワードを唱えるよ~

 まず私が唱えるから、あとをついて来てね、準備はいいかな?」


「「「お~!」」」


「いっくよ~ 【ファイヤ】」


「「「【ファイヤ】」」」


「【ファイヤボール】」


「「「【ファイヤボール】」」」


      :

      :

      :

      :

「【トランスレーション】」


「「「【トランスレーション】」」」


 結局、何も起きなかったけど・・・大声を出すのは結構疲れた。


「何も起きなかったね? 」


「次回はキーワードに日本語も入れて見ようか? 」



後ろを振り返ると、キーラちゃんとミーラちゃんが

いつの間にか木の枝や枯れ葉を集めている。




「サキ・・・終わった? 」


「キーラちゃん? 終わったけど。どうしたの? 」


「魚採ってもいい? 」


「いいけど、気を付けてね・・・・」


「ん、みんなにゴチソウする」


キーラちゃんが服を脱ぎだした・・・


「もしかして、泳いで採るつもり?」


服を脱ぎ終わったキーラちゃんは、ニッコリ笑って






腰袋から取り出した手榴弾M67のピンを引き抜くと・・


「1・2・3」


湖の中に投げ込んだ!!


弧を描きながら湖に飛んでいく手榴弾M67




ポチャン ・・・・・・  ドゥム!




手榴弾が水中で鈍い音を立てて爆発して、水面が盛り上がり


そして・・・その周囲に大小10近い魚が浮き上がった





それを確認したキーラちゃんが、湖に駆け寄り、そのまま湖に飛び込んだ。


・・・・・呆然とした顔で、ただ見つめるしかない私達・・・





・・・・紗希、

 あんたキーラちゃんに、なんて事を教えてるの?」


「綾女・・・・確かに海で教えたけど、実演はやってないのよ」


沢山の魚を抱えて、キーラちゃんが岸に這い上がった。

なんと1匹は口に咥えている。


「フフフ、フフフフフ」


「わかったわ、おねえちゃん。火をつけるのね」


どうしてキーラちゃんが何を言ってるか、わかるの? ミーラちゃん。


キーラちゃんは、手と口の魚を地面に置いてから

もう一度湖に入って浮いている魚を確保している。





そして、ミーラちゃんは木の枝の所で何かしている・・・

言葉通りなら、火をつけようとしているけど、どうやって?


チッ 


何か小さな音が聞こえて、焚火に火が着いていた・・・


「ひ・・・? それも?」


さっきまでの、私たちの検証はなんだったの?


「おねえちゃ~ん、こっちは火が着いたよ、そっちの魚、内蔵を取り出してね。

 塩は持ってきた?」


「フフフフ」


「じゃあ、塩もお願い、こっちは枝を削って串を作っておくね」


ミーラちゃんは、手にしたナイフで、枝を削りだした・・・・






「・・・・・ミーラちゃん?」

ああ、心臓がバクバクする。


「どうしました、サキさん? 魚苦手でした?」


「今・・・どうやって、火を付けたの?」


「どうやってって、普通にですが?」


「普通って? みんな魔法使いそうなの?」





ミーラちゃんは、しばらく考えてきたが、何か思いついたようで・・・


「ああ、そういう事ですか。便利ですね って」


「・・・・マッチ?」


ミーラちゃんはスカートのポケットから、最近は見かけなくなった、

いわゆるブックマッチを取り出した。


「これ、便利ですね」


「ミーラちゃん・・・・・そんなモノ、どこにあったの?」


保存食MREの袋に入ってましたよ。使い方はナオ様に教えて頂きました」


その時、まるでギフトが発動したように、何かがきしんだ気がした。






※グレネード・フィッシング 湖や池、川に手榴弾を投げ込んで

衝撃波(絶対に衝撃波だけじゃ無いと思います)で魚を気絶させて採る方法です。

たとえ手榴弾を使わなくても、この衝撃波を使う漁法自体が

電気ショックや薬品使用と同じく、日本では違法となる漁法のはずですので

絶対にマネをしない様にしてくださいm(__)m



※アメリカ軍保存食MREに耐水ブックマッチが入っている物があります・・・

 中にあったとさせて頂きました。

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