第2部 心強い援軍・・・だよね?

第2部 プロローグ 赤い衝撃


海洋国家マルザム センタ ミメット商会


「ご主人様、お帰りをお待ちしておりました。

 少しでも長くおそばに置いて頂けますよう誠心誠意せいしんせいいつとめますので

 よろしくお願いいたします。

 なんなりとお命じ下さいませ」


 目の前で、見た事の無い、の美少女がメイド姿で

 見事な膝折礼カーテシーを決めてくれた。


「えっと、誰?」


、その恰好何?」





「ふふふ・・驚いたかい。なんせ半年も時間があるんだ、

 赤翼竜を倒した英雄の所に送るのに、キッチリ磨かないでどうするね」


ダーナさんが、胸を張って宣言した。


「はい、この半年間、ナオ様の為に勉強いたしました。

 姉共々よろしくお願いします」


「いや、見た目もすごくキレイだけど、ミーラ、

 君、なんでそんなに流暢りゅうちょうに話せてるの」


「そんな、きれいだなんてご主人様ったら」

 ミーラが赤くなって照れている


「外側だけ磨いても仕方ないだろう。

 言葉遣いや礼儀作法も専門家を付けて学ばせたよ

 もちろん、主人の世話についてもね」


ダーナさんが、にやにやしながら言い放った。


「はい、がんばって覚えました。

 ご主人様のお世話はお任せください」


ミーラを迎えに、マルザムまでやってきた僕達だったけど、

予想外の方向からの衝撃を受てしまった。


もっとも衝撃を受けたのは僕だけではなかったけどね


「ミーラ、ずるい。キーラもナオのお世話する」


「おねえちゃん、私は、ご主人様のお世話をするために勉強していたの。

 お姉ちゃんはご主人様のお世話、した事あるの?」


「うっ・・・無い」


いけない、この不毛な争いを止めないとキーラが泣く。


「とにかく、ミーラの主人設定が終わったら、ミーラに必要な物を買いに行って

 それから冒険者登録とパーティー登録を済ませにギルドに行こうか」


「ああ、それじゃあミーラの主人設定を始めるよ」


ダーナさんが持って来た赤いスタンプをミーラの喉の下に押す。


「へ~、これが主人設定なんだ」とサキさんが興味深そうに見ている。


スタンプが乾くのを待って。


「それじゃあ、このスタンプに手を置いておくれ」

言われた通りに掌を当てる、これは少し恥ずかしいな。


「奴隷商人、ダーナ・ミメットの名において主人設定を行う」


 掌が熱くなってきた


「すごい、身体が熱いです」ミーラの全身が汗でびっしょりになっている。


「これで主人設定は完了したよ」


「ミーラ、大丈夫かな?」


「はい、大丈夫ですご主人様」


サキさん、ニヤニヤしないで・・・


「ミーラ・・・名前で呼んでもらってもいいかな?」


「承知いたしました、ナオ様」


まず最初は、なんとかお願いしてミーラの服を買いに行ってもらう。


「ダーナさん、あのミーラちゃんの着てた服、

 あれを仕立てた店、紹介してもらっていいですか?」

 サキさん、何を聞いてるの?





ダーナさんに教えてもらった服屋に行く。


「みんな、ミーラの私服選ぶの手伝ってあげて貰える?

 街中で着る普段着や、動きやすさ重視の森に入れる服もお願いね。

 自分達のも選んでいいからね」


 僕は前回で学習している、3時間だ・・・・・・・4時間でした。






 みんなで少し遅い時間に昼食を取ってからギルドに向かう。


「すみません、この娘の冒険者登録とパーティー登録をお願いします」


「承知いたしました。ナオ様、こちらの用紙に記入をお願いします」

 おお、ミーラは自分で書ける様だ。


「ナオ様、恐れ入りますがギルドマスターがお呼びです」


え~と、この展開は、何かあったな。

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