第42話 トウヤのコーネル討伐作戦
早朝にトウヤが何人かの仲間とコーネルの討伐に向かうと、昨日の夜カイルから聞いた。
一度、トウヤの狩りを目の前で見て、その洗練された物体浮遊魔法が頭を離れなかった私からしたら、ぜひついていって見てみたかった。
空が白み始めたころに起きると、荷物の整理をしているトウヤと本を読んでいるカイルが1階で各々の時間を過ごしていた。
「おはようございます」
「おはよう!メグミ早いね」
「おはよう!今日も学校なんだからもう少し寝てた方がいいんじゃないか!」
トウヤは朝から気合が入った声で、さすがとしか言いようがない。
「あの、コーネルの討伐に私も連れて行ってくれませんか?」
『え?』
「私には何もできないのは分かってます。なので離れたところから見に行くだけでもというか……」
「なんだ!狩りに興味を持ってくれたのか!それは嬉しいな!でも、なかなか危険な現場になるかもしれないが……」
「俺は反対だな。コーネルから逃げるにはウイマに乗って逃げることが必須になるけど、まだウイマに乗れないメグミには厳しいと思うな」
「確かに、それもそうだな……それならカイルが一緒にウイマに乗ってやればいいんじゃないか!2時間ぐらいで終わる予定だし!」
「確かにそうだけど、俺、トウヤみたいに戦うのは得意じゃないんだよ」
「そんなこと言わずに!な!」
トウヤは狩りに興味を持ってくれたことがうれしかったのだろう。
今日は押しが強めだった。
「……分かったよ。遠くから見てるだけだけどな」
「ありがとうございます!」
「さすが、カイル!頼んだよ!」
こんな感じの会話を聞いていると、血はつながってなくてもトウヤとカイルは本当の兄弟みたいに見えて微笑ましい。
『お邪魔します!!』
元気な声とともに2人の大柄な男が部屋の中に入ってきた。
「トウヤさん!そろそろ行きますよ!」
「ダグ!ロキ!おはよう!行こうか!!その前にカイルとメグミが今日は見学することになった!よろしくな」
「よろしくお願いします!」
「俺とメグミは遠くから見てるだけのつもりだから、迷惑はかけないようにするよ」
「まあ、ちょっと心配ではあるが、カイルが一緒なら問題ないだろう。ロキはどう思う?」
「俺も同感だ。何かあったら俺らで必ず守ろうぜ!」
「ありがとうございます!」
討伐にメンバーはそれぞれのウイマにまたがり、準備完了した。
「今回の目標は10頭だ!群れの数で言えば2つ分といったところだ!これ以上、人に被害が出ぬよう成功させよう!」
『おー!!!』
トウヤの掛け声とともにダグとロキが声をあげる。トウヤが信頼されているのがよくわかる。
子供たちのお世話をしているときとは別人みたいに見える。
4頭のウイマが駆け足で走り出す。
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