第8話 お邪魔します
カイルは歩きながら話し出す。
「前にも言った通り、ここシイムの世界は魔法の力で発展してきている。でもね、キートの世界の漫画とか見たいな派手な魔法じゃないんだよね。基本的にはみんな物を空中に浮かせるっていう魔法が使えるんだけど、それ以外の魔法は大半の人が使えないんだ。ちなみに僕ができるのは、相手の心を落ち着かせるっていう魔法でね、めっちゃ地味でしょ」
「最初に会った時に、私に使ってくれましたよね?」
「ああ!そうだったね!それと、ここの世界の住人はキートの世界の住人と違って知能がそれほど高くないっていうのが、住んでる人の違いだね。なんか、失礼な言い方になっちゃうけどね。そのせいで科学で発展してこれなかったんっだって僕は考えてる。でも悪いことばかりじゃなくてね、だからこそ大きな戦争とかは起きないし平和に過ごせてるよ。」
カイルさんは穏やかな笑顔で笑っている。きっと、この人はこの世界のことが大好きなんだろうな。
「あの、私も練習したら魔法使えるようになるんですか?」
「そうだね、これまでのムンヤの子はほとんどみんなものを浮かせるくらいの魔法は使えるようになったらしいし、ほかの魔法も使えるようになる子も時々いたらしいから、きっとできるようになると思うよ。ちなみに物を浮かせる魔法は物体浮遊魔法って呼んでるよ。」
「練習頑張ります!」
「気合い十分だね!頑張って!明日から村の学校に通ってもらうことになるから、そこでたくさん習うといいよ。普通の数学とかの勉強と魔法の使い方の勉強があるんだけど、普通の勉強の方は中学校で習う内容だから簡単すぎるかもね。」
「魔法の勉強、私ついていけますかね。ちょっと心配です。」
「大丈夫!シイムの世界の子たちも魔法が発現するのは17歳とか18歳とかそのくらいだし、ちょっと大変なこともあるかもしれないけど何とかなるさ!」
「ちょっと安心しました。みんな生まれたときから使えるのかなとか思ってました。」
「やっぱりそう思っちゃうよねー。僕はね、18歳の時に物体浮遊魔法を使えるようになって20歳で安心させる魔法の精神安泰魔法使えるようになったなー確か。ちなみに、精神安泰魔法を生かして今は医者をしてるよ。こんな感じで、プラスアルファの魔法を持ってる人はその魔法を生かした仕事をしていることが多いね。」
「すごい!私にも魔法が出てきたらうれしいな!」
「よかった!めぐみちゃん楽しそう!」
なんか、恥ずかしい……
私を見てすごいにこにこしてる……
「めぐみちゃんもここ気に入ってくれると嬉しいな」
そんなこと話しながら歩いてると、気づくと街から森そして畑がたくさんの村についていた。
「お疲れ様!着いたよ!ここが僕たちの村!」
まさに、田舎の農家みたいな感じの村だった。
私と同じ容姿の人たちが畑で一生懸命働いている。
全然知らない土地だけど、実家に帰ってきたみたいな安心感が心地いい。
「いらっしゃい!」
「お邪魔します」
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