#自戒ーヌ

その１ ハナとパワーメーターとわたし

うどん：さてどうしたものか

ハナ：足りない頭で何を考えているの？

うどん：パワーメーターがほしくて

ハナ：いっぱい持ってるやん？

うどん：pioneer、4iiii、stages、シマノPとね

ハナ：これ以上必要なくない？

うどん：いや、新たにグラベルロードを組もうかと

ハナ：チャリ何台あるん？

うどん：5台。そしてまた新たに1台もうすぐ

ハナ：そのうちパワーメーターついてるのは？

うどん：全部

ハナ：そのへんに使ってないシマノP転がってたよね？

うどん：そうなんだけど、シマノPのセンサーがWolftoothのチェーンリングに干渉しちゃって

ハナ：取り付け不可？

うどん：どうやっても

ハナ：それで新たにパワーメーターが欲しいと

うどん：うん

ハナ：グラベルバイクに？

うどん：時代は数値化です。数値化して日々のTSSを積み上げてCTLで管理するのです

ハナ：数値と言えばさ

うどん：体重の話はやめてね

ハナ：昔は数字って1~9までしかなかったんやってね

うどん：7世紀頃にインドの学者が0を発見したのが最初だとか

ハナ：ブラフマグプタね。文明としてはヨーロッパの方が遥かに進んでいたのに、0という概念が無かったのは不思議

うどん：記号としての0は象形文字等で表していたみたいだけどね

ハナ：1〜9のように数学的演算の値として定義したことは凄いよね

うどん：キリスト教圏では【無】や【無限】という考えが神への冒涜とされていたから、ヨーロッパで0の概念が定着しなかったのかもね

ハナ：ブラフマグプタは0を【シューニャ】と名付けてるやん？

うどん：なんかかわいいね

ハナ：サンスクリット語で【空っぽ】って意味なんだって

うどん：空っぽシューニャたんは美少女

ハナ：あなたの頭もね

うどん：シューニャたんカワ…今なんて？

ハナ：仏教で言うところの【空っぽ】は、何もないっていう意味とはちょっと違ってて、【無いというものがそこに在る】という概念

うどん：シューニャたんすごいね

ハナ：だからその概念でいくと、そこにパワメが無いとしても、パワメが無いという事を持っている。さらに一段階上の世界に

うどん：いくら頭が空っぽのわたし相手だとしても、さすがにそれは無理がないかい？

ハナ：般若心経の経典の一説に【色即是空】ってのがあってだね

うどん：どうした急に

ハナ：【色】はこの世のあらゆるモノのこと、【空】は実体をもたない不変のもの

うどん：いわば概念？

ハナ：すなわち、この世のあらゆるモノには実体がないっていうことじゃない？だからパワメを新たに買ったとしても、無いに等しいと

うどん：うち、浄土真宗ですから

ハナ：人間としての底がたかが知れているのに、パワーまで計らなくても

うどん：マリアナ海溝くらいの底の深さよ

ハナ：力こそ

うどん：パワー

ハナ：ね？知れてるやん

うどん：どうして

ハナ：未舗装路を走って、自然を楽しむためのグラベルロードなのに、数字に縛られてどうするん？

うどん：どうして君はそうやって正論を

ハナ：どうして君はそうやって無駄遣いに理由をつけて正当化を

うどん：経済を回さねば

ハナ：経済よりも回すべきは脚と頭

うどん：散歩いこか

ハナ：はーい