閑話 死霊の盆休み
私の名前は
最近、まあいろいろあって、首なしトラック運転手「ゴーちゃん」を組長とする悪霊団「ゴーちゃん組」の組員になってしまった。
で、だ。
組長のゴーちゃんの言動が、いろいろヤバくて毎日のように奇行を繰り返していたのだが。
ここ数日おとなしいのだ。幽霊トラックで爆走もしないし、動物霊たちとヒーローごっこもしない。静かにオカルト本を読んだり「よいこの絵日記帳」にヘタクソな絵を描いたりしている。病気かな?
どうしたのか聞いてみたら、「盆休みだよ」とのこと。…はぁ?
組長「
な、なんか言い出したぞコイツ。
組長「そりゃもう全国的に祈るわけよ。で、牛霊や馬霊がその
あー、もうわかってきた。もういいです。
組長「お盆の時期以外、ヒマしてる牛霊や馬霊にさ。ウチの組に来ない?って声かけたら、ふたつ返事でOKだってさ。全員だよ!ビックリだよね!」
あー、あの異常なパワーはコレがアレしたわけか。
ていうか、その発想が頭おかしい。
組長「んだから、お盆の時期だけウチの組はお休み。『自動車型の精霊馬』を作るところも結構あるからさ。トラック霊のトラッキーちゃんにもコンテナハウス霊のコンテナ載せて…『お座敷精霊馬』!」
お座敷精霊馬。
組長「そそ。お座敷精霊馬。絶対ニーズがあると思うんだよね!」
私は『精霊馬ビジネス』の今後の展望についてのアツい話を聞き流しながら、青空に湧き昇る白い入道雲を見つめていた。ビールが飲みたい。
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