第7話 血染めの首なしドライバー!
我々ゴーちゃん組による悪徳廃棄物処分業者征伐のカチコミに備え、いろいろ準備中。
普通に踏み込んでもおもしろくないので(ていうか単に対立組織の殴り込みみたくなっちまう)、神の裁き、悪霊の復讐、妖異の呪縛、的なホラー要素を前面に打ち出したい!
ウチらの組員は見た目がおとなしくてね…
私は普通にコンビニやリサイクル店に入店できるくらい普通だし。
トラックのトラッキーはトラックだし。スマホのギーグルはスマホだし。
家畜霊たちに至っては、めっちゃ善良?善霊だし。
ちょっと怖い系の見た目に変身してみて!と頼んだら、むしろちょっとかわいい系の妖怪が完成しちまったし。
…リサイクル店でホラー系パーティーグッズ買ってきて被らせるか。
モノホンの悪霊にパーティーグッズの悪霊被らせるって、なんの冗談だ。
トラックはペインティングで怖さを演出するとして…
問題は私だ!地味で哀れな社畜女性にしか見えない見た目!
見た目のインパクトを強化するために…ちょっと頭を取ってみた。
いやね、実は最近「首なしドライバー」の都市伝説が流行してるらしくてさ…なんでも『過労の社畜女がトラックで事故死したが、衝撃で吹き飛んだ頭がどうしても見つからなかった・首なしドライバーが運転するトラックが首を探して暴走している』とかなんとか…
どうにも
全力でこの都市伝説に乗っかってやろうじゃないですか!
血染めの首なしドライバーだぜ!どやぁ!
…あんまり目立たないなコレ…取った頭を運転席の屋根の上に載せてみた。…ホラーじゃなくてコメディーだなこれ。
うーむ、どうすれば怖くなるか…
いやね、悪党どもを恐怖のどん底に叩き落したいじゃん?
ホラ私顔が薄いじゃん?血のりメイクもインパクト薄いじゃん?
グロい系のキャラ強化を試行錯誤の右往左往、迷走したあげくのこのありさま。諦めて首を元に戻そうとして頭を落としてしまい、コロコロ転がる頭を必死で追いかけるコントを演じること約5分。あー疲れた。
さて冗談はさておき、悪徳不法投棄業者断罪イベントに取り掛かりましょうか!
まずはあの会社が使ってる不法投棄現場を全部、片っ端から襲撃していきますよ。
ヒャッハータイムの始まりだ!ヒャッハー!
***
脚注 「都市伝説」
現代の怪談。
***
脚注 「カチコミ」
殴り込みの事。
例:「赤穂浪士の討ち入り」「ビートたけしのフライデー襲撃事件」
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