第6話 ウワサのアイツは社畜霊!

ヒャッハー!最高だぜぇ!

現在、峠を暴走中の「血染めのトラック」、運転するは私、社畜霊のゴーちゃんです!ヒャッハー!


トラック荷台には、デカデカとブラック企業の社名入り!血染めのデザインがエクセレント!ヒャッハー!


スマホ地縛霊のギーグルちゃんがネットにウワサを流しまくって、知名度うなぎ登り!峠の走り屋蹴散らして、畏怖いふ尊崇そんすうを集めまくり!神格ポイントアップ!ヒャッハー!


さーて、次はどこの峠でバトルするか…って、何?トラッキーちゃん、何か言いたいことがあるって?

なになに、ふんふん、…え?「ちょっと違うんじゃないか」って?

イヤイヤ、ダイジョーブ!ちゃんと神ポイントも増えてるし、霊メーターも満タンだし!


よーし、じゃあ次はグンマー辺りを攻めてみようかな、ギーグルちゃん、ルート検索!

…って、ギーグルちゃんも「ちょっと違うんじゃないかと思う」って?そうかなー。

まあいいや。


そういや、あの廃車不法投棄やってた違法業者もまだ撃滅してないしな。

神ポイントも稼げたし、霊メーターも満タン。いっちょ皆でカチコミますか!

不法投棄されて荒れてしまったほこらも再興させたいしね!

ヨシほこら跡地の廃車置き場に戻るぞ!


ついでに、撃破した峠の走り屋たちから分捕った戦利品を売却しちゃおう!

祠近くの、リサイクル店にGOGO!


ドアをバーンと開け、

「おじゃましマッスル!買い取りオナシャス!」

ヤバい失敗したテンション上がり過ぎた。


「…いらっしゃいませ!」

店員さんもう慣れてらっしゃる。

私はこの店の事を勝手に「冒険者ギルド」と呼んでいる。


「拝見いたします」

店員さんマジクール。

私は峠の走り屋モンスターからゲットしたアイテムをギルドカウンターに出す。

この店員さん、どうやらあのほこらで家畜をまつっていた一族の末裔まつえいらしく、私の中の家畜霊たちが反応していた。

ちなみに、家畜霊である彼らと社畜霊である私は親和性が高いらしく、ガッツリ融合しており分離はできなかった。マジかよ。


査定が終わり、私はそれなりの軍資金を手に入れた。

ヨシ!いよいよ悪徳廃棄物業者にカチコミですな!ヒャッハー!



***

脚注 「社畜霊のゴーちゃん」

本作主人公。過労死し社畜霊となった。

峠の走り屋とバトルする毎日。


***

脚注 「リサイクル店店員」

彼女も社畜である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る