第70話 林間学校と急展開
「・・・という訳で!新学期が始まって一週間が経ちました。そこで林間学校の班決めを行いたいと思うます。各々三人一組の班を作ってください」
林間学校か・・・すっかり忘れてたな。確かスキーとか肝試しとかやるんだっけか?まあ、どちらもあまり興味はないな・・・
「ようカナタ!お前もう班決まったか!?」
「よう高橋、まだ決まってねえよ。お前は?」
すると高橋は大きくため息をついた。
「お前を誘うために来たのにできてる訳ねえじゃんよ!」
「となるともう一人は委員長か?」
「おう!残念ながら女はいないが我慢してくれよな!」
すると委員長が後ろから高橋をドツいた。
「そんな目的で林間学校に来るんじゃない!お前はホントに学業に中指を立てるのが好きだなホントに」
「痛いなー!学校で他人のこと蹴るお前のがよっぽど中指立ててるよ!」
また始まったよ・・・俺はとりあえず仲裁に入る。
「とりあえず班はこの三人でいいよな?」
「おう!いいぜ!」
「ああ、すまないねカナタ君、こんな所を見せてしまって」
「いいよ、慣れてるから・・・」
すると委員長は何かを思いついたような表情をすると俺に耳打ちをする。
「ところで・・・肝試しの係をやるつもりはないかい?」
「何でわざわざそんな事しないといけないんだ?」
「それがね、肝試し係になると食事の準備がなくなって肝試しの準備になるんだよ」
「しかも!それがなかなか楽らしいんだ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は委員長の手を強く握った。
「ありがとう、君が友達でよかった!」
「ああ、こちらこそだよ」
「何話してんだお前ら?」
「「何でもねえよ!」」
・・・・・・・
♡
「いやー、今日も疲れたね♪」
「そうね、カナタはもう帰ったのかしら?」
「さあ?教室覗いて帰る?」
「そうね、多分いないでしょうけど」
そして、カナタ君の教室を覗くとそこにはカナタ君の姿があった。
「あっいたね♪カナタくーn」
すると双葉が私の制服を掴んで静止させた。
「どうしたの双葉?」
「どうしたもこうしたもないわよ!ちゃんと見てみなさいよ!」
そう言われて改めて教室の中を見るとそこにはカナタ君の他にもう一人女の子がいた。そして二人は向き合っている。これって・・・
「まさか告白?」
「多分そのまさかね」
「ちょっと・・・ちゃんと聞いてみようか」
「それしかないわね・・・」
・・・・・・
俺はこれから恐らく・・・告白される!
今俺の目の前にいるこの子は同じクラスの西園寺琴音さんだ。中学生に混じってもバレることはないと断言できるほどの童顔は学年の一部の男子から圧倒的な人気を誇っている。そんな西園寺さんが俺の前でどこか顔を赤くして立っている。
「西園寺さん、こんな放課後に何か用かな?」
「ひゃ!ひゃい!えと・・・あの・・・」
何か、酷く緊張しているようだ。俺は優しく話しかける。
「緊張してるの?大丈夫そう?」
「あっ、ありがとうございます」
そう言うと西園寺さんはスーハーと大きく深呼吸をする。そして、しばらく沈黙した後、あれを方を真っ直ぐ向いて言った。
「あっあの!林間学校の時、一緒にキャンプファイヤーで踊ってくれませんか!?」
うんうん、やっぱ・・・へ?キャンプファイヤー?そんなのあったの?でも踊る相手がいないのは事実だ。
「いいよ、それぐらいいくらでも相手するよ」
「ホントですか!?ありがとうございます!」
そう言うと西園寺さんは笑顔でテトテトと走り去っていった。
「・・・で、お前らはいつまでそこにいるつもりだ?」
「いやー、バレちゃった♪」
「アンタが大声出すからよ!」
「いや、二人ともチラチラ見えてたぞ」
「そう、すまなかったわね」
「まあ別にいいさ、聞かれて困るものじゃないさ」
すると和葉がキョトンとした顔で言った。
「え?カナタ君知らないの?」
「何をだ?」
「林間学校のキャンプファイヤーで一緒に踊った男女は硬い絆で結ばれるって噂」
「・・・え?」
「「「・・・・・・・・」」」
「・・・へ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます