第54話 クリスマスイブ①
今日はクリスマスイブだ。そんな知らん奴の生誕祭の前夜祭の日に俺は、
「寒いな・・・アイツまだ着かないのか?」
1人で待ち合わせをしていた。理由は単純で今日は2人での逢瀬だからだ。その相手は・・・
「ごめーん!カナタくーん!」
「ホントだよ、何してたんだ?」
「まあ、ちょっと色々ね♪ていうか、そういう時は『いや、俺も今来たとこ』キラーンって言うとこでしょ?」
「なんだよそれ、てか誰だよそいつ・・・」
和葉だ。なぜ俺と和葉がこんな日に二人きりで会っているかというと・・・
・・・・・・・
「ただいまー」
ふー、急に誘われたけどやっぱり楽しかったな。にしても委員長があんなに歌がうまかったなんて・・・
なんて考えているとリビングから和葉がやってきた。そしてその扉の陰には双葉と三葉がこちらの様子を伺っていた。
何事だ・・・?俺なんかやらかしたか?すると和葉が俺に近づいて言った。
「あ、あのさカナタ・・・ちょっといいかな?」
「お、おう。どうしたよ」
俺がそう言うと和葉は大きく深呼吸をして言った。
「クリスマスイブ、私とデートしてくれないかな!」
「・・・え?」
・・・・・・・
という訳だ。
「それじゃあ、早速行こっか♪」
そう言うと和葉は歩き始めた。俺は目的地が分からないため和葉に遅れないようについていく。
「そういえば、今はどこに向かってるんだ?」
俺は気になっていたことを口にする。和葉の中にはもうプランがあるはずだが、知らないと流石にむず痒い。すると和葉は笑顔で答える。
「まず最初は・・・ショッピング♪」
・・・・・・・
そして俺たちは近くのショッピングモールへとやって来た。
「で、具体的にどこに寄るんだ?」
「実はもう決めてるんだ♪」
その言葉に俺を衝撃を隠せず言葉が漏れる。
「なんだと・・・あの和葉が!」
何せ相手はあの和葉だぞ!あの怠惰の具現化にして惰眠の奴隷の和葉がしっかり計画を立てているなんて・・・!
そんな俺を見て和葉が話しかけてくる。
「どうしたのカナタ君?急に固まって」
「いや、奇跡って起きるんだなって」
「ムー!カナタ君、失礼なこと考えてるでしょ?」
「い、いやぁ?ソンナコトナイデスヨー?」
「絶対嘘だー!!」
・・・・・・・
「ここは・・・アクセサリーショップか?」
「うん、そうだよ♪」
「そう、だよな・・・」
アクセサリーショップって敷居が高くないです?俺のそんな気持ちを察してか和葉が話始める。
「大丈夫だよカナタ君♪このブランド、学生でも買えるプチプライスのやつだからさ♪」
「そうか・・・」
そして俺たちは店の中に入っていく。そしてその中で色々と見て回っていたが不意に和葉が足を止めた。
「あっ!このネックレスすごい良い!」
そしてとあるネックレスに手を掛けた。それは銀色でハートが付いていた。これは男子目線でも可愛いものだと思った。しかし、その後すぐに目を曇らせて言った。
「ああー、でもこれ予算オーバーだ。残念」
そう言われて俺は初めて値札を見た。確かに値は張るけど買うのが難しい物では無いだろう。
すると和葉は不意に
「ごめん!私用事あるからちょっとそこで待ってて!」
と言い店の奥へと進んで言った。
そうか、それなら今の内にこれ買っておくか。クリスマスプレゼントに持って来いだろう。
しばらくして俺たちは店の前で再び再開した。
「それじゃあ、次行こっか♪」
「で、次はどこに行くんだ?」
「次は・・・クリスマスと言えばのイルミネーションです!」
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