第46話 和葉とのデート?②
俺と和葉は映画館に来ている。しかし何の映画を見るんだろうか?俺は和葉に尋ねる。
「映画って・・・何見るか決めてんのか?」
「えっ?決めてないよ♪」
「だと思ったよ・・・」
すると和葉が俺の方を見て笑顔で言った。
「それじゃあさ、一緒に決めよ♪」
「そうだな」
そして俺たちが何の映画を見るか考えていると和葉がパンフレットを持ってきた。
「これなんてどうかな?」
「ん?何これ?『セダンの中心で愛を囁く』?知らないタイトルだけど面白いのか?」
俺の言葉に和葉が目を丸くして言った。
「えっ!?カナタ君知らないの!?全く、情報収集がなってないなー♪」
「いい?この作品はね・・・私も知らない!」
「はあ!?」
「いやー、ジャケ買いみたいな?いわゆる衝動に駆られるってやつだよ♪」
「はあ・・・まあいいか、その映画見るか?」
「そうだね♪上映時間も近いみたいだし♪」
♢
「2人、中に入って行ったわね」
そうと決まれば後を追いたいんだけど・・・何の映画見るのかしら?
私が頭を悩ませていると三葉が一枚のパンフレットを持ってきて言った。
「双葉!和葉、この映画見るっぽいよ!パンフレット持ってたもん!」
「これは・・・ああ、セダ愛ね」
「それってどんな映画?」
「ストーリーはすごく良いんだけど・・・ちょっと過激なシーンが多いのよね」
「それ・・・和葉たち大丈夫かな?」
「さあ・・・?」
♡
ハワワワワワ!?この映画、少し過激すぎないかな?カナタ君はちゃんと見れてるのかな?
「・・・・・・・」ジーーッ
すっごい真剣に見てるー!?
えっ?カナタ君ってこういうの好きなのかな?いや、それはそうだ。カナタ君だって男の子だもんね・・・
(あっ!そうだっ!)
ここで私がカナタ君の手を握ったらもしかしたらキュンとしてくれるかも?
物は試しと私は早速カナタ君の手を握る。するとカナタ君が私の耳元で言った。
「どうした?何かあったのか?」コソコソ
(ツッ〜〜〜〜〜〜!?)ゾクゾクゾク
やばいっ!これ、すごいゾクゾクする!
私が何も言えずにいるとカナタ君は尚も話し続ける。
「おいっ!?ホントに大丈夫か?」コソコソ
(ツッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?)ゾクゾクゾクゾク
目の前の映画は過激で耳もゾクゾクさせられたら・・・私っ!
「キューー」パタリ
「和葉っ!?和葉!」
♢
やっぱりこの映画、面白いわね。過激描写平気な人なら間違いなくハマるわね。
私が映画に見入っていると隣から何やら音が聞こえてきた。うるさいなと思ってそっちを見ると
「うぅ〜〜〜〜〜〜」ダバーーー
泣いてるっ!?めっちゃ泣いてる!?私は慌てて三葉に声を掛ける。
「ちょっと!アンタ大丈夫!?」
「ゔぇっ?ゔん、だびじょうぶ」ダバーーー
「大丈夫じゃないじゃない!ホラッ!これでサッサと鼻拭く!」
「あびがどー!」ズビズビ
「全く、感情揺れすぎよ!」
まあ、三葉のこういうとこが可愛いのよね。絶対に本人には言わないけれど。
♡
「ごめん!カナタ君!」
まさか映画の途中でノックアウトしちゃうなんて・・・ホントに、もう(泣)
私が色んな後悔に頭をもたげているとカナタ君が声を掛ける。
「ごめんって・・・そんなの気にすんなよ」
「カナタ君・・・」
カナタ君、なんて寛大なんだ!!
「それに・・・」
「普段見ないようなみっともないところ見れたからさ!」
「えっ・・・もうカナタ君!」
・・・・・・・
その後、俺と和葉はなんともなしに歩いていたが、なんとなくお腹が空いてきたので和葉に話しかける。
「和葉お腹空いてこないか?せっかくだしどっかで食べないか?」
「そうだね・・・そうしようか♪」
俺が場所の話し合いをしようとした時、和葉が言葉を続けた。
「だけどせっかくなら人数は出来るだけ多い方がいいよね♪」
そう言うと和葉は後ろを振り向いて言った。
「そうだよね♪2人とも」
すると角から三葉がいそいそと出てきた。
「いやー、なんで気付いたの?」
「み、みつはぁ!?」
驚きあっけに取られている俺を他所に和葉が言葉を続ける。
「もう1人いるでしょ?ねえ、双葉?」
「はあ、何でわざわざ呼ぶのよ?」
えっ!?双葉もいたのか!?訳がわかんねえ。
双葉の言葉に和葉は当然と言うように答える。
「え?だって・・・」
「私はもう十分楽しんだもん♪」
その言葉に双葉は肩をすくめながら言った。
「はー、アンタって本当にお人好しよね!そんなんだと今に痛い目合うわよ!」
「分かってますって、でも今はこれが私にとって一番なんだ♪」
2人をやり取りをボーッと見ていると三葉が俺の腕を掴んで言った。
「カナタ君!カナタ君はどこでご飯食べたいですか?」
「そうだな、三葉が決めていいぞ」
すると三葉は目を輝かせて言った。
「ホントですかっ!?それじゃあ、皆んなでお寿司食べに行きましょー!」
「「「おー!」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます