第45話 和葉とのデート?①

 今日は球技大会が終わって最初の週末。俺は和葉と2人で出掛けていた。


「にしても、今日は良かったね♪」


「そうだな、いい感じに晴れたな」


「それもそうだけど・・・」


 そう言うと和葉は悪戯な笑顔で言った。


「カナタ君が時間通りに来てくれたからね♪」


「それは・・・すいません」


 俺はあの日、応援に遅れたことをよく和葉に弄られている。確かにアレは全面的に俺に非があるのだが・・・


 すると和葉は俺に腕を絡めて言った。


「それじゃ、早速行こっか♪」


 ♢

「案外いい雰囲気ね」


「そうだね、でも・・・」


「こんなストーカー紛いみたいなことしていいのかな?」


「何言ってんのよ!それにコレはストーカーじゃなくて監視よ!」


 すると三葉は私に疑問を呈してきた。


「監視?何で監視なんてする必要があるの?」


 私はすぐさま説明する。


「あの和葉よ?せっかく2人きりのデートなのに何も進展しないかもしれないじゃない!?だから私たちで監視して必要ならサポートしなきゃならないのよ!」


「そ、そうなんだ・・・」


「あっ!2人どこか行くみたいだよ!」


「そうみたいね、それじゃあ引き続き監視するわよ!」


「お、おー!」


 ・・・・・・・

 ♡

「それじゃあ、これからカナタ君には私の服を見立てて貰おうかな♪」


 するとカナタ君は慌てたように言った。


「ってことはこの店に入るのか!?」


「そうだよ♪何かダメな理由あった?」


「いや、そんなことないが・・・俺なんかが入っていいのか?」


 そう言われて私は改めて店の中を覗く。確かに中に男の人はいないから少し入りづらいかもしれないけど・・・


 私は笑いながら言った。


「アハハッ!何それ!?入っちゃいけない訳ないでしょ♪ホラッさっさと入るよ♪」


 ♢

「服屋に入って行ったわね・・・」


「そうだね、どうする?私たちも入る?」


「もちろんよ!それに・・・」


「買いたい服があったからついでにそれも買うわよ!」


(それが買いたいだけなんじゃ?)


 ・・・・・・・

 ♡

「こ、この服なんかどうだ?」


 そう言ってカナタ君が私に服を渡してくる。これはワンピースだね、カナタ君、こういう女の子らしい方が好きなのかな?


「それじゃ、私着替えるから」


「おう、買い終わったら言ってくれ」


 私はムッと頬を膨らませながら言った。


「カナタ君も一緒に行くの!」


「えっ?何で俺も?」


「理由はいいから来て!」


「は、はあ・・・」



 試着室に入って早速着替えてみたけど・・・


「ワンピース、やっぱり慣れないなあ」


 私は普段パンツ系の服メインだからワンピースに限らずスカートって履かない。だからこの服をカナタ君に見せるのって緊張するなあ。


 すると向こうからカナタ君が声をかける。


「和葉、そろそろ着替え終わったか?」


 私は慌てて答える。


「う、うん!?完了です!?」


「そ、そうか。それならせっかくだし見せてくれよ」


「ふえっ!?」


「え?だってそのためにここまで俺のこと連れてきたんだろ?」


 そ、それはそうなんだけど見せるのは少し恥ずかしいし、でも見せないとカナタ君が可哀想だし・・・うう、もうどうにでもなれ!


 シャッ!


「おおー・・・」


 早く見終わって!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!


 私が我慢の限界で試着室のカーテンを閉めようとした時カナタ君が口を開いた。


「すげー似合ってる!」


「・・・へ?」


「いやー、正直渡した段階だと似合うか不安だったけど流石和葉!なんでも似合うな!」


「そ、そっか・・・」


 褒められるのは褒められるので照れるな。そんな私を他所にカナタ君の口からはどんどん私を称賛し続ける。


「にしても何でこんなに何でも似合うんだ?スタイルがいいからか?でもそれだけじゃないような気も・・・」


「あっ、カナタ君そろそろ褒めるのは終了で十分かなー♪」


「顔が良いのも理由かもな!流石ミスコン出場者!あと纏ってる雰囲気が何故か美人なのも理由か?」


「ふぇっ・・・カ、カナタ君・・・」


 モウヤメテーーーー!!


 ♧

「あっ、あの双葉?おーい、双葉さーん?」


「何よ?あっ!このスカートすごいオシャレ!ねえ三葉!どう思う?」


「えっ!?あっコレ凄い良いかも!」


「でしょでしょ?これ買っちゃおうかしら?」


「えー?って違ーう!!」


「違うって・・・似合ってなかったかしら?」


「そうじゃなくて!カナタ君と和葉、もうお店出たよ!?」


「えっ!?それ早く言いなさいよ!ホラッ!早く出るわよ!」


(ええ・・・)


 双葉は店の出口の方へ足早に歩き始めた。だけど途中で足をピタリと止めた。ま、まさか


「このカーディガンめっちゃいい!ほら!これよこれ!」


 コレには流石の私にも我慢の限界が来た。私は怒りを滲ませながら言った。


「ふーたーばー!!」


「はーい、ってアッ・・・」


 今更気づいたって遅い!私は大声で叫んだ。


「いい加減にしてーーー!!」

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