第36話 散策行くわよ
「案外部屋は綺麗ね」
部屋決めを終わらせた俺たちは早速それぞれの部屋へ到着した。建物の外観とは異なり、内装や部屋の中身は綺麗だった。
「そうだな、一時はどうなるかと思ったがこれなら楽しめそうだよな」
そして、双葉は窓を開けると言った。
「わぁ!見てよカナタ!景色すごいわよ!」
そう言われ窓の向こうの景色を見ると、圧倒的な自然と意外と近くにある海が混ざり合って幻想的な景色が広がっていた。
「ホントだな!コレだけでも来た価値があるぐらいだ!」
すると双葉はニヤッと笑うとイタズラに言った。
「まあ、私はアンタと一緒に見れればどこでも絶景だけど!」
俺は唐突な口説きに何も言えずにいると双葉が笑いながら言った。
「って、なんて顔してるのよ!ほら、準備して散策行くわよ!」
「分かったよ、その前に2人呼んでくるからちょっと受付の前で待っててくれ」
そう言うと俺は双葉と別れ、和葉と三葉のいる部屋を向かった。そして、部屋に着くと扉を開ける。
「おうお前ら、ちょっといいかって・・・」
そして、部屋の中に入ると着替え途中で下着姿の三葉がいた。三葉は顔を真っ赤にして言った。
「ふぇ・・・か、カナタ君・・・?」
「見ないでくださーーーーい!!」
バチーン!
「もう!ホントに信じられません!」
結局、あの後無事に4人合流し、俺たちは周りを散策していた。ちなみに俺の顔には手形の跡がついている。
「もう私お嫁に行けませんよ・・・」
「悪かったよ、まさか着替えてるなんて思わなかったんだよ」
すると和葉が横槍を入れてきた。
「だとしてもアレはノックしないで入ってきたカナタ君が全面的に悪い思うな」
「和葉まで・・・」
「そりゃそうよ、女子の部屋にノック無しで入ってくるなんて私だったらアンタのことボコボコにしてたわよ」
「そうですよね、気をつけます・・・」
なんて話してると俺たちは海についた。すると三葉が目を輝かせて言った。
「わあ、すごいですね!あの景色を私たちが独占してるって凄くないですか!?」
「ちょっと三葉!一人で勝手に行かないのー!」
そして、三葉と双葉はどっかへ行ってしまった。
俺が砂浜でゆっくりしていると横から双葉が話しかけてきた。
「カナタ君、ちょっと横いいかな♪」
「ああ、別にいいぞ」
「ありがと♪ヨイショっと、ふう、意外と遠かったね♪」
「そうか?別に大した距離じゃないだろ?」
「そうかな?流石男の子は力があるね♪」
「と言うよりはお前に力が無さすぎるんだろ」
「にしし、そうかも?」
すると和葉は話題を切り替えて言った。
「それにしても・・・まさか2人とも当たるなんて思わなかったね♪」
「そうだな、こういうところで変に運が良いのはどうかと思うが」
「そんなこと言うの?全くカナタ君は情緒というのが分かってないね♪」
その言葉に俺はムッとして言った。
「じゃあどう言えば良かったんだよ」
すると和葉は言った。
「それは・・・あれ?確かになんで言えばいいんだろう?」
なんなんだコイツ・・・
なんて思っていると和葉がゆっくりと話し始めた。
「そういえばカナタ君さ」
「今日、晩御飯食べ終わった後、時間あるかな?」
「あるけど、急にどうしたんだ?」
すると和葉はどこか顔を赤くして言った。
「そ、そしたらさ!その時間帯、一緒に出かけたいんだけどダメかな?」
俺は突然の誘いに戸惑いながらも答える。
「べ、別にいいぞ」
すると和葉は満面の笑みを浮かべて言った。
「ホントっ!?ヤッタ♪それじゃ、晩御飯の後の時間空けといてね♪」
なんて話していると三葉と双葉がやってきた。そして双葉が話し始める。
「ちょっと早いけど、そろそろ戻るわよ」
そして俺たちは旅館の部屋へと戻った。
「ふうー、久しぶりに海見たけど意外と綺麗だったな」
「そうね、住んでる場所柄私たちは海とは少し縁遠いものね」
「全くその通りだ、にしても・・・」
そして俺は前から思っていたことを口にする。
「なんでこの旅館、内装も景色を自然も綺麗なのに外装あんななんだ?」
「そんなこと私に言われても知らないわよ、でもどうしてかしらね?」
俺はここで1つ双葉に悪戯をすることにした。
「もしかしから、ここの旅館なにか出るのかもな。例えば・・・心霊とか?」
すると双葉は声を震わせながら言った。
「きゅ、急に縁起でもないこと言わないでよ!」
俺はビビっている双葉を見て優越感に浸りながら言った。
「ハハハッ!んなもん出る訳ねえだろ」
すると双葉は顔を真っ赤にしながら言った。
「カナタ!もうっ!・・・もう!」ポカポカ
そしてむくれっ面になっていた双葉だったがやがてこっちを振り向き言った。
「ねえカナタ、今暇よね?」
「ああ、そうだが何かあったか?」
すると双葉は触れんばかりに顔を近づけて言った。
「それじゃあ、ちょっと2人で出掛けましょうよ」
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