第31話 文化祭③ 三葉の場合
今日から本格的な文化祭だー!やっぱりすごい忙しかったりするんですかね?私はいろんな思いを胸に学校へと向かいました。
そしていざ文化祭が始まると、私たちのクラスは名前のインパクトも手伝って大盛況です。しかし私の出番は午後からなので少しあちこち尋ねることにしました。
「うーん、それにしてもどこに行こう・・・」
なんて言いながら歩き回っていると目の前に見覚えのある人がいました。カナタ君です。しかしカナタ君は普段と違いメイド服を着ていました。そういえばカナタ君のクラスは男装女装喫茶だった様な?
私はカナタ君に声をかける。
「やっほー!カナタ君!何してるんですか?」
するとカナタ君は嫌そうな顔をして答えました。
「ゲッ、三葉か。これは、まあ見ての通りクラスの出し物の宣伝だ」
「そうなんですね!ところでその格好とても似合ってますよ!」
「アハハ・・・男としてそれは複雑だな。ところでお前はこんな所で何してるんだよ?」
「私ですか?私は11時まで暇なので油売ってました!」
するとカナタ君は怪訝そうに尋ねてきました。
「11時?11時ってお前もうなるところだぞ?ホントにこんな所にいていいのか?」
え?そんな事は・・・そう思い近くの時計を見ると時刻は11時に差し掛かっていました。
「ヴァッ!ホントだ!教えてくれてありがとうございますカナタ君!それでは!」
そう言うと私はクラスのみんなの元へ駆けて行きました。
そしてその後は普通に仕事をこなしました。そういえば途中、カナタ君と双葉さんが来て何やら揉めていた様に見えましたが大丈夫でしょうか?
2日目
2日目は昨日来てもう飽きてしまった人が多いのかどこかガランとしています。それも悲しいですが問題はそこではありません。
私が考えるべきは午後からのカナタ君と2人きりになる事です。今までだったら普通ですが今回はあの時の件のことやその時迷惑をかけてしまった事を謝らないといけません。
なんて思っているうちにあっという間に約束の時間になってしまいました!はっきり言って何も準備ができていません。ですがカナタ君を待たせるわけにはいきません。早速カナタ君のところへ向かいましょう。
待ち合わせの場所に行くとカナタ君がもう先に待っていました。そして私と目が合うとこちらに駆け寄って話しかけてきました。
「お疲れ、仕事どうだった?」
「昨日よりも暇でしたね、やっぱり昨日で飽きてしまったのでしょうか?」
「まあ、あれあんまり美味しくなかったしな」
「アハハ、ですよね・・・」
まあ、あの見た目の食べ物が美味しい訳ないですよね・・・
少し話題が脱線してしまったのをカナタ君が修正します。
「それじゃあ・・・まずはどこ行くよ?」
「そうですね・・・」
「何も決めてなかったのでとりあえず学校の中歩きましょう!」
そうして学校の中を2人で歩いているととある看板が目につきました。
「あ!カナタ君!ストラックアウトですって!一緒にやりませんか?」
「そうだな・・・せっかくだしやってみるか」
そうしてストラックアウトが行われている入ると、そこにいた男の人が説明をしてくれました。どうやら男性なら10球、女性、子供の場合は12球投げて倒した的の数を競うもので、全部倒すと賞品が出るそうです。
「それじゃ、まずは俺からやってみるよ」
そう言うとカナタ君はボール投げ始めました。果たして結果は・・・!
「ダメだったか・・・」
結果は10球投げて7つ命中、ダメとは言いますがこれって中々良いのでは?
「それじゃ、次はお前やってみろよ」
「そうですね!それでは私も頑張っちゃいますよ!」
そして私はボールを投げ始める。
・・・
「やりました!全部倒しましたよ!」
「まさか9球外す事なく当て切るなんて・・・」
私の結果は9球でパーフェクト達成!いやー、やっぱり私運動はできるんですね!
すると担当の人が賞品を渡してきました。
「それではこちら、賞品の出店で使える商品券です」
賞品は商品券でした。ですが私たちは既に食事を終わらせてしまったので使い道はないですね。ですが記念にもらっておきましょう。
そして私たちが教室を出るとカナタ君が言いました。
「意外と楽しかったな」
「そうですね!」
「んじゃ、次どこ行く?」
「次ですか・・・」
ホントはもっとあちこち巡りたいですが、まだやるべき事ができていません。なので私はカナタ君に一つ提案をしました。
「それじゃあ、一旦屋上に行きませんか?」
「屋上?なんも無いのにいいのか?」
「はい、少し人がいない所に行きたいので!」
「そうか、なら行こう」
そうして私たちは屋上へやって来ました。私の予想通り屋上には人はいませんでした。
屋上へ着くとカナタ君は大きくを伸びをして言いました。
「んー!やっぱり屋上っていいな」
「そうですね」
「でもなんで急にこんな所に来たかったんだ?」
「それは、少し話したい事があったので」
それを聞くとカナタ君は表情を少し変えました。私はそれを確認して話を続けます。
「この前、私のせいで皆んなに迷惑をかけてしまって。まずはその事を謝りたかったんです」
私はそう言い頭を下げました。するとカナタ君が話し始めました。
「謝る事ねえよ。人間ミスはあるもんだしあんな大きな事を言い出しなんて中々なくて当然だ。だからあのタイミングまで伸びても違和感はねえよ」
カナタ君なら許してくれると思いました。私はなおも話し続けます。
「それで、この後のキャンプファイヤーなんですけど、私と和葉と双葉、そしてカナタ君の4人一緒に・・・」
「あっ、ヤバ・・・」バターン
「・・・え?」
「カナタ・・・君?」
「カナタくーーん!」
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