第12話 元クラスメートはテロリスト!?
「ん?そういう君はどこかで会ったことあったかな?」
どうやら相手は俺が誰だかわかっていないらしい…顔もあの時からだいぶ変わっているし髪の色も変わっているので無理はない…か?
「いや…なんでもない…」
俺はとりあえず正体を明かさずに探りを入れてみることにした。
「これをやったのは、あんたらか?」
がれきの上から俺を見下しながらこれ?と聞いてきたがもちろんこの惨状のことだと言い返す。
「いや、直接やったのはもっと上の連中らしいが俺らは会わなかったなぁ…」
「ま、お前らが知っても意味ねぇことだぁ」
そう言うと、あいつらは手元に剣を召喚し俺切りかかってくる。
「もぉ死ぬやつにはなぁ!」
振り下ろされる剣を俺は指2本で受け取りへし折る。
「指2本は多すぎたか?」
すかさず俺はあいつの腹に一発こぼしを入れると、あいつはげろをぶちまけながスプリンクラーのように回転しながら宙を舞う。
「あらら…君なら指使わずとも勝てたのに」
勇者についていた恐らくあいつの仲間であろう二人は、勇者が話しかけてきたころには白目をむいて倒れていた。
どうやらこちらは眼力だけで倒れたらしい。
初見なら誰しもそうなる。
「やぁやぁ、瞬殺だねぇ」
駆け寄ってくる勇者は、嬉々とした顔で白目をむいている二人を引きづってくる。
「普段あんたと稽古してるおかげで、あいつの剣は止まって見えたよ」
「フン、おかげさまで感謝してよねぇ?」
彼女はエッヘンという効果音が聞こえてきそうな腕組みをしてきた。
すると、炎の奥からパチパチと手をたたく音が聞こえてきた。
「いやぁ~さすがは冥級のお二人だ…」
「拝見していた通りです…」
炎の奥から姿を現した…その男はしっぽのついたタキシード姿の薄気味の悪いにっちゃりとした笑顔を張り付けた化け物だった。
「あんたは…」
勇者が知っている風に考え始めた。
そして2,3分考え込んだ後にぱっとひらめいたポーズでタキシードの男を指さした。
「あんた…魔王の側近だったっ…!」
「はぁい、まことに久しゅうございます。忌まわしき、クソ勇者様」
その言葉に俺は思わず吹き出してしまう中、当の勇者はこぶしをポキポキと鳴らし始める。
「ほめてないねぇ?」
貼り付けたような笑みを浮かべながら、目は全く笑っていない。
「なぜこんなことを?」
俺が聞くと、そのタキシード悪魔は一瞬蔑むような眼で俺を見た後あの不気味な笑みを浮かべ答える。
「同じですよ、わが敬愛すべき魔王様と」
「同じ?」
何処か思い出すような表情で、その悪魔は語る。
「魔王様が勇者様と手を組んだのと同じ…私も人間と手を組んだのですよ…!」
「あなたの元クラスメート達とねぇ!」
「幸い力を与えるとか甘い言葉を吹き込んだ途端、すぐに言う事を聞いてくれてねぇ…」
「心底扱いやすいコマですよ。人間は」
「魔王様も、それを分かって手を組んでらっしゃったのですねと、やっと魔王様の考えていたことが分かり、このマカマ至上の喜びにございますよぉ!!」
そう言うと、そのマカマとかいう悪魔は凄まじい衝撃はとともに突進してきた。
刹那、俺はそいつのステータスを見た。
マカマ・ナヘマー(最上位悪魔)
レベル50000
HP1403839
MP18363749
物理攻撃力234098
魔法攻撃力928368
攻撃魔力937468
回復魔力454839
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これ、やばくね?と俺はとりあえず死を悟る。
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