第27話 エロ漫画(劇画)のヒロイン
今日ギルドを通してガイアから手紙が来た。
仕方なく出向く事にした、ランゼ達三人も一緒らしい。
何を頼まれるかおおよその予想はつく。
恐らくはワイバーンを狩らないで欲しいという話か、パーティを組みたいと言う様な話だろう。
ガイアや他の仲間が単独で狩れる相手はワイバーンが限界。
火竜>>水竜>>>地竜>>>>>>>>>ワイバーン
こんな感じにワイバーンから上は一挙に難しい相手になる。
地竜ですら、恐らくガイア一人では狩れない可能性が高い。
但し、パーティなら別だ。
例えば、ガイアが攻撃と防御を担ってミルダが攻撃魔法を仕掛ける。
ランゼと一緒に戦って手数を増やす。
マリーに回復魔法を使って貰い、持久戦に持ち込む。
これなら、火竜は難しいが水竜までなら手が届く。
お金が欲しいガイアならせめて一人は仲間が欲しい…筈だ。
◆◆◆
「あのよ、済まないが暫くワイバーンを狩らないでくれるか?」
まずはそっちか?
幾らワイバーンが沢山居ても、僕も相当乱獲していたし、ランゼ達もそれなりに狩っていたから、かなり減少しているのだろうな。
まぁ、それ以前に幾ら、ワイバーンが知能は低いと言えど…毎日仲間が殺されていれば、その場所から居なくなるだろう。
「ハァ~何でガイアに言われなくちゃならないんだ」
「狩は自由な筈よね」
「そうだよ、元勇者でもそんな権限は無いよね」
「確かにそうだが、お金に困っているんだ…頼むよこの通り」
しかし、ガイアも窶れているな…
気のせいか10才以上この数日で老けた気がするな…
まぁ良いか…そろそろ家が買えるお金も溜まったし…後は生活と貯金。
そう考えたら月に少し稼げれば良い。
まぁ…すでに地竜すら狩れる力もあるかもしれないしな…
「僕の方はそうだな、月に2羽位でい良いや、それ以上は特別な場合以外狩らないようにするよ」
「ああっ、済まないな、ありがとな」
「僕の用事はこれですんだのか?それじゃこれで失礼するよ」
「いや..ちょっと待ってくれ、もう魔王を倒すなんて言わない…もう一度一緒にパーティを組まないか?」
「そうだな…それは良いな」
「うん、良いね」
「確かに、今の私達ならそれも良いよね」
まぁ、確かにそれも良いかも知れないな。
但し…僕抜きでね。
「良いんじゃ無いかな、ただ僕はもう一緒にパーティを組む気にはならないから4人で組むと良いよ」
「そんな、お前も加わってくれよ…この通りだ」
「そうだよ、頼む」
「私達には貴方が必要なの」
「お願い」
こいつ等、僕が何で必要なのか忘れているのか?
日帰りクエスト中心のパーティに僕は要らない。
旅だからこそ必要なだけだ。
多分、それに気がついたらポイされておしまいだ。
「あのさぁ、日帰りクエスト中心なら、僕は居ても居なくても同じじゃないか」
「確かにそうだな」
「今迄は旅ばかりで楽しい事は何も出来なかったんだ、旅が終わった今、自分がやりたい事をした方が良いよ…もう僕らを縛るものは何も無いんだから」
「確かにそうだ…聖夜引き留めて悪かったな」
「ああっ、お前も頑張れよ」
「聖夜はパーティに加わらないのか…ならこの話は無しだな」
「そうね、私も同じ」
「そうだよね、女同士の方が気楽でいいかな」
「そうか…なら仕方が無いな…皆も来てくれてありがとう」
「「「まぁ幼馴染だからね」」」
ガイア…お前…ランゼ達を説得しないで大丈夫か。
ワイバーンが狩れなくなったら…支払いがとん挫するぞ。
◆◆◆
「今日は西の市場か…」
「まぁな…此処の市場は少し規模が大きいから見どころがあるからな…しかし、何時も済まないな」
「別に構わないよ、男の友人はオークマン位しか居ないし、僕の留守の間は嫁を寄こして貰っているから、僕も安心して外に出られるからな」
「そう言ってくれると助かる…まぁ俺と付き合ってくれる物好きは聖夜しか、いねーからな」
イクミ達と親友と酒、これだけあればもう後は全ておまけだ。
今の僕にはこれだけで良い。
後は家があれば尚更良い。
「そうか、これはこれで楽しいが、今度そうだ一緒にバーベキューパーティでもするか」
「良いな、それやろうぜ」
雑談をしながら目的の市場についた。
「それじゃ、聖夜はまた廃棄奴隷の方を見て回るのか?」
「年上の女性はこっちの方に居る可能性が高いだろう?」
「まぁな…しかしよく見て回るよな、それじゃ俺は人族限定の競を見てくる」
オークマンは凄いな、こと奴隷に関してはプロだ。
奴隷商ばかりしか入れないこんな場所に顔パスではいれるんだからな…
普通の人間も入れなくはないが金が掛かるのにオークマンは顔パスだ。
「ああっそれじゃ行ってくる」
オークマンは人族専門のオークションに参加する。
僕はオークションに出されない、廃棄奴隷を見て回っている。
イクミやマトイの様な、本物の美少女は多分、此処にしか居ない、そう思うからだ。
「怪物王子、どうぞ見て回って下さい」
何故か奴隷商の間で僕は怪物王子と呼ばれるようになってしまった。
オークマンの親友とイクミ達の容姿が絡んでいるそうだが、オークマンは兎も角、イクミ達は可笑しな気がする。
お陰で廃棄奴隷を自由にみられるからいいんだけさぁ…
あれから、幾ら見て回ってもイクミ達の様な綺麗な女性には出会えていない。
まぁ、滅多に居ないという事だから、オークマンに付き合いながら、ただ見ているだけだ。
見ているというが、そんな真剣には見ていない。
あくまで『廃棄奴隷』まず女は居ないから適当に回っているだけだ。
「旦那も奇特ですね、廃棄奴隷の女性なんてまずいませんし…居たとしても問題がある女ばかりですぜ」
今迄見た感じでは老人か、病に犯された者しか見ていない。
「聖夜様…あっちの業者が豚みたいな女の引き取り手を探していましたよ…ただし年を食っていて、更に言うなら中古みたいですが…」
豚みたい…そう言えばマトイもそう言われていたよな…
あたりかも…な。
「旦那、こっちですぜ」
確かにシートが掛かっている。
三人の時と一緒だ…
「あの、見せて貰っても?」
「ああ、構わないよ、噂は聞いているよ、本当にあんたなら気持ち悪い奴でも買い取ってくれるのかい」
「取り敢えず見せて貰えるかな」
「どうぞ、どうぞ…ただ本当に気持ち悪いから吐き出すなよ」
シートを外してみた瞬間。
うわぁ、エロっ。
胸が可笑しな程大きく、お尻も物凄く大きい。
そんな状態なのにお腹はへこんではいる。
デブではなく本当の意味のぽっちゃり。
正にエロ漫画の人、その物だ。
胸の巨乳はあり得ない程大きく前世の巨乳アイドルより更に数周りも大きい。
エロ漫画、劇画の綺麗な未亡人や後家さん…オバサンだ。
「あの..これ」
「やっぱり旦那でも無理ですよね…前の持ち主が死んで、自分から奴隷になりたいと村で騒いでいたんですよ。うちの馬鹿が、無料だからってそのまま連れて来たんですよ、こんな下品でキモイの誰も買わんでしょう」
「あの、少し話をさせて頂いても」
「ああ、構いませんよ」
「あの…家事とか出来ますか?」
「買ってくれるのですか。一応、使用人経験はありますから出来ますよ…ただこの体型ですから手際は良くは出来ませんが、一通りは出来ます…まぁオバサンですけど、夜もちゃんと出来ますよ…気持ち悪くないなら使って下さいな…」
しかし、胸がでかい…お尻もでかい。
凄いなぁ~ しかも顔も凄い美人だ。
美熟女ってこんな感じか…
「それで幾らですか?」
「奴隷は無料で結構です。市場が近いので貰うと銀貨3枚の最低価格を貰わないとならないですから。その代わり奴隷紋の書き換え代金として銀貨3枚頂きます」
「お願い致します」
思わず衝動買いしてしまったが…
今迄と違ってけた違いに…凄く気恥ずかしい。
どう考えても彼女は…エロ漫画のヒロインだ。
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