俺と幼馴染みと星空で◯◯◯◯

U朔

俺の幼馴染みの話

 ある夏の日の夜。俺は幼馴染みに押し倒されていた。畳の上に敷かれた布団に寝転がり、穴の空いた天井から空を眺める。眩しいほどに輝く幾千もの星。この日を俺は決して忘れないだろう。裸の幼馴染みに押し倒されながら見た、あの夏の星空を。


 「・・・きて、起きて。廉くん、もうお昼だよ」

「あと5分だけ・・・」

「ぐぬぬ...、カワイイこのボクのかわいいモーニングコールを無視する悪い子にはオシオキだよっ」

唇に、何か柔らかいものが触れる。乾燥していた口内が、だんだんと潤っていく。更に、俺の舌に何か硬いが柔らかいものが纏わり付いてくる。息ができない。すっかり目が覚めてしまった。

「あっ、廉くん。起きたんだね。おはよう」

目を開けると、顔を赤らめながら俺の唇を奪っている幼馴染みが目に映った。

「何やってんだ、朔」

「えへっ。どう、興奮した?」

「すっ、するわけないだろ。"男"どうしなんだから」

「そっかぁ、残念。ボクは興奮したんだけどなぁ」

そう言い朔は、部屋を出て行った。


 俺は最近、幼馴染みである朔に初めてを奪われた。それ以降、朔は毎日のようにモーニングコールをしに来る。平日はキスだけで済むものの、休日になると俺の親が居ないことをいいことに、裸でキスをしてくる。今日も例外ではない。が、これはあくまで朝の話。夜になると、朔は更に暴走する。風呂上がりに縁側で涼んでいると、風呂から上がった朔が目の前に立ってくる。もちろん裸で。そうして決まってこう言う。

「廉くん、どう。このボクの、かわいいカラダは?」

と。高校1年生なのにも関わらず声変わりのしていない高い声、じっくり見ないと男だとは分からない体、肩まで伸びたサラサラな髪。この幼馴染みを、どうしたら好きではなくいられるだろうか。

「うん、可愛いよ」

このシチュエーション、この会話。何度目だろうか、数えるのが面倒になり100を超えてからは数えていない。この後は、朔が笑顔で「うん」と言った後に布団を敷いて寝る・・・はずだった。

「ありがとう、廉くん。ボク、また廉くんとしたい。ほら、ボクもうこんなに興奮してる。いい・・よね」

朔は、顔をリンゴのように赤くしながら、俺の方へ歩み寄ってくる。1歩、また1歩と歩みを進め、朔は俺の服を全て脱がし、俺に抱きついた。

「好き、廉くん」

そう言い、暗闇の静寂の中を青春の音が響き渡った。ふと、空を見る。幾千もの星が輝く。俺と朔を見守っているかのように。きっとあの日も、こんな綺麗な空だったんだろうなぁ。あの日と変わらない、幼馴染みと、朔としながら見たあの星空を。

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