第4話 脱出 監視室編
監視室は地下一階。僕の部屋の目の前の階段から下に降りる。監視室は長廊下の一番奥。周りを気にしつつ急いで向かう。1歩進む事に心拍数が上がる気がする。しばらく歩くとあかりが漏れている部屋があった。休憩室らしい。バレないようにドアに近づき聞き耳を立てる。そこではリナとスーツ姿の小太りな男が話していた。
□ □ □ □
「最近、紫苑君はどうかね?こないだ倒れたそうじゃないか」
「はい。ですが異常は見られませんでした」
「そうか。こないだのプランは予定通り行けるかい?」
「えぇ。明日の夜9時に実験室に連れていけば良いですか?」
「ああ。それでよろしく。」
~~~~~
僕、まじで死ぬんだ。なんだかショックだ、わかっていたけど。とりあえず急いで監視室に行かなきゃ。
やっと着いた。ゆっくりと扉を開ける。月明かりを頼りに鍵を探す。あった、これだ。幸運なことに僕の能力を制限しているリングの鍵まで見つかった。鍵をしまい時計を見る。時刻は1時、いい感じだ。
部屋に戻ろうと立ち上がった時、後ろから声がした。
「どちら様ですか?」
すぐにわかった、リナだ。心臓が飛び出そうだ
「こんばんは 、私イシモチと申します。」
なるべく自然に振る舞う
「どうしてここに?」
怪訝そうに聞く。当たり前だよね。うん。怪しいもん僕。
「いやぁ、警備のアルバイトで見回り中なんですよね〜。」
「違いますよね」
即答された。バレてる、絶対。とりあえず逃げなきゃだよね。
「違くないですよ笑。あっ、すみません時間内に警備しなきゃいけないので」
すっと警備室から出る。
このまま部屋に戻ろう。そう思い歩こうとしたら体に鈍い衝撃が走った。
「いっっっっ!」突然過ぎて対処が出来ない。地面激突する。顔を上げると目の前には今にも僕を噛み殺しそうな目付きをしたリナが居る。
激痛に耐えながら僕はポケットからあるものを投げた、閃光玉だ。辺り一面光に覆われる。そのすきに僕は全力疾走して階段を駆け上がった。
後ろからは、待て!と叫ぶリナの声、鳴り出す警報ブザーなんだなんだと次々出てくる警備員、凄まじい緊張感の中僕は部屋に戻った。
部屋に戻れたはいいもののここまでの騒ぎを起こしてしまったから僕の護衛は一層多くなるよな、もしくは早めに殺される。ここまで来るとやはりここにはいられない。
やはり"潜伏"それしかない。リュックを背負い部屋を出ようと思ったらタンスの引き出しにリュックが引っかかって動けない
「くそっ、なんでこんな時にっ」
思いっきりリュックを引き抜く。タンスの引き出しがガコッと開いた。鍵がかかっている引き出しだったのに。中には手紙と大きな鍵、なんだこれ。記憶にないのにとても懐かしくて、無意識にそれを引っ掴んで部屋を出ていった。
次回 「脱出③」
次回で脱出編は終わりです。お楽しみに(*^^)v
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