第9話 パーティ復活

王都に帰って来てからは皆んなが驚く...それが面白い。


死んだ筈の勇者パーティーが居るのだから、そりゃ驚くわ。



「おい....俺は夢を見ているのか? 勇者セイルが目の前に居るように見えるが」


「ギルマス...聖女を舐めちゃいけませんよ! ネクロミノスを読み解き蘇らせた、暗黒勇者....痛い」


いきなり、セイルに叩かれた。


全く、この位良いじゃない?



「聖女様、冗談はやめましょう!俺の名前はセル、勇者セイルの遠縁にあたります、ロザリア様に面白がられてパーティーに誘われました、宜しくお願い致します」


「私の名はカリダ!剣聖カルダの同じく遠縁にあたります、宜しくね」


「僕はリダル、賢者リタの遠縁ですよ」



「しかし、そっくりだ!まるで本物みたいだ」



「それは、ロザリア様が悪いんです、元々似ていたんですが、更に魔法でそっくりにされて」


「それは酷いな!」



「俺たちは全員ロザリア様に恩があります...これで昔のように明るくなってくれるならと思って引き受けました」


「そうか、解った...だけど本当にそっくりだ」



「でも酷いでしょう?自分の恋人の代わり...」



「セル覚えておきなさい!本物の聖女とパーティーが組めるんですよ? カリダもリダルも光栄に思いなさい」


「「「はいはい」」」



「それで、お前達、パーティー名はどうすんだよ」



「「「「勇者」」」」



「凄い名前だな....本物が1人居るから良いか!まぁ良いや」



4人で冒険者になり、週に2日間、冒険者の仕事をして3日間 治療院を開く事にしたのよ。



気分が良いので、ローゼット家の使用人の目は返してあげる事にした。


案外、私は現金なのかも知れない。


立札を立てたわ『銀貨1枚で見えるようにして返す』そう書いてね、流石に無料では無いわよ?


まぁ、立札と言うのも一種の罰なのよ、誰かが教えてくれなくちゃ解らないわよね、目が見えないんだから...




結局、誰かが教えたのか1人除いて、全員が此処に来て治療を受けた。


1人は、ローゼット伯爵に文句を言い、無礼打ちされたそうだ...まぁ仕方ない事だわ。




久しぶりに4人で迷宮に潜ってみた。


結論から言うと駄目だった...討伐何てできない。


邪神様の加護のせいか...魔物が全部、優しい..



ゴブリンはぺこりと頭を下げるし、オークは何だか解らないが肉をくれた。



セイルが途中で連れていかれたから様子を見に行ったら、苗床にされている女の子の元につれて行かれたようだ。


何となくだがオークがセイルに「使って良いよ」って言っている気がするのが頭に来たから三人でセイルを殴って連れ帰ったわ。



オークが「大変だなお前も」そんな目でセイルを見ていた気がするわね。


女の子を助けないのかって? 無理だよ、無理!焼いた肉くれたし、宝箱の場所まで案内してくれるんだもん。しかも、要らない物らしく宝石や薬品もくれる。そんな相手から奪えるわけないわ。


探索と言うなら大成功だけど、もう討伐は行えないわ。



折角の武器だけど使うチャンスが無いのよ。



盗賊の討伐の依頼が来るまでお預けだわね。





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