第2話 聖女に何が起こったのか? 悪徳聖女爆誕



私は元は貧乏貴族の令嬢だったのよ。


この世界では魔王が復活して、世界が絶望に陥った時、成人の儀で勇者他、聖人が選ばれるの。


「勇者」「賢者」「剣聖」「聖女」その中の聖女に私は選ばれたわ。


その時選ばれたのは


冷静沈着な勇者 セイル、銀髪のやや幼い感じがするなかなかの美少年。


陽気な剣聖 カルダ ボーイッシュで浅黒く赤髪で、男以上に女にモテるタイプね。


頭脳明晰な賢者 リタ 背が低くて金髪、なかなかの美少女、胸が無いから、まぁ解るわよね?


そして、聖女の私。


4人で力を併せながら、魔族や魔物と戦いながら旅をして人々を助けたわ。


そして、とうとう魔王城にたどり着いたのよ...


「行くぞ、皆んな!」


「これで僕たちの戦いが終わるんだね」


「これが終わったら、ようやくゆっくり出来るね」


「そうね、これが終わったら、本当に休みたいわ」


私達の長い戦いが、今終わりを告げる、そう思っていたのよ。


勿論、死ぬ可能性も高かったわ。


こうでも思わなければ足が竦んで動かなくなるからね、気力を絞ったのよ。


激戦につぐ激戦の末、私達は、どうにか魔王を倒した。


だけど、その時には剣聖は片腕を無くし、賢者リタは死んだわ。


実際は、魔王を倒してハッピーエンドじゃなかった。


ただただ『倒した』それだけ、仲間の死や怪我を目の当たりにして絶望を寧ろ感じたわ。


だけどね、これはまだ悲劇じゃないの。



寧ろ、そこからが本当の戦い、悲劇の始まりだったわ。



魔王を倒された魔族は、「魔王の敵討ち」を名目に、より一層結束し、人間に総攻撃を仕掛けてきたのよ。


魔族との戦いは日々熾烈になっていったわ。


賢者を失い剣聖が片腕になった、私達、勇者パーティ。


それでも、ただ勇者パーティという事で、一番熾烈な戦場に放り込まれたの。


ボロボロになり、死に物狂いで戦い人々を守ったわ。


体だけじゃない、心ももうボロボロ。


それでも、世界の為、人々の為、そう自分達に言い聞かせ、戦い続けた。



そして時がたち、戦争が終わり、魔族との間に停戦条約が結ばれた時には、剣聖のカルダは戦場で死に、勇者セイルも私も、その当時の私では治せない位の怪我を負っていたの。



セイルも私も魔族領で戦い続けた為に臓器が壊れ掛かっていたのよ。


簡単に言うと、魔族領では人間の食べ物は手に入らないわ。


人間とは違う魔族の食べ物を食べ続けた為に臓器に異常をきたしていた。


そんな所かしら。


帰ってきた私は直ぐに教会に「エリクラー(完全治療薬)」を貰いに行ったのよ。


これさえ飲めば、治るから。


でもね、笑えるわ。


聖女の地位は教会では絶対だった筈なのに...


「何時迄、聖女様のおつもりで居られるのですか? もう戦いは終わったのですよ!国宝級のエリクラーを、そんな簡単に貰える訳無いでしょう?」



「私や、勇者は貴方達教会、各国に頼まれて戦いました。特に私は、聖教国、教会からの依頼の元、戦ったはずです、それがこの仕打ちですか? この状態の私を見捨てると言うのですか?」


「はっきり、言うと『死んで欲しいのです』魔族と停戦を結んだ今、魔族から一番嫌われているのは貴方達ですからな」


本当に馬鹿だったわ。


何の為に私達は死に物狂いで戦ったのか解らないわ。


「その命令を下したのは、教皇様や王では無いですか!」


「そんな事、私は知りませんな」



そう、もう私達は要らないから斬り捨てる。


そういう事ね。


なにを言っても無駄ね。



「そうですか...解りました」


教会や聖教国は助けてくれない。


王国はどう?


アレフ国王はセイルと仲が良かったし、良く魔王を倒した暁にはと色々な約束をしていたわ。


この時、もうセイルは寝たきりで動けなくなっていたわ。


動けないセイルの代わりに、王城に行ったが、門前払いだった。


門番に食い下がり話をしたのよ。


「王は、勇者に魔王を倒した暁には、爵位や金品の支払いを約束したはずです」



「門番の私に言われても困ります!その様な話は上の話し、私の仕事は此処を通さぬことだ」


そんなの解るわよ。


だけど、此処を貴方が通さないから、何も交渉が出来ないのでしょう...


「だったら此処を通しなさい、私は聖女です」


「その特権はもう使えないと聞いています、登城特権も既になくなっています」


「そうですか? 恥知らず、私達が死んで女神に会う時には、貴方達が地獄に落ちるように進言します」


「なっ...そんな」


嘘か本当か解らない。


多分、只の嘘ね...


だけど、四職は死んだ時に『女神が迎えに来る』そういう話がある。


「それしか、私には使える力がありませんからね」


「解りました、話だけは伝えさせて頂きます!それでお許し下さい!私は只の門番ですから、それが精いっぱいです」


「そう?私達は命がけで戦ったわ! 世界を救う為にね! その結果、貴方は此処で門番が出来ているんじゃないの? それなら、今度は貴方が私達の為に命掛けてくれても良いんじゃない?黙って私を案内したって殺されないでしょう? 咎められるだけよね?」


「すみません...出来かねます」


「そう、解ったわ」



その後、私が泊っている宿に手紙が届いた。


内容は、本当に酷い。


『何処にそのような証文があるのだ、約束などした覚えは無い』だって。



教会も、聖教国も王家も全部が私達を見捨てたのよ。



それ処じゃないわ『私達が助けた村の人も助けてはくれなかった』


薬が手に入らなくても、「腎臓」さえ手に入れば私達の延命は出来る。


あれ程沢山の人を救ったんだもの、誰か1人位は助けてくれる。


そう考えたのよ。


『甘かったわ』


魔族から救った時、涙ぐんでお礼を言っていた彼らなら、そう思ったのに、現実は違ったわ。


「お気の毒だと思いますが、態々親から貰った体に傷などつけたくありません」


「ですが、私達が戦わなかったら、この村は滅んでいた筈です」


「それがどうかしましたか? 人を救うのは勇者や聖女様の仕事では?」



なにを言っても無駄、その冷ややかな目がそう言っていた。



「そうですか...失礼します」


黙って立ち去るしか無かった。



◆◆◆


だったらもう良いわ。


世界が私達を見捨てるなら、私が世界に優しくしてあげる必要は無い。


ねぇ、皆、そう思うよね...


カルダ、リダ、命懸ける価値など無かったよ。


こんな奴ら、放って置けば良かったんだわ。



「あの病人がいるのですが..」



「教会に行けば良いのですよ」


「そのお金がありません」


「ならば死ねば良いのです!死んだ後地獄に落ちるように女神様にお祈りしますから!では、忙しいのでお引き取り下さい」



「待て、それでもお前は聖女か?」


一緒に来ていた男が睨みつけてくる。


なんで睨むのか解らないわ。


手迄握りしめて...


私達を救わない人間をなんで私が救わないとならないのかしら?



「暴力ですか? 私に勝てるつもりですか?」



聖女だって四職だ他の3人に比べれば弱いけど、一般人なら簡単に殺せるのよ。


睨み返した。


「いえ...ですが...」



「貴方は結構強靭な体をしているわね?身内が死に掛けているのですか?」


「妻と子供が死に掛けている..助けて欲しい」


これはチャンスかも知れないわね。


「そうですね、貴方の死と引き換えなら、助けますよ?如何ですか?」



「そんな、何で...俺が死なないとならないんですか?可笑しいだろうが!」


「助けるために、貴方の臓器が必要なのですよ!どうせ臓器をとったら貴方は死にます!残りの臓器が貰えるなら治療しますよ?」


「聖女様は昔は、そんな対価無くても、簡単に治していた筈です」



「此処に来た事で解りませんか?教会も王家も私には薬すらくれません。身って解るでしょう?貴方達以上に貧乏ですから、ポーションも買えないんです!ポーションが無い現状じゃ、入れ替える臓器が無いと治せないんです! 物理的に無理なんですよ」



「そんな、それなら俺が死ねば助けてくれるのか...」



「ええっ、約束します!すいませんね、方法がそれしか無くて、すぐに死ぬ訳で無いので、決意が固まったら、再度、王都まで私を訪ねてきてください」



「そそっ、そんな!それしか本当に方法が無いのか?」


「私にはですね、他の方も治療がして欲しいなら、若い人間一人で、2人の命を助けてる事は可能ですよ?では気持ちが固まったら、また来てくださいね。」



本当は私の魔法だけで助けられる。


だが、私は甘かった。


私達が『命がけで無償で戦っても、誰も助けてくれなかった』ならこれからはしっかりと報酬を貰う。


それだけの事だわ。



これは正直賭けだわ...誰か1人でも来てくれればめっけものだ。



◆◆◆


王都に帰ってきた。


これで臓器が手に入る可能性があるわ。


だけど、まだ薬が足らないし買うお金もない。


だから、恥を忍んでローゼット伯爵の屋敷に訪れたの。


この伯爵は、スケベ爺で、私を妾にしようとしていた。


だから、体を差し出せば助けて貰えるかも知れない。


そういう算段があったのよ。


「ここに来るとは落ちぶれた物だ聖女殿」


「すみません...おすがりするしか私には方法がありません」


「それは、私を受け入れる、そういう事で良いのだな!」


「....はい」


「それでは、服を自分で脱ぎなさい」


従うしかないわ。


それで薬を買うお金が貰えるなら。


この恥辱にも耐えられる。


『セイル、ゴメンね』


裸になった、私に対して伯爵は何もしなかった。


だけど..屋敷中の使用人を呼んだ。


「何をなさるのです」


まさか、全員に犯されるのかな...生きる為、仕方ないわ。


だが違った。


「ははははっこれが聖女の成れの果てだ、幾ら気どって見せても娼婦と変わらぬわ!聖女の裸などそうは見れぬ.最も病気持ちだから移るやも知れぬ...抱こうなどとは思うなよ...」



はははははははっははははは、あははははははははははははははっははははは、あははははははははははははははっははははは、あははははははははははははははっははははは、あははははははははははははははっははははは、あははははははははははははははっははははは、あははははははははははははははっははははは、あははははははは


嘲笑の笑いが聞こえて来た。


どの位笑いものになったのかわからない。


「勇者の中古品で薄汚い体とはいえ、楽しませてもらった駄賃だ!」


床に金貨が放り投げられた。


私が拾うとすると...


「お礼は言わぬのか?」


「有難うございました...」


「元聖女様が這いつくばって拾っているぞ...犬の様だ!」



私は無視して金貨を拾い、その場を立ち去った。


娼婦以下なんだね...私。


抱く価値もないか...そうだね。


仕方ないよ...確かにもう若く無いし...病気で痩せこけているし...骸骨みたいだわ..あははは



私達は馬鹿だったんだ..



もし、勇者や私に知識があって『証文』を書かせていたら、違ったかも知れない。


更に言うなら、魔王さえ倒さなければ、勇者も私も価値があるからこんな惨めな思いをしなかっただろう。


『魔王を倒さなければ良かった』


そうすれば、こんな扱いされなかったわ。



家に帰ってきたわ。


「セイル只今!今日はお金が入ったから美味しい物でも食べようか?」


セイルに心配させたくない..だから笑顔で家に入ったのよ。


もう人生に疲れた。病気が治ったら、どこかでひっそり暮らそう。隣の国にでも行ってセイルと一緒に冒険者になるのも良いし、治療院をしても良いかも知れないわ。


ちゃんとお金を貰える仕事をして生活しよう。


「セイル...?」


何で返事が無いの?


「セイル、セイル、セイルーーーーっ」


セイルが死んじゃったよ。


あはははっあははははははっ...死んじゃった..死んじゃったよーーーーっ。


間に合わなかった。


あそこで、待たせずに『今すぐじゃなくちゃ駄目ですね』それを言えなかったから。


馬鹿だ私...本当に馬鹿だわ。


ねぇ...セイル...貴方はこんなゴミみたいな世界を救う為に戦ったの?


カルダ、リタ、あんた達も死ぬ必要なんて無かったよ? だって私達使い捨ての道具なんだもの...



◆◆◆



村からは三人の若い男性と、女が三人に子供が三人来た。


勇者は死んでしまったから、本当は肝臓は一つでも良い。


だから2人の男性は傷さえつけないで返しても良い。


そもそも、必要な肝臓は1つで良くなった。


そう考えたら犠牲は1人、しかも一つだから、その男性も生きる事は出来る。


だが、そんな事はしない『ちゃんと約束した対価だから』


「よく来られましたわね!覚悟はきまりましたか?」


「本当に妻や子供を助けてくれるんだな」



なに悲壮感漂わしているの?


死んで大切な者が守れるなら幸せでしょう。



「約束しますよ? 私は貴方達みたいな恥知らずじゃありませんからね」


「そうか、ならお願いする」


「解りました!最初にこの証文を3人には書いて貰います!残りの6人にはこの証文を...」


「これは?」


「死ぬ事への同意書です!そちらの6人には家族が殺される事に対して文句を言わない、そういう同意書と死体の権利は私にある、そういう同意書になります」



「こんな物、書いた事がないです」


「貴方達は恥知らずでしょう? 命を救った勇者や私を助けもしない!貴方達と口約束して文句を言われたら困りますからね...嫌なら良いんです!貴方達が死んでも私は困りませんから帰りなさい」



「「「書きます、書けば良いんでしょう?」」」


「「「「「「解りました....」」」」」」



6人の家族には眠り草で眠って貰った。


3人も同じ様に眠らせてから、体をバラバラにしていった。


そして、そのパーツからまずは、自分用に腎臓を貰った。


そのまま自分に「部分パラライズ」の魔法を掛けて麻酔をかけた。


自分の体を切り裂き、買ってきた薬で満たした..これで腎臓を取り出しても大丈夫だし、もし新しい腎臓が傷ついても修復される。


そのまま、腎臓を取り出して、新しい腎臓を入れる。


これでリカバリーの呪文を唱えれば終わり。


簡単だ。


ちなみに、エリクラ―なら飲むだけで簡単に治る。


無いからこそ「薬」「臓器」「魔法」が必要だったのよ。


「薬」も「臓器」も手に入ったからこそ完璧に治せた。


生きていた二人もバラバラにして臓器を取り出した。


セイル、苦しかったよね...そうだセイルにも腎臓を上げなくちゃ。


私はセイルにも同じ様に手術した。


そして、その遺体を、再び収納した。


この異次元収納というスキルは本来はリタの物だった。


リタが死ぬ時にスキルをくれた。


今、思えばこの中に収納されていた宝を王に差し出さなければ良かった。


あの時の私は未熟で本当に馬鹿だった。



この中では時が止まる。


今は出来ない、だけど大昔には「死者蘇生」というスキルもあったと聞いた。


そのスキルを身に着けるか、もしもう一度女神から神託があったら聞いてみるのも良いかも知れない。


絶望している場合ではないわね。


バラバラにした臓器で使えそうな物はそのまま収納した。


残ったのは、脳みそだけ、骨だって使い道はあるから返さないわ。


さてと約束は約束、まずは6人の体を抵当に傷つける。


そして、傷を縫合して、リカバリー(小)を掛ける。


これで手術したように見える筈だ。



最後に「ヒーリング」を掛けたら、はい終わり。


種明かしをすれば、「ヒーリング」だけで治せる。


もし、あの村の住民が「肝臓」を無料でわけてくれたら、私は全員にヒーリングを無料で掛けてあげたわ。


だが、セイルや私を見捨てたのだから、これは報いだ。



実際に教会に行っても、お金が足りなくて治療できなくてどうせ、6人は死んだ筈だわ。



綺麗ごと言ってもお金が無ければ治療しないんだから。



そう考えたら、私にお願いしたから「自分達の命で家族が救えたのだから得したわね」


充分、「正当な報酬だわ」



6人の家族を起こした。



「あの、サムの遺体は..」


「ぜルは何処に..」


「主人は」



「お父さんは..」



私は黙って袋を渡した。



「これはいったい..?」



「脳みそが入ってるわ..」



「あの、他の部分はどうしたのですか?..」


「貴方達に使った..そして残りは貰ったわ」



「返して下さい..あの人の体を返して」



「約束して証文を書いたわよね?それに『聖女だから人を助けるのが私の仕事』そう、あんたたちの村の村長が言っていたわ。他の人を救うのに必要だから返せません」



「そんな、酷いわ!返して」


本当に馬鹿だわね、納得して証文を交わしたでしょうに。



「だったら、金貨1人辺り3枚頂戴!それで返すわ」


「そんな横暴です」



「何処がよ! 教会に行ったら幾らかかるのかしら? まぁ自己犠牲はしないで良いけど、恐らく金貨10枚位ね、しかも生きている人のパーツを使って治すなんてしないから、絶対にそこから安くならないわ」


本当は金貨1枚位の仕事。


1年位娼館で勤めたらどうにかなるわ。


だけど、どうせ教会に依頼なんて出来ないでしょう?


貧乏村だからいけないわよね。



「それは..」


「出来ないでしょう? 金貨10枚はおろか3枚も払えないものね、貴方達には、違う?」


「確かに払えません」



「私は薬が買えないから、完全に臓器が治せない!だからその分を生きている人から貰って補った、それしか方法が無かった。」



「なら、残った臓器をせめて骨だけでも返して」


「嫌よ!それじゃ治しただけで、私の報酬は無いじゃない?」



「聖女なら無料で、助けてくれても良いんじゃないですか!」



「前は無料で助けてあげたじゃない..貴重な薬をつかって、倒れる位に魔法を使って..セイル達と一緒に死に物狂いで救ったわよね!」


「「「「「「.......」」」」」」



「それなのに、誰も助けてくれなかったじゃない?だけどね、私は助けてあげた、たしかに臓器は貰ったけど、貴方達に移植した後の死体を貰っただけ、どっちが優しいの? 少なくともお金が無ければ絶対に助けない教会や、私や勇者が死に掛けても、何もしてくれなかった貴方達、税金だけ貰って助けない役人より優しいと思わない?あんた達のせいで...セイルは死んだのよ」



「「「「「「解ったわ...もう良いです」」」」」」



「訴えても無駄よ、ちゃんと証文があるからね、お礼は言わないの?」



「お礼なんか言いたくありません」



「そう、なら良いわ!疫病が流行ろうが、病人が出ても、もうあの村は助けないわ、それで良いわよね?それが解ってて言ったのよね?どうするの?」



「あり...がとうございました」


「他の方は言わないのね...もう良いわ、もうあの村に行くの辞めるわ」



「「「「「ありがとう...ございました」」」」」



「そう、とっと帰って!もう治療は終わったんだから」



悲しそうに脳みその入った袋を持って6人は帰っていった。




ねぇセイル、カルダ、リタ、私達は馬鹿だったのよ。


だから、貴重な力を無料で使わされて...惨めに生きてきたのよ。


このつけは、何倍にもして返してあげるわ。


私は聖女。


回復魔法なら私より旨く使える者はこの世に存在しないわ。


今迄は魔王討伐の為に、忙しくて覚えなかった魔法も沢山ある。


全部極めてやるわ。


そして、私が必要になった時には..何百倍にして返してやる...覚えているがよいわ。



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