第4話 領地

私は起きて領地に行く支度をしながら、領地での記憶を思い出していると、温泉があるところで、もの凄く楽しみになってきた。

『びゅう』にある水色や薄緑のちらしで安い値段で温泉巡りした前世の記憶も蘇って露天風呂あるかなぁソフトクリーム食べながら足湯できたらいいなぁ。なんて浮かれていた。2台に分かれて侍女を連れて、馬車に乗り込み出発したけど、夕方にはもう馬車に乗りたくないと思うほど身体が痛くなった。こんなにかたくて、振動が身体に直撃するとは思ってなかったよ。途中でよった町で、綿屋さんを探したけど、ユザワヤみたいなのはなかったとほほ。。。めげずに、平民の人達が、利用する古着屋に案内してもらい、木綿のズボンとスカート、シャツなどなどを大量購入でもっと安く手に入れた。馬車に戻ってズボンの足に古着と雑貨屋さんで買ったラベンダーポプリを詰めて、綿がわりにした。即席V字クッションの出来上がりである。お母様をV字ではさんで、お腹のところで結んで。安定させる様にした。私のはマイをV字で挟んで膝の中で私を抱える恰好で結んでもらった。後ろに寄りかかれる様になって好評だった。お父様は領地にもどったら、自分用に座面のクッションを変更する事を決意していた。無事に到着して領地の屋敷で出迎えてくれたのは優しい祖母と引退したとはいえ、鍛えぬかれた体が服の外からでもわかる大きな身体と声の祖父だった。「朝から迎えに出ると厩務員を困らせて、大変だったのよ」とのんびりした口調で、ニコニコ話す祖母は年齢を感じさせない。こんな風に年取りたい代表みたいだなぁとイベリスちゃんの中の私は思っていた。

次の日から祖父の前に乗せてもらって、祖母は1人で乗れるので3人で領地内の散策をして足湯の出来そうな場所を見つけて、祖母を誘って足湯をしたり雑貨屋さんお土産屋さんカフェにいった。

最初は抵抗があったようだが、私と一緒に!って言葉に引きづられて帰りには。気持ち良さを堪能して、またきたいわね。「次はいつ?」と祖父におねだりしているのが可愛らしかった。

足湯は血の巡りが良くなって、溜まった老廃物を運び出して、体を芯からリラックスさせてくれるので、好きな匂いと一緒に気軽に試せるのだ。冷え性、肩こり、に私は効果を感じていたので、祖母や更年期を迎える女性には、是非足湯をすすめたかった。

女性も利用しやすい様に、目隠しをたてたり、高い位置でベンチをつくったり、改善点をかきだして、父に提案したら出資金をだすので金貨20枚、こちらの単位は銀貨100枚で金貨1枚、銀貨1枚が、1ヶ月分の給与。てなわけで、ただの5歳児に渡す額❓って思ったけどありがたくいただいた。材木の価格や、工事代金とかの相場もしりたい。お祖父様にそう言うと、あの毛むくじゃらの門番ヤンさんを紹介してくれた。明日ヤンさんに付いて市場巡りをして学びなさい。

潤沢な資産を渡されて「イベリス」の思う事をやってみる様に提案されて、益々楽しくなってきた。私はずっと経理で仕事してきて、営業なんて経験ないけど、採算取れない物、者に改善点をダイレクトに伝えられるのはやり甲斐ありそう。っておもって益々楽しくなってきた。

お土産屋さんに行ってガチャガチャ風のおみくじを売り出すために、機械を製作するところを紹介してもらった 機械の絵を図面化してくれた職人さんは私の拙い話しを聞きながら、多彩だったよ。

銀貨1枚が1ヶ月分のお給料らしいので

銀貨3枚渡して、なるべく早く作ってほしいことをたのんできた。

つぎはソフトクリームを食べながらなんだけど、ソフトクリームを作る機械なんてわからない。アイスクリームは売っているので、喫茶コーナーの充実を図ることにした。

器を考えたりすれば、

足湯しながらアイスとか、休憩にドリンク持って足湯とか実現可能かどうか、お祖父様に相談しながら市場の人とかを紹介してもらって、器の選定したり足湯のタオルを安く、持ち帰りの御土産風に出来ないかどうか検討したりしてすごしていたら

王都から王子がきた。祖父は会わなくて良いと言ってくれたので、今日も足湯巡りをして領地内をレグと駆けている。最初は祖父の前に乗せてもらっていたけど、訓練して 軍馬だけど、小振で小回りの効く赤毛の馬をもらつて、レグと名づけた、乗馬用の服もデザインして、横乗りは怖くて諦めた。祖母の様に優雅には乗れない。実は前世のキュロットスカートなんだけど、ドレスの採寸の時に話したら作ってくれた。職人さんに敬意を!話しだけで多彩だよ!キュロットスカートの評判も良くて王都でもはやっているのでアイディア料を払うといい出すし。私はレグに跨がれるようになったので、充分だからとことわり、ぎゃくにV字クッションにアドバイスをもらった。U字クッションもつくることにして、次に王都に行く時はもう少し頭も安定して楽かもしれない。なんておもっていたら

王子がやってきた。逃げ回るのも飽きたので、客間に行くと所謂土下座して待っていた。「何をなされているんですか?」

「来年は貴族院に行くだろう。その前に婚約を戻しておこうとおもってな。」

「何故? 戻す意味がわかりません」

貴様は口の利き方もわからんのか殿下に失礼だろう。」と怒鳴りながら手を伸ばしてきた男は横跳びに壁まで跳んだ。私の護衛が、「お嬢様に触れるな」と仁王立ちしていた。

殿下は少し顔色を悪くしながら、「陛下から王太子となる為の実績作りに一週間後の魔物討伐に参加するように言われてきた。それに婚約を解消するような者には信用も信頼も得られない。と言われたのでな、そちも婚約者が見つからないのだろう。」と宣った。イラッとしながら、「一生独り身で過ごすことになっても、私は婚約を結び直すつもりはありません。」「何故だ。その様に意地を張る物ではない。」「 はっ?貴方に王子以外の何がありますか?釣書に書き込める事を言ってみてください。」と蔑みの眼を私はむけた。こんなにかわいいイベリスとあんたが釣り合うと思ってるの!って思いながにらんだら、「あとで後悔しても知らないぞ」って捨て台詞吐いて帰って行った。 オーレ子息は「何も出来なくてすまなかった。」とあたまを下げてから出て行った絶対に婚約の結び直しなどしない。と決意した。やっとかえりましたね。美味しいお茶にしましょうと後ろから執事がニコニコ声をかけてくれてなんだかホッコリして

潤んでしまったまま振り向いて「ありがとう。」と俯いたら「どこからどうみても、素敵なレディですから。この侯爵家に仕えている全員が、お嬢様を大切だと思っているのです。私達の為に自信をお持ちください。」

私は皆に感謝を!

イベちゃん愛されてて、良かったね。って思った。

一週間後魔物討伐の失敗の連絡が夕食をとっている屋敷に届いた。サイレン?がきこえてきた。

お祖父様の執務室に向かうと、玄関に騎兵が転がり込む勢いで「ご報告申し上げます」

ロゼ村に討伐隊から逃れた魔物が向かっています。「よくしらせてくれた。手当をうけて、休んでくれ。」「ヤン向かうぞ。」と労いながら指示をだし、「緋色のマントをひらめかせたお祖父様が出かけようとしていた。」

外はドームのように屋根が出来ていた。「砦内に居れば安全だからな。お祖母様と待ってるんだぞ!」とあたまを撫でて馬で出かけて行った。お祖父様を見送っていると、上空高い位置から何かがお祖父様の背中に向かって行く。私は力一杯目を閉じた。「お祖父様。ロゼ村を救って、無事で帰ってきて」と祈って目を開くと私から金の蔦と光がお祖父様に向かって伸びてお祖父様に触れようとしていた魔物がシユンッと音とともに消えた。

金の蔦はロゼ村まで伸びて、村人を巻き込んで砦内に運んで来た。私はうわぁーって歓声を聞きながら、目の前が、白の世界になった。イベリスちゃんに婚約解消してこれからは、自由だよ!って伝えたら、「女神様から男の子に生まれ変われるってきいたった。「うん。」てイベリスちゃんは答えてくれたので、私は優しい両親の元、愛されて、育つ事にした。優しい両親も今だけかもしれない。っては思うけど、産みたくなかった、産まなければ良かったと言われ続けた私の子供時代とは、明らかに違う、優しい両親の元で甘えてみたいと欲が出たのだ。またね。って言うイベリスに手を振っていると、手を掴まれて「戻ってこーい」って大きな声が聞こえてお祖父様やお祖母様の顔が見えて

討伐隊が近くのむらを守っているが、被害が相当出るとふんで、助力を祖父に求めてきたようだ。相談もなく、王家が討伐隊を編成して討伐するならお手並み拝見と言っていた祖父は、領民の被害を思い急いで支度をし始めた。私は村の方を見ながら領民が逃げてくるのが、間に合うように、お祖父様の助力が間に合いますように、お祈りした。すると白い光りに包まれて、足元から金色に光る蔦が、村に向かって伸びていき、伸びていた蔦は、私に巻き付き始め村人を運んできた、最後の村人が運び込まれた時には、完全にとじこめられた。

見たことがある白い世界にイベリスちゃんがいた。「安心して王子とは、婚約解消できたし、貴女の人生を楽しんでもらえる状況になったわ。」

「ごめんなさい。女神様に次は男の子に生まれさせて貰えることになっているの。」

「本当にいいのね? わかったわ、オバサンが新しい人生を楽しんでみるわ「ありがございます」

そう言ってあたまを下げた彼女は光り輝いて消えた。

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