9 二刀流

 これでシグマは、ソーサリー・ストーンつきのつるぎと、ニセモノ・サーベルのとうりゅうだ。


 ソーサリー・ストーンつきのつるぎもどそうと、ロボットもあわててちあがる。

 シグマにかってかたなさんぼんうえゆうのななめうえから、どうにふりろしてきた。

 シグマはそのさんぼんを、とうりゅうけとめた。さんぼんのうち、ソーサリー・ストーンつきのつるぎほん、ニセモノ・サーベルでいっぽん


 そのしゅんかん! ニセモノ・サーベルのにひびがはいった。シグマがバックステップでロボットときょったしゅんかんに、ニセモノ・サーベルはポキリとれてしまったのだ。


 シグマはそれでも、あせらない。こっちにはまだロボットからうばったつるぎがあるから!


 ロボットがまたみっつのほそながうでじょうにかかげた。さんぼんかたなをふりろすために!

 よし――いまだッ! シグマはもうダッシュして、あいのふところへといっにふみこんだ。

 それから、ソーサリー・ストーンつきのつるぎをすばやくよこいっせん!!

 かたなじょうにかかげたまま、ロボットのからだがおなかのあたりでぷたつにわれた!


 ロボットのはんしんちからなくひざをつく。

 じょうはんしんのほうは、ほうげられたにんぎょうのようにくうちゅういあがっている。

 ロボットのじょうはんしんさんぼんかたなをにぎったまま、どさりとめんちた。

 いろひかっていたロボットのりょうからも、すうーっとひかりえていく。


「や……やったぞぉぉ! ロボットにつだなんて、すごいよ、シグマ!!」

 ジャンががおけよってきた。シグマも笑って、ジャンとハイタッチだ!


「ああッ、おれしん、すごいっておもってるよ! めちゃくちゃこずったからな!」

 もしかしたらぬかもしれない。シグマはほんでそうおもわされた。


「しっかし、なんだったんだ、こいつ?」

 シグマはつづけてそううと、うごかなくなったロボットをくびをひねった。


「このロボットはたぶん、なにかをまもっていたんじゃないのかな?」


 ジャンはそうって、ロボットがてきたかべあなた。リスぐらいしかとおれなかったサイズのあなが、ロボットがてきたときにひろがったせいで、ひとゆうとおれそうなほどおおきくなっている。シグマとジャンはそのあなつめながら、うなずきった。

 ふたりいっしょにしのあしで、あなこうがわへとすすんでいく。


 あなこうがわは、さっきまでいたしょよりも、すこしせまいくらいのになっていた。

 このひだりがわかべぎわに、おおきなきんのようなかくはこがある。

 はこはふたつあった。

 ロボットがあなをあけたしょうげきで、てんじょういちくずちたのだろう。はこのひとつがれきでつぶされていた。


 のこりひとつのはこは、ちゅうおうにある。

 こっちは、さっきのはこよりもずっとおおきい。おそうしきのときのひつぎのようなおおきさだ。

 ひつぎめいたおおきさのはこは、うえはんぶんがガラスなのか、とうめいになっていた。うっすらひかっている。シグマとジャンがまたうなずきい、なかをのぞいてみると……。


 え!?


おんなだ!!」

 シグマはぎょうてんしてしまった。おもわず、まばたきする。


 おんなかみは――おんなだよな?――くらいピンクいろのボブカットで、はだれいかっしょくだった。

 シグマのひとみにはそううつったしょうじょが、ひつぎのようなはこのなかでしずかにまぶたをじて、あおけになっていた。

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