第8話 縛りの二大巨頭②テンプレ
これまで書いてきたように、後頭葉のモットーは『効率的』。だからとても『面倒臭がり』。そのため、Web小説には暗黙の了解ともいうべき『テンプレ』が存在します。
なにしろ、テンプレ枠に収まらない小説は、その目新しい設定や世界観など、多くの情報をゼロから理解し直さないといけません。
考えただけで、面倒臭そう。
BLで例えるのなら、まず『攻め(男役)』と『受(女役)』の主軸キャラが存在する。視点は三人称か、一人称が推奨されます。
ひとつの作品内で視点が変わることは、基本NG。
加えて、一冊の文庫本であれば、最低2回はHなシーンが必要です。
ラストはハッピーエンドが好ましい。あと、女性キャラの登場は最小限に。できることなら登場させない。
また、案外重要なのが、主人公は『受』である方が望ましいという点です。
BL読者の大半は女性です。
主人公が攻めるより、受ける側である方が、読者は主人公に感情移入しやすいからです。
これらの『テンプレ』から、設定や展開などが
なんか違う。
自分が知っているテンプレではない。
その抵抗感が、小説に対する拒否反応になりかねない。
固定ファンが大勢いる大御所の作家さんなら、変則技の展開や設定も、新鮮だとして、ファンに喜ばれることもあるでしょう。
ですが、プロを目指す投稿者や新人は、既定路線を踏んだ方がいいですよ。
テンプレに添いつつ、個性を打ち出す矛盾を乗り越える。
その方が無難だろうというのが、私見です。
このように、Web小説ではタイトルに、読者の興味を引きつける『検索ワード』を盛り込むこと。
テンプレを過剰に逸脱しないこと。
文学よりも、よほど縛りがきついなと感じます。
まずはWeb小説として『した方がいいこと』と『しない方がいいこと』を、どのように使いこなすのか。
その力量が問われるのも、Web小説を書く者の宿命なのかもしれません。
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