Web小説が書籍化されても同じ小説とは限らない
手塚エマ
第一章 Webと紙媒体は、非なるもの
第1話 Web小説と紙媒体、書き分けてます?
Web小説を書く。
紙書籍を前提にした小説を書く。
双方を書き分ける上で、注意するべき点は何だろう。それとも書き分けなんて必要ないのか、どうなんでしょう。
私は紙書籍化を前提にした公募に小説を応募するときは、パソコンで書いた小説を、必ずプリントアウトします。
液晶画面で読んでいた自分の文章をプリントアウトし、紙媒体で読み返してみた途端、まったくの別物にしか思えなくなるからです。
ですから、必ず紙にした状態で推敲します。
これって、もう皆さん結構されていることみたいですし、今更な話で恐縮ですが。
それではなぜ、こんな違いが起きるのか。
同じ文章のはずなのに、液晶画面で読んだ場合と、紙で読んだ場合では、文章から受ける印象が全然違ってきてしまう。
私はもしかしたら、液晶画面で文章を見る時と、紙で文章を読む時とでは、最初に起動する脳の分野が違うのでは、と思っています。
ざっくり言うと脳は機能別に、
「
各分野の位置関係は、表記された漢字の通りです。
★理性や思考を司る分野……前頭葉
★視覚から情報を引き出す分野……後頭葉
もちろん、異なる役割を担う4つの分野は連動します。
私達は何らかの刺激に対して、脳のそれぞれの機能を経由して、何をどのように受け取り、考え、どうするのかを判断し、それを実行しています。
以上のことをふまえると、液晶画面で文章を見る時は、活字や画像など、目で見たものから必要な情報を引き出す後頭葉が優勢になる。
対して、紙書籍で読む時は、まず何が書かれているのかを、理解しようとする前頭葉が優勢になる。
……ような、気します。
気がするというのは、脳科学の専門家ではないので、あくまで「そんな感じがする」というだけの話なんですが。
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