第3章 安普請 その1
素空と悠才は2体の仏像を彫っていた。
この年の冬は雪が多く降り、
素空と悠才は仏像を彫る時だけは
また、西院では新堂の
庫裏の広間には30人を超す僧達が
瑞覚大師の後に続いて10数人の僧が部屋に入った時、部屋の畳が大きく
幸い、僧達に大きな怪我はなく、擦り傷と打ち身程度で、大事に至らなかった。祝宴は台無しになり、殆んどの僧達が無事を確認した後帰って行った。
庫裏で、瑞覚大師と興仁大師に向き合って、玄空大師と明智が座り、両者を分けるように栄覚大師と松仁大師が座った。話は簡単に決まった。明智が言った。「京に遣いを出し、先ずは
玄空大師が言った。「それにしても、瑞覚様にお怪我がなかったのは幸いでした。床がかなり高かったにも関わらず、僧達にも大した怪我がなかったのは、御仏のありがたい御加護があったのでしょう」
栄覚大師が、玄空大師に語り掛けた。「お大師様、岳屋様が
玄空大師は、栄覚大師に微笑みながら答えた。「栄覚や、わしに分かっていたことは、人が成したることには、すべからくその人の人となりが表れるのであると言うことだよ。わしは、宇土屋殿の人となりを良しとし、岳屋殿のそれを好まなかっただけであるよ。岳屋殿が宇土屋殿のようであれば良かったのじゃが、少々欲が先を行っていたやも知れんよ」
栄覚大師は
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