もふもふしりとり
【もふもふ動物好きの小動物系彼女ひまりと、彼氏の朔也(愛称:さっくん)の話。 別小説『もふ・もふ』から抜粋】
電気を消した暗い部屋。
もふもふではないが、心地よいシングルベット。
隣には夜中になると無意識に暴れる変人彼女。
すぅ…すぅ……
「ねぇ……さっくん、『もふもふしりとり』しない?」
「……はい?寝れないの?あと何それ?」
今まさに寝かけたが、朔也は起こされた。
「よく寝れないときに羊を数えるじゃない?だから『もふもふ』をしりとりで想像してたら、寝れるかなと思って」
「それ、数えることに意味があるんであって、もふもふには意味はないと思うが?
まぁ……いいけど、俺興味ないから『もふもふ』あんまり知らないよ?」
「でっち上げでもいいよ。さっくんからね」
「適当だな。じゃあ、『ひつじ』」
「じ…じー、じぃ『じいさんのひげ』」
「何か違くないか?げかぁ……『原始人のこしみの』」
「『のらねこ』」
「『こいぬ』」
「ぬ、ぬぅぬー、ぬー、『ぬいぐるみ』」
しりとりで頭を使ってかえって頭が冴えそうだ。ひまりは何故か朔也の手を握ってきた。
きゅっ
「みみず……じゃなくて『ミミズク』」
「く『クラブハリエのバームクーヘン』。さっくん、今のなし!くぅーくぅー、くぅーんんん、『くろねこ』」
「もはや『もふもふ』ではないな。美味しいけどあのバームクーヘンはあえていうなら『ふかふか』だろ?『コーギー』」
「コーギーめっちゃ好きっ!さっくんもそう思う?ぷりぷりの丸いおしりをふりっふりっして歩くの超絶ぷりちーだよねっ!」
「そりゃ、道で見掛ける度にうんざりするくらい言われたら俺でも覚えるわ。しりとりは?」
「ぎ、ぎ、『ぎゅっとしてくるコア
ラ』」
「ら、『ライオンのたてがみ』」
「ふわっふぁーだよね。いつか触りたい。みー、みぃー、『ミーアキャット』」
「触る前に襲われるぞ?『トトロ』」
「『ロシアンブルー』」
「おい、流石に只の『色』を『もふもふ』って言い張るのは審議だぞ?」
「さっくん、ロシアンブルーはにゃんこの品種だよ。これこれ」
スマホの画面をひまりは朔也に見せる。
「ふーん、品の良さそうな猫さまだな。『る』ね、る?るー、『るんるんしてるパンダ』」
「んーそんなイメージないよ?パンダ」
「ただのんびり笹食ってるだけじゃないかもだろ?」
「『ダチョウ』……」
「もはや動物しりとりに……。『ウサギ』」
「ぎー?ぎぃー……ぎぃー、『ぎゅうぎゅう詰めのヒヨコ』……」
「可哀想だな。動物好きなんじゃなかったけ?『ことり』」
「り……『りす』」
「『すやすや眠るひまりちゃん』。ひまりは寝落ちだから引き分け。おやすみ」
なーでなで ちゅっ
もふ・もふ?
【もふもふしりとり結果】引き分け
ひまりコメント:
本当はもっと『もふもふ』は色々あったんですよ?でも『しりとり』ってなるとなかなか出てこなくて。コツメカワウソとか、レッサーパンダとかモモンガとか、さっくんに教えてあげたかったなぁ。
朔也コメント:
いやだから俺は別に動物に興味はないんですって。最後のやつだけです、好きなのは。
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