第5話 魔法学園 退学
「すみません、今日で魔法学園を辞めようと思います」
うん、解っているわ。
金貨10枚じゃ学費は払えない…辞めるしかないわね。
「マリルさん、マリルさんが寮から出られて3日位したらご実家の方が来られて正式に退学になっていますよ」
ハァ~よく考えればそうだわね。
実家から縁をきられたんだから当たり前だわ。
寮費の節約の為に近くに部屋を借りて引っ越したのだけど…実家を絶縁されたのだから退学になっていても可笑しくないわね。
「そうですか…お世話になりました!」
「まぁ気を落とさずに頑張って生きて下さい」
まぁ成績も最下位だし、真面な魔法も使えないんだから、居ても仕方ないわ。
冷ややかな営業スマイルで私は送り出されたわ。
だが…これで良いのよ!
だって、勉強したけど『何も身につかなった』
此処で学ぶ事は何もないわ。
辞めて正解。
敢えて、私は此処にセレスを連れてきていない。
もし、セレスを見たら、恐らくは退学は取り消し、無理やり復学させられる可能性もあるわ。
だって、兄姉だって小動物しかパートナーに出来なかったのよ。
人間をパートナーとして呼び出した人なんて、それこそ伝説にしか居ないもの。
『魔法の素質を見るにはパートナーを見よ』
そんな考えが昔はあったみたいだわ。
そう考えたら、私は『伝説の魔法使い』並みに凄い事になるわ…
なんだか、不味い事になりそうだわね…だから、退学で正解だわ。
◆◆◆
「セレス、服だけ買ってきたのよ!これを着たら出掛けるわよ」
「マリル、何処に行くの?」
「買い物よ、買い物…あなた何も持って無いじゃない!生活に必要な物を買ってあげるわ、その後は冒険者ギルドへ登録よ」
流石ボロ着のままじゃ出掛けられないから、服だけ買ってきたのよ。
「マリル、解った…僕、外出するなんて初めてだから楽しみだよ」
「そう? ほら行くわよ!」
私は手を差し出したわ。
べべ…別に美少年だから手を繋ぎたい訳じゃ無いわ…
こうしないと迷子になっちゃうから仕方ないないじゃない?
◆◆◆
見られているわね。
まぁ、当たり前だわ。
だって、セレスは超がつく程の美形なんだもん。
お兄様も良く美形だと言われていたけど…全然レベルが違うわよ。
だって、セレスは…私が生まれてから今迄で見た、どの男性よりも綺麗なんだから。
だけど、そんなセレスは残念ながら…私のパートナーなのよ!
パートナーと召喚主は『どちらかが死ぬまで別れないの』つまり、セレスは私の者なのよ。
残念ね。
セレスに必要な日用品を一式買い…今二人で武器屋に来ている。
冒険者登録の前に武器は購入した方が良いわ。
余り予算は無いけど…出来るだけ良い物を買ってあげたいわね。
セレスは、凄く綺麗なんだから、変な物は持たせたく無いわ。
「いらっしゃいませ」
「さぁ、セレス、此処が武器屋よ…ここで貴方が使えそうな武器を選んで」
「解りました」
『うっ嘘でしょう…武器ってこんなに高いの? 金貨3枚位からしか無いじゃない』
どうしよう...
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