第22話 5歳なの?
今日は京子と一緒に学校に来ている。
高校で結婚した後の対応を聞かなければならない。
ちなみに、京子と呼んでいるのは、ご主人様のご要望なので仕方ない。
京子様とか、京子さんと言うと機嫌が悪くなるので、そう呼ぶしかないんだよね。
「ご結婚なさったのですか?おめでとうと言いたい所ですが..それは重大な校則違反になります」
確かに、校則の中に「不純異性交遊禁止」とある、だが婚姻はそれに当たらない気がする。
「確かに、校則に不純異性交遊禁止と書いてありますが、結婚は不純では無いと思います、そしてこの国では今は、まだ16歳で結婚は認められています」
「確かにそうです、ですが私が言いたいのは、満足な学園生活が送れないのではという危惧です!男女で結婚していれば、その先の関係も想像するでしょう? 性的な事で冷やかされるかも知れませんよ? 此処は共学なのですからね!」
「確かに」
学校の教師は夜間部を薦めてきた。
夜間部であれば、社会人も多く在籍していて、シングルマザーも居るし 30歳前後の社会人もいるそうだ。
「どうしますか? ご主人...いや京子」
「そうね、一応は在籍しておこうかしら!」
とりあえずは京子は夜間部に在籍する事になった。
◆◆◆
「ご主人様...良かったのですか?」
「また、ご主人様になっているわよ! 別に良いわ!此処には友達も居ないし、そう考えたら、私も同じね、翼しか居ないわね」
「そうですね! 僕には元からご主人様しか居ませんから、そう言って貰えると凄く嬉しいです!」
「本当に? まぁ翼の場合は本当なのは解かっているけど」
僕が廃棄された理由の1つには「ご主人様への依存」がある。
人造勇者の中には王族や貴族に選ばれて伴侶に選ばれる可能性もあるが、勇者として戦いに重きを置く必要がある。
基本的に人造勇者は「主人1人の物だが」主人は必ずしも人造勇者1人の物ではない。
例えば、国王が人造勇者を所有した場合は、王妃や王子が居るから如何に人造勇者が見目麗しくても1番とはなりえない。
だが、人造勇者の一番は常に「ご主人様」以外はあり得ない。
だが、普通の人造勇者は普通にそれを受け入れる。
例えば、女の王族が人造勇者を所有していたとして、他の男性と結ばれたとする。
その状態であれば、その男性をも守るのが通常の人造勇者だ。
①主人②その伴侶や家族という優先になりちゃんと守る。
だが僕はご主人様が1番で、他の人間には関心が持てない。
そして、人造勇者として致命的な事に、やきもちがある。
例え伴侶に選ばれた人造勇者であっても、主人の浮気には基本的に寛容。
だが、僕だったら、こっそり主人に解らない様にその相手を殺してしまうかも知れない。
僕にとって、ご主人様が女神だとすれば、他の人間はただの虫けらにしか見えないのだから仕方ないと思う。
「僕にとってのご、京子は命より大切な人ですから」
「ありがとう」
この笑顔の為なら、僕は何でも出来る。
◆◆◆
全てが本当だって解かっているわ。
だからこそ翼に何か返してあげたい。
だけど、翼が欲しい物は一つしかない。
それはもうとっくにあげているのだけどね。
「それで、今日はこれからどうしますか?」
「そうね、そう言えば結婚したのにお互いの事は余り知らないじゃない? 良かったら今日は沢山お話ししない?」
「良いですよ」
途中、コンビニに寄ってジュースやお菓子を買い込んだわ。
「さぁ、京子、聞きたい事があるなら何でも聞いて下さい!」
何から聞こうかしら?
「翼の好きなタイプの女性はどんなタイプかしら?」
「京子です」
うん、こう答えるのは解かっていた。
「そうじゃなくて、好きなタイプの女性の事よ! 胸が大きいとか小さいとか、背の高さとかの事」
考え込んでいるわね?
どうしたのかしら立ち上がって、鏡なんて持ってきて。
「これを見て下さい!これに写っている人が正に好みです」
「これって鏡じゃない?写っているのは私だわね」
「はい、だから背の高さも胸の大きさも顔の好みも、全部ご主人様、すいません京子って事ですね」
そうきたか、まぁ翼は私が大好きなんだから仕方ないわね。
折角、結婚したんだから翼の好みになろうと思ったんだけど、このままで良い!そういう事よね。
それは、そうと、これも聞かないと不味いわよね?私、もう妻なんだから。
「翼、あのね、えーと、その翼って...そのね、性欲とかは、そのあるの?」
なんだか翼ってそういうのが無縁に感じるわ。
案外、人造勇者だから、無いという事もあるかも知れないわね。
「京子、限定ならありますね! 他の女性は一切相手にしたいと思いませんが!」
「ああああああるんだ!その割には、その、手とか出してこないじゃない? もしかして我慢しているとか?」
もう結婚までしてるし、我慢なんてしなくても良いのに。
「正確には性欲より独占欲ですね?京子を自分だけの物にしたいとか、何時も一緒に居たいとかそういう気持ちが物凄く強いですね」
「そうなの?」
「はい、僕の欲しい物は、京子の愛、京子自身です!それ以外は何も求めません!僕にとっては京子が傍に居てくれる。それが最大のご褒美です」
顔が赤くなるわね。
ある程度気持ちは解っていたけど、直接聞くと破壊力が凄すぎるわ。
「独占欲が強いのね..だけど、その、性欲については、答えてないわよ」
流石に何回も聞くのは恥ずかしいわ。
「多分、普通の人間よりは少ないかも知れません!ご主人様、いえ京子の一番好きなのが僕なら要らないかも知れません!だけど、そういう行為って愛する者同士の営みと知っていますから、そういう意味ではありますね」
そうなのね、そう言う行為も翼にとっては私が好き、その延長にあるんだわ。
これ、凄く理想的なんじゃないかな。
「そうなんだ、へぇーそうなんだ..」
顔が赤くなって上手く喋れないわ。
「はい、だから京子が僕を求めるなら幾らでも言って下さいね、一晩でも二晩でもお相手できますから.」
「えっ、何..それ..」
あれって、そんなに出来るものなの? 時間が可笑しくない?
「僕はなり損ないですが、人造勇者です。その手の遺伝子も入っています、王家のその手の儀式で48日間部屋に閉じこもり子作りする儀式もあるそうで、知識もあるから多分、京子も満足してくれると思います」
そういう経験はないけど、話だけでも凄いと思う。
快楽で身を滅ぼしそうだわ。
何を考えているの、私...
「そそそそそ..そうなんだ、翼って..その、うん、凄いわね..」
「だけど、実際にはした事が無いから、こちらの世界では本当に凄いのか解りません」
結局、欲望には勝てないわ。
少しだけなら良いわよね一応、妻なんだし。
キス位なら良いわよね...
「だったら、そうね、その...大人のキスをして..くれるかな?」
「良いですよ!うぐっ、ちゅうううん...はむ...ん、ん、んぐ、んん、はぁはぁ...はぁ、はぁ、ペロっハァハァ」
「うんぐっ!はぁはぁはぁ..はぁ..もう駄目..」
「はい...それじゃこれで離しますね」
きききキスだけでこれなの?
こんなのは普通と全然違うわ。
舌からの快楽で頭が一杯になっちゃうわ..
体は熱くなるし、お腹の下もじんじんしだして..可笑しくなるわ。
そして、何よりも、この時間が永遠に続けば良いと思っちゃうし、翼以外、何も要らない、そう思ってしまうわ。
僅かな時間なのに...えっ...
「もう、2時間もたっちゃったの? キスしていただけなのに..」
離れてみて解るけど、翼も私も顔が涎と唾だらけだわ。
「そう、みたいですね」
キスだけでこれなら、この先の事をしたらどうなっちゃうの?
これは麻薬と同じ..その位凄いわよ。
気をつけないと駄目だわね。
「本当に凄いわ..まだ余韻でぽかぽかしているし、ほわっとしているわ」
「それなら良かったです」
「所で、翼って本当の年齢は幾つなの?」
案外、本当の年齢は思ったより上なのかも知れないわ。
だって何でも出来るんだから..
「僕ですか? 多分5歳位です」
「えっ、翼って5歳? 十五歳とか二十五歳とかじゃなくて?」
「はい、最も生まれた時からこの姿ですけどね」
うん? 5歳って子供じゃない?だけど、姿形は大人だから、問題ないわよね?
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