第9話 僕はやっぱり不良品
先に目が覚めた。
凄く愛されているのが解るからご主人様を抱きしめてみた。
目が覚めたご主人様は顔を真っ赤にしながらも僕が起きないようにじっとしている。
本当に可愛いし、凄く愛おしい。
だけど、何時までもこうしてはいられない。
「おはようございます!ご主人様」
「おはよう...」
ゆっくりと手を放すと、ご主人様の残念そうな顔が見れた。
うん愛されているのが解る。
今日は何をするのか聞かれた。
「ご主人様の用事が無いなら、もう少しネットで知識を集めようと思います」
本当は違う、早速投資をしてみようと思う。
ご主人様は出かけるみたいだ。
少し寂しいけど、都合が良いかも知れない。
部屋を見まわした、僕の服は新品、しかもどれも、これも上質な良いものだ。
それに比べてご主人様の服は..良い物かも知れないが..古いような気がする。
そしてかなりくたびれている。
それに、ご主人様はまだ学生なのに働くみたいだ。
昨日、求人情報を見ていたから解る。
早く力になりたい、だから僕はズルをする。
株の投資ソフト画面を見ながら
「プルゴキネーション」
未来視のスキルを唱えた。
これで僕には5時間後の未来が見える。
この呪文も僕が廃棄品になった一つの理由だ。
『数秒先が見えるなら、戦闘で役に立つ、数日先や数年先が見えるなら予言に使える...本当にお前は使えない』
『希少な未来視のスキルなのに5時間後...本当に使えない』
罵倒されて貶された嫌な思い出だ。
自由に時間調整が出来るなら、それこそ5分先が何回も見られるなら、幾らでもお金が稼げる。
だけど、僕には5時間後しか見えない。
だから、9時にこのスキルを使って終わりまじかの状態を見て、株を買う事にした。
つまり、1日一回しか儲ける事が出来ない。
やっぱり僕は廃棄品、不良品なんだ、本当にそう思った。
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