第11話 ただの除け者

「ゼェハァゼェハァ」

ハヤトは蜘蛛の巣の操作盤を持って、城から抜け出そうとしていた。

「やばいやばい」

ハヤトは迷路のような城に翻弄されていた。

「この辺かなwww?」

セトカンブリアはドアを勢いよく開けた。

「違うか」

ドアの裏に隠れた。

「ハァハァハァ、落ち着けハヤト」

ハヤトは廊下を走った。

「ここか?」

ハヤトはドアを開けた。

「ハハハハ、頭の悪い人間だ」

セトカンブリアが出てきた。

「蜘蛛の巣を返すか、ここで殺されるか、好きな方を選べ」

「ぐぅぅ、汚い……」

「この水鉄砲は皮膚を溶かす毒が含まれている。死にたいのなら別にいいんだけど」

「…けど、渡すわけにはいかない」

「ああそう。じゃあさよなら」

セトカンブリアが水鉄砲を撃とうとしたその瞬間!

「あ!」

「ん?」

床からミグが出てきて、水鉄砲を蹴飛ばした。

「いってぇ…って、ミグ!お前、ソラサソリたちの弾幕をくぐり抜けただと⁉︎」

「セトカンブリア、お前のライバルの博士も、お前を探すために、他の生物に変装できる技術を身につけ、鋏角類界のスパイに寄付した。お前はもう既に社会的に死んでいる」

「あっそ。わたしにはカニナベという対生物用薬品がある。すぐにお前らはこのカニナベに体の内部から破壊されて死ぬことだろう」

セトカンブリアの後ろには、カニナベの入った鍋が置かれていた。

「いくら嫌われていたって、そんなことをしていいわけではない!」

ミグは叫んだ。

セトカンブリアは銃を構えた。

「ったく、こんなにバカバカしい会話は初めてだ。もっと素直なやつを選んだほうがよかった」

「違う」

ハヤトが叫んだ。

「いい加減、その考え方をやめろ。バカバカしい」

「口を慎め。お前らは技術の神の前にいるのだぞ」

「神?いやいや、ただの除け者だろ」

ハヤトが言った。

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