第3話 切り札

街は逃げ惑う人々でいっぱいだった。

装甲車が走り回っていると、警察が来た。

「ここから先は蟹禁止です」

「おう?日本の警察官はあんまり武装してないんだな」

「止まりなさい」

「そこをどけサツ!」

「止まりなさい」

「……こっちには切り札がある。警察官なんて無害だろ」

「そうだな」

装甲車の蟹たちはそう言うと、引き返していった。

「帰ったみたいだな」

「さっきなんか話し合っていたようにも見えるけど………」

「知らん……。蟹語は分からん」









セトカンブリアは何やら機械を作っていた。

「なんです?その機械は」

「これですか。これは人間を蟹に変える液体[カニミソ]を製造する機械です」

「ほう、なぜそんなものを………」

「人が蟹に変えられたという事実を知った人間たちは、きっと身も心も体も震えること間違いなしです」

「なるほど。さすがセトカンブリア博士!」

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