暑さ対策【檸檬 小学3年生 夏】

 保育園時代にも無邪気な悪意というものはありましたが、小学生になるとさらに明確な「冷やかし」と意図を持って檸檬を不機嫌にする言葉を投げかけてくる生徒がいました。そんな明確な悪意に晒された檸檬は初めこそショックのあまり泣いてしまいましたが、泣かされてばかりは悔しいので冷やかしてくる男児を無視することで対抗して「ムスッとした表情」を周囲の男児からは怒った膨れっ面も可愛いと密かに檸檬が人気になりながらも、ぽっちゃりな女の子を好きと告白したら「変わり者」に選ばれてしまうと恐るあまり檸檬と親密にする男児はなかなか現れない草食系ばかりでいました。


 そもそも小学生低学年だから好きをそのままに全身で伝えようとする無邪気な性格をした生徒もいれば、恋愛なんて知らなくていいから遊びに夢中でいたいという初恋知らずな男児がいたりと、イケメンになれない生徒の方が多いのはとうぜん。そうした中で檸檬は夏場にかけて暑さ対策で短めのスカートを履いて風通しを良くした格好で学校に登校した時に悪餓鬼から「脚がハムみたい」だと言われたことが悔しくて、一日では対策はできないために次の日からは太腿が出ない長めのスカートやズボンを履くようになり、暑さよりも辱めの対策を優先してしまうようになっていました。しかしそうなるとぽっちゃりには夏場は地獄の暑さで汗が流れてしまい。子供特有の汗かき体質も合わさり檸檬は周囲よりも汗を沢山流してしまうので、母親からプレゼントされた臭い対策の香水をこっそり身に纏い、甘酸っぱい香りを纏い出した檸檬に男児はドギマギしながら檸檬を遠巻きに観察している男児が多くなるのでした。


「この時期は汗かくからいやだね〜」


「うわっ、ワキアセやばっ!」


「はふぅ〜、麦茶がおいしい♡」


園児だった頃は父親と一緒に裸で風呂に入っていたり。それこそ男の子の前でもポロリをしても恥じらいがなかった頃はありましたが、小学生になり異性の違いを強く認識するようになってからは体育の授業の前後にある着替えも男女で違う部屋を利用して着替えが覗かれない対策がとられるようになっていた。檸檬に関しては裸体を性的な意味合いで見られるよりも、ぽっちゃりな体型を完全公開にしてしまう辱めの方が晒すのが嫌となっていて、男子生徒からの熱い視線というものにまだ疎く、油断して服の隙間から風を送り込んでは側にいる男子生徒にチラリズムを提供してしまう危うさをもった無自覚な小悪魔となっていました。そうして私服に戻った女生徒が次々と教室に戻り、夏の日差しに照りつけられて失っていたものを取り戻すように水分補給や汗対策を終わらずに繰り返して、各々の親から手渡されたアイテムにて涼を求めていました。


「レモンちゃんも使う?」


「いいの? ありがとう。うわぁ〜、ひんやりスースーしてきもちいい♪」


「ちょっ・・・レモンちゃん!?」


「ん? 使い方が違った?」


ぽっちゃりな体型通りに汗かきである檸檬に手渡されていたアイテムは意外にもタオルなどのシンプルな対策だけでたり、制汗剤などは子供だとまだ肌に負担がありそうだとする親の思い込みからくる敬遠で檸檬には見送られていました。とはいえ対策を怠れば不快を振り撒き、ひいては檸檬が意地悪をされてはいけないので最低限の吸水タオルと長持ちする香水を朝に纏わせて、さらに特製のキンキンに冷やした麦茶を飲みすぎて逆に体調不良にならないように助言しながら夏場は戦場に向かわせてくれた。そうして檸檬は友人から厚意でいただいた制汗剤シートを使用していたのでしたが、同じくイチゴから貰えたときが数度で使用用途はすぐに理解できたのでしたが、その不慣れな行動に油断して教室で堂々と上着を「おへそがこんにちわ」をするまでたくしあげてしまい。そのまま身体を拭ってゆくと気持ちよくて顔が緩んでいましたが、厚意を与えたクラスメイトはギョッと目を見開いてから慌てて檸檬の素肌が見えないように衣服を整えてくれたのでした。


「使い方はあっているし、好きにしてもいいけど・・・」


「レモンちゃんは私たちよりもおっぱいが膨らんできたから、男子の目線に注意した方がいいよ」


「ほえ?」


性教育を学校でも。発育がいい女学生であれば個人的や家庭内でも身体の変化に対して必要な知識を得ていくのはとうぜんの結果でした。そこでクラスメイトが檸檬のバストに対しての意見をこっそり男子に聞かれないように耳打ちしてくれて、男子生徒よりもマセた女性陣は周囲を警戒した集団内限定の会話をして「檸檬が発育はいいのにお頭はまだまだ子供で油断」をしていることを親切心から注意してくれました。


「レモンちゃんは気づいてないようだけど、男子てこっそり見てるから」


「でもお腹だけだよ? 太ったお腹は見てもつまらないだけだと思うけど・・・?」


見苦しい身体を見せてしまうのもいかがなものかと檸檬は考えましたが、それ以上に暑さは思考を鈍らせてくれて「腹くらいなら僅かな時間ならいいや」と檸檬は未だに自分が「性的な対象に見られ始めた」ことに自覚が足りないようでした。しかし確実に第三者から見ていると檸檬は視線を一点に集めていて、小学校低学年でまだプールの授業が男女混同である段階で、檸檬は周囲より頭抜けたバストの成長が始まったことで「異性の対象」を強く意識し始めた男子同級生が発生してしまうという罪深い女の子でもあったのでした。そうした視線を檸檬は感じていましたが内容は「ぽっちゃりを馬鹿にされている」と誤解しており、まさか男子生徒から魅力的な女の子として見られていたなんて思ってもいなかったのでした。


「いや、お腹でもじゅうぶんにエッチだよ。それにさっきのは下着まで直接見えてたから、油断したらダメ」


「あぅ・・・そうなんだ・・・」


「ただでさえレモンちゃんは普段からサービスをしているんだから」


「ふだんから?」


「薄着だとブラが透けてるからね〜 体育だともっと見放題!」


「あの視線はそういう意味だったなんて・・・」


檸檬はいち早くスポブラデビューをしていて、その当時は知識がないピュアな男子生徒からは「ぽっちゃり専用の服なのか」と下着が透けていることに対しての魅力を感じた生徒は皆無でありました。しかし檸檬が腹以外にもバストにまでグングンと栄養を送り続けると、アダルトではない小学生用のスポブラを卒業して見た目が「可愛らしい」カップブラを着用していた。そうした下着に関する知識は親から教わっていたのでしたが、檸檬はまだ生理も来ない段階にて何故か胸だけめざましく成長してしまい、そうした身体の変化に纏わる感覚などにはまだ子供であるからと対応ができずにアンバランスな状況を生み出していたのでした。それを今日は同じ年齢の女の子から教えてもらい、檸檬はまた一つ大人に成長できました。


「レモンちゃん、股がすごいことになっているよ・・・」


「へ? うひや!?」


「今日の体育はジゴクだったからね〜 そりゃ汗が止まらなくなるわ」


胸の発育。それは一つの理由にホルモンバランスが変わることで変化が促されてゆくのでしょうが、それが初潮には影響がないまま檸檬はバストが膨らみ続けていました。しかし実は尻も大きくなりだしているのやもしれなく、それが判別し難くしていたのが脂肪でした。ある意味過度な栄養摂取が檸檬のアンバランスな成長を創っているのやもしれなく、そうして「どっちつかず」な下半身にクラスメイトがふと視線を向けると檸檬の今日の私服は「ハム」が見えないようにしたズボンなのでした。ただし、冷房と冷えた麦茶などで身体が完全に涼む前に檸檬の私服は汗を吸収し過ぎてしまい。ぽっちゃりで蒸れやすい「腋」や「股間」周辺は今日の地獄の体育で流された汗により悲惨な「お漏らし」状態になるまで濡れてしまい。檸檬は恥じらいながら絶句して硬直していました。


「うぅ・・・体操着を使った後だから替えの服なんてないよ・・・」


「保健室にならあるかな? でも・・・その姿だとお漏らししたから下着とズボンをくださいみたいで・・・クフフ。ごめん、笑ったらダメなのに・・・」


「恥ずかしいよぅ。でも気遣いせずに笑ってくれていいよ〜 男の子は許さないけどね〜」


ここでクラスメイトが体型や体質を混ぜた小馬鹿にする発言ばかりをしてしまえば檸檬だってクラスメイトが嫌いになりますが、悪意はないながらも笑ってしまう状況であるのは認めていることなので、檸檬の苦笑いも含めて周囲は和やかに檸檬の痴態を笑って対策を考えてくれました。そうした仲間意識や団結力があるのも女子生徒のいいところで、檸檬も同性にならば心を開いた会話ができるのでした。しかし男子生徒も男子生徒で悪目立ちする団結力はあり。特に檸檬にばかり冷やかしを送り続けているクラスメイトはめざとく檸檬を観察して「絶好の機会」を見逃してはくれませんでした。


「なんだ! なんだ〜 氷川がレモンジュースを漏らしたのか! なっさけね!」


「うわっ、ヘンタイ! その言い方はサイテイ! ていうか男子は話しかけんなバカ」


「あぅ・・・これは・・・」


「レモンちゃん、わざわざコイツに説明しなくていいよ。保健室に行って聞いてみよう?」


「あっ、それならイチゴちゃんに体操着があるか聞いてみるから一人でいいよ」


男子生徒は檸檬の汗と尿を掛け合わせて茶化していたようでしたが、マセた知識を得ていた女生徒の間では別の卑猥な発言にも聞こえてしまい。これだから「おこちゃま男子」は嫌いなのよと悪目立ちするクラスメイトは女生徒から反感を沢山買っていました。それでも反省なく檸檬を狙うのには困ったもので、檸檬は半ば諦めて「相手を喜ばせるような反応をしないように」と無視をしていた。しかし咄嗟のことだと真面目な返答をしてしまいそうになり、クラスメイトから無視が一番反省を促すだろうと付き添われるように立ち上がるも、保健室で着替えを貸してもらう前にイチゴを頼ってみようと檸檬は単身で「タオルで下半身を控えめに隠しながら」イチゴの教室に駆け足で向かいました。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 男の子から茶化されると不機嫌になり。女の子なら笑い話にできて。イチゴならばポコスカタコ殴りにして飴玉が返ってくる。まったくもって人付き合いの多様さは不思議なもの。檸檬はイチゴから体操着のストックを借りられて着替えができましたが、代わりにイチゴに粗相がばれて笑われてしまい。お漏らし檸檬がしばらくのトレンドになりそうでした。


 放課後になるとイチゴは習慣である檸檬の見送りを今日も律儀にしてくれる。時間割が増したりクラブ活動があったりと低学年と高学年で帰宅時間に差が出てしまいタイミングが合わないことは増しましたが、それでも檸檬はわざわざイチゴの帰宅時間に合わせて図書室などで宿題や読書をして待ち。イチゴと帰宅するという新しい「待つ時間」が習慣に加わり三年生と四年生の違いに適応しようと檸檬なりに環境の変化を楽しんでいました。そうした待つ時間さえ楽しくできてしまうのはイチゴとの下校時間が「特別」だからでもあり。主に檸檬が楽しみにしていたのが「飴玉が降り注ぐ」ことで、イチゴとの推奨はされない買い食いが学校で勉学したことに対するご褒美みたいなもので「今日は寄り道があるのかな」とワクワクしながらイチゴと帰り道を談笑するのが至福の時間の一つでありました。


 近年では防犯ブザーだけでなく防犯や防災のためにも携帯端末を持たされて通学をする小学生もいるくらいなので、財布や小銭を持たせる親もいて盗難がないように教師に朝のHRで渡して対策をしたり、そもそも持ち込みを誰にも伝えないことで盗難をされない対策としているような無策派がいたりと、学校に金銭を持ち込む小学生も中にはいました。イチゴに関しては「檸檬と二人だけの内緒だぞ派」であり。よく檸檬を誘っては奢ってあげているのでしたが、買い食いを目的にするだけならば何も下校中である必要はありませんでした。


 子供というのは悪事をわざわざしたくなるスリル体験など、そうした子供特有の世界観が行動理由となりイチゴは下校中の買い食いというリスクを檸檬と一緒に共有して「ありきたりな世界」からの脱却をプチエンジョイしていました。イチゴに関しては少々煩い門限があり、下校中の買い食いについては親に内緒でしているつもりでバレてはいる。しかし親もバレてないフリをしているのはイチゴが小さな悪事を「檸檬」を甘やかすためにしていながら、さらに食べたらすぐに帰宅してくれる真面目でもある性格なので親は友情を優先してあげてイチゴの行いを見逃していました。


 加えてイチゴや檸檬が帰宅するルートにある駄菓子屋などは碓氷家や氷川家の生活圏になっているので、店主などには二人が遅くならないように「食べたら早く帰りなさい」と見守り隊からも伝えるように願い合言葉になっている。二人の少女が帰宅するまでの地域ぐるみの防犯をお得意先もしてくれる優しい環境にてイチゴと檸檬は過ごせていました。そうして今日は酒屋兼、少女二人にとっては駄菓子屋かつラムネ屋として活用している店舗に下校中にお邪魔して、夏場限定のカキ氷をイチゴの奢りで食べて涼を食事から得ていました。


「頭いた〜い♪」


「痛がって喜ぶなんてマゾなの?」


「まぞってな〜に?」


「ヘンタイてこと」


「ええ!? ちがうよぅ・・・」


「檸檬は可愛いということだよ」


「ぜんぜん意味が違うけど、オゴってくれたからゆるす! はむっ♡」


二人が住む東北地方でも夏場は暑すぎて今年何度目かになるカキ氷の買い食いをして、檸檬は自分の名前のつくシロップから食べ始めて今日は苺シロップを食べて笑顔満点となっていました。そんな二人が食べるカキ氷は食材が沢山乗せられた本格的なカキ氷ではなく、小学生のプチ贅沢程度の安いカキ氷であり。イチゴも気軽に奢ることができて、酒屋の中にある駄菓子コーナーやアイスケース。他にはこれも夏場に売れ筋のラムネなども奢ってあげて檸檬の満足気な表情を観察しながら夏の暑さを一時的に忘れるのが日課となっていました。


「口どころか鼻からいくのかい!? 豪快だなぁ・・・」


「えへへ、溶けちゃう前に食べてイチゴちゃんのも食べちゃうの♪」


「どうどうと横取り宣言をするなよ」


二人は店外の軒先で陰ができたスペースにてカキ氷をそれぞれの自由な速度で食べながら脚を休めていた。影の中といっても店外の外気温に触れたカキ氷は徐々に溶け出してしまうので、液体になる前に食べてしまおうと檸檬は惜しむこともなく食べ進めてしまい。とうとう顔面から雪山にダイブしてパクつく豪快な食べ方まで披露してイチゴを笑わせてくれました。そうした姿はイチゴに笑って欲しいからあえてしていることもありましたが、檸檬は無理などしていなく自然体でいつも振る舞っている。というのも檸檬に関しては食べ物を美味しく食べられるならば女の子でも「オンザライス」や「口の中でのフェスティバル」を恥じらいを捨ててできてしまう女の子であり。そうした姿を見てきたイチゴも檸檬の前では体裁を気にしない自由な食べ方をしてくれる仲良しさんであり。二人の間では遠慮という言葉はないのでした。しかしイチゴだけは檸檬のお守りがあるために、多少はお姉ちゃんとしてのエチケットは残していて。カキ氷をシャクシャクと心地良い音を響かせながら綺麗に食べすすめて檸檬よりも氷の量は多く残っていました。


「ほらほら、綺麗に食べないとまた馬鹿にされるゾ」


「んっ・・・ありがとう。ふにゃ?」


「ほっぺがプニプニできもちいい♪ ついでに少しちゅめたいのもヨカデス♡」


「んふふ♪ ごちそうさまでした」


「はい、今日もありがとう」


「なんでイチゴちゃんがお礼を?」


「そこは気にしなくていいよ。そのままの檸檬でいてね♡」


「うん・・・??」


檸檬は胃袋に入る速度も早ければ量も多くても平気なフードファイターである。しかしイチゴとは違い年齢不相応に食事の仕方は下手くそで、よく食べ物を落として落ち込んだり。食べ方が雑なあまり口の周りを汚したり衣服を汚すのが直せない癖がありました。そうして今日も顔面ダイブをして汗以上に口周りを濡らしてしまい、イチゴは携帯していた自分用兼檸檬用にもなっているハンカチで拭ってあげると、檸檬は顔を傾けるだけで拭き取ってもらうという甘えた仕草をして、その対価にイチゴはプニプニのカキ氷でひんやりしてくれた頬を突いて微笑み合うスキンシップを始めてしまいました。




 スキンシップの間にイチゴのカキ氷が溶けてしまっても檸檬というお掃除係がいてくれるので安心していると、イチゴはまたしても檸檬の失態に遭遇した。檸檬は教師に事情を説明して着用が許されていたイチゴの体操服に身を包んでいて、そこに新たな日本地図ができていることに気がついていないのでした。


「うわ・・・また漏らしたの?」


「ん? ふわあ!? やっちゃった・・・イチゴちゃんの体操着なのにごめんなさい・・・」


「どうせ洗うのだから汗だろうと雨だろうと、汚れなければ濡れるのは一向にかまわないよ。ていうかよくも見事に漏らしたかんじに・・・プフッ、芸術の天才かよ」


「うぅ・・・そんなに笑わないでよ・・・」


檸檬はカキ氷に夢中になるあまり表面から落ちてゆく水滴の存在を忘れていて、見事すぎるくらいに下半身を濡らしてしまい「またお漏らし檸檬」をイチゴに晒してしまいました。しかしイチゴの言葉通りに汗で濡れた体操着をそのままイチゴに返却しては失礼なので、遠慮し合わない関係だからこそ檸檬はあえて「我が家で洗濯」してから返却することを約束していて、体操着のまま帰宅することになっていたのでした。


「どうせ洗濯をするのなら、駄菓子屋で水風船とアイスを買ってあげるからワタシの家の庭で水遊びしようゼ!」


「うん、いいよ〜♪」


「それじゃあ、駄菓子屋に行く曲がり角の電柱まで競争しよう。勝てた方がアイス二本な!」


「うぎぎ、負けないもん。アイスのために今から檸檬ちゃんはチーターになる! うぴょ〜ん!」


「チーターの鳴き声が独特すぎない? ならイチゴ様は音速を越えて光速に挑戦してやるゼ。シュババッ!」


「おんそく? こうそく?」


「はい、スタート」


「あっ、ずるい!」


イチゴは兄と遊んでいた影響。そして檸檬はそのイチゴと一緒にいた影響で男の子がよくするような戯れを日常でしている。ただ不思議なもので男の子の中に混じって悪事を見逃してあげることはできないのが、異性の違いということなのかもしれない。だから檸檬は気の知れた同性にしか冗談を言い合えないし、冷やかされても男子だけは無視をしてしまう。そうして酒屋の店先から別の駄菓子屋に向かい放課後にイチゴの家の敷地内にて遊ぶためのアイテムを買いに二人は駆け足で向かう。ただそこは無邪気すぎる二人であったので競争を始めてしまい。イチゴが抜け駆けをしてスタートを先に切ると檸檬は負けてしまい、悔しくて拗ねていたら「フライングをした罰」としてポッキンと二つに割れるアイスを「半分こ」にして、初めから檸檬にアイスを一つ半をあげるつもりの素直でないイチゴの優しさが光る一日となりました。

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