(第10話)大丈夫?

「兄さん! 今日は、大丈夫でしたか?」

 夏至の次の日、学校から帰宅すると、先に帰っていた美咲が玄関まで走ってきた。


「大丈夫って、特に何もなかったけど。美咲こそ大丈夫? 昨夜の疲れが残ってない?」


「ううん、兄さん。これから毎晩するのに疲れたとか言っていられません。それよりも、兄さんは、本当に大丈夫でしたか? 私以外の女の子から告白されたりしてないですよね?」


 僕は、少し困惑しながら言った。

「…告白って。それに、僕は、そんなにモテるような人間じゃないよ。」


「兄さんは、本当に、私以外の人間からモテなくてもいいんです。」

 美咲は、そう言うと、困った顔をして続けた。

「いいですか、兄さん。サキュバスには、『サキュバス・フェロモン』がありますけど、人間にも、フェロモンはあるんですよ。そして、セックスの回数が増えると、相手を惹きつけるフェロモンの放出が増えていきます。これから、兄さんは、毎日セックスするのですから、フェロモンも増えて、魅力も色気も増していくんです。」


 えっと。美咲さん。それなら、たぶん、美咲さんも、毎日、綺麗で魅力的になっていくのでは? 美咲さん、美少女だし、絶対、僕よりもモテるよね?





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 ※ 人間のフェロモンには、諸説あります(人間にはフェロモンはない(感知できない)という説もあり。)



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