(第8話)約束してください。兄さん。

「まあ、とにかく。

 もちろん、修学旅行なんかよりも、僕は、美咲の方が大事だよ。」


「本当ですか?」


「本当だよ。」



「修学旅行だけじゃなくて。

 私が、こんなのだから、きっと、これから、大変なことがいっぱいあります。

 それでも、いいですか?」


「それじゃあ、その大変なことを、ふたりで乗り越えていこう。」

 僕は、美咲の頭を優しく撫でながら言った。



 そして、美咲は、僕に頭を撫でられながら言った。

「私のわがままなんです。本当に。

 私には、兄さんしかいないんです。

 毎日、セックスしなくちゃいけないんだって知ったとき、私は、兄さんと毎日するんだって決めたんです。」


「そんなわがままを言ってくれる義妹が、とても可愛いよ。」







「毎日、セックスしなくちゃ生きられないような身体でも、それでも、生きていても、いいですか?」


「ああ。

 僕は、美咲に、生きていてほしい。」


「私と一緒に生きてくれますか。」


「もちろん、僕は、美咲と生きていくよ。」


「じゃあ、兄さん、言ってください。

 毎日、セックスしなくちゃ生きられないような身体だったとしても、それでも、生きていていいし、私と一緒に生きていきたいって。

 兄さんに、はっきりと言ってもらったら、私、安心できますから。」


「ああ。

 毎日、セックスしなくちゃ生きられないような身体だったとしても、生きていていいし、僕は、美咲と一緒に生きていきたい。」

 僕がそう言うと、美咲は、強く強く僕を抱きしめた。


「兄さん、私、今、とても幸せです。

 その兄さんの言葉で、私は、これからも生きていこうって思えます。

 その言葉、忘れないでくださいね。

 約束してください。さっきの兄さんの言葉。絶対に忘れないって。」




「うん。約束するよ。」

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