(第5話)イチャラブって、どうすればよいの?

「イチャラブ?」


「はい。兄さん。 イチャイチャで、ラブラブすることです。」


 うん。そうだね。

 墾田永年私財法は、墾田を永年に私財としてよい法令で、

 純粋理性批判は、純粋に理性を批判することで、

 人類補完計画は、人類を補完しようという計画で、

 トールチャイティーラテオールミルクは、トールのチャイティーラテをオールミルクで、

 イチャラブは、イチャイチャでラブラブすることだよね。


 で、イチャラブってなに?




「で? 」


「はい。兄さんのやり方で、兄さんの思うとおりの、イチャラブで、OKです。」





「えっと。美咲は、なにか希望はないの?」


「私から、リクエストしてもよいならですねぇ……

 そだ。そだ。そだ。お姫様抱っこ!

 お姫様抱っこしてください。兄さん。」


「お姫様抱っこ?」


「そうです。兄さん。

 明日は、お姫様抱っこで、ベッドまで私を運んでください。」


「まあ、僕は身体を鍛えているから、美咲ひとりくらいお姫様抱っこしても余裕だけど。」


「リビングから、私の部屋のベッドまで、お姫様抱っこしてくださいね。」


「それは……

 僕の体力的には、ぜんぜん大丈夫だけど、リビングからだと、美咲をお姫様抱っこしてるの、たぶん、父さんと母さんに見られちゃうよ。」




「お父さんとお母さんに、見せつけちゃいましょう。兄さん。婚約者ふたりの仲が、ラブラブなところ。」


「見せつけちゃってよいの?」


「はい。たぶん、お父さんもお母さんも、私たちのこといろいろ心配していると思うので、仲がよいところを見せつけて、安心させて、あげましょう。」

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