(第4話)最低のことシたのに、ありがとう

 僕って、最低な男だ。


 いくら、サキュバス・フェロモンのせいで、おかしくなっていたからといって。






 僕は、自分の欲望のまま、大切な義妹に、凌辱の限りを尽くしてしまった。


 





 どんな酷いことをしても、美咲は、可愛いらしい声で、「大好きです。兄さん。」と言ってくれて。



 「うん。いいよ。うん。大丈夫。」とか言っているくせに、義妹は、痛みをこらえるような顔をして涙を流し、泣いていて。










 どんな酷い行為であっても、それは、性行為で。

 だから、行為中、僕からは、たくさんの生命エネルギーが溢れてきて。

 そして、美咲は、その生命エネルギーを摂取することができて。



 サキュバスは、充分に生命エネルギーを摂取すれば、サキュバス・フェロモンの分泌も収まるらしい。




 美咲のサキュバス・フェロモンは、収まったようだ。

 太陽が再び昇る前の夜の闇が一番深い時間、僕は、やっと正気に戻り、自分のしでかしたことに、落ち込んでいた。


 ふたり、ベッドの中で。美咲は、僕の腕を抱き締めるようにしている。






「美咲、ごめん。」


「なんで謝るんですか。兄さん。」


「僕は、酷いことを……」


「私は、今日、兄さんとセックスしなくちゃ死んでいたんです。

 兄さんは、私を救ってくれたんですよ。

 兄さんは、私の命の恩人なんです。

 私とセックスしてくれて、ありがとうございます。兄さん。」


「でも……」


「初めてのサキュバス・フェロモンで、まともな状態でいられる人なんていませんよ。だから、私の方こそ、ごめんなさい、です。」


「でも、僕は、自分で自分を許せない。」


「そんな、気に病むことありません……

 あっ。うん。うん。

 そだ。そだ。そだ。

 そうです。兄さん。」


「美咲、どうしたの?」


「いいこと思いついちゃいました。」


「いいこと?」


「自分で自分を許せないなんてこと言っちゃう兄さんに、罰ゲームです。」


「罰ゲーム?」


「はい。罰ゲーム。

 うん、罰ゲームというより、罰則かな。

 私から、兄さんへの罰。

 兄さんへの命令です。」





 僕は、深呼吸してから、言った。

「ああ、僕は、どんな罰でも受けるよ。」








「じゃあ、今日みたいに激しいのもよかったですけど。

 明日は、イチャラブセックスしてください。兄さん。」



「はい?」



「明日の夜は、きっと、兄さんもサキュバス・フェロモンに、だいぶ慣れてると思います。

 だから、イチャイチャラブラブだって、できるはずです。」


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