(第2話)義妹は部屋で全裸待機してます

「ドア、開けますね。兄さん?」


 扉が開き、部屋の中から義妹の美咲が出てきた。


「よかった。やっぱり、ちゃんと部屋の前までは来てくれてたんですね。

 夏至の日の夜にセックスできなきゃ死んじゃう妹を置いて、どっかに行ってしまったらって、心配していたんですよ。兄さん。本当に心配してたんだから。」


 その、なんだ、えっと、

 義妹を直視できない。










 義妹は、服を着てなかった。


「お話しているんだから、ちゃんと、こっちを向いてください。兄さん。

 私が裸だからですか? 

 これから、一緒にセックスするんだから、もっと恥ずかしいとことかも、見せちゃうんだから、私の裸くらい、ちゃんと見て、感想のひとつくらい言ってみたらどうですか。

 ヘタレで生真面目で奥手で慎重派な兄さんのことだから、私の服を脱がすときも逡巡して、きっと、むちゃくちゃ時間がかかっちゃうと思って、裸で待ってました。

 それとも、兄さんは、女の子の服を脱がせるのが楽しみだったのに、私が裸でがっかりしちゃいました?

 それとも、靴下だけとかニーソだけの方がよかったですか?」




 美咲、ごめん。美咲に気を遣わせた。確かに、僕、ヘタレなとこあるから。





 美咲の裸は、とても綺麗で、でも、綺麗すぎて、今のこの状況が、夢みたいで、現実じゃないみたいで。


 サキュバスは、このままエッチしないと消滅するって聞いたけど、本当に、ふっと消えしまうんじゃないかと不安になって。



 僕は、右手を伸ばして、美咲の頬に触れてみた。


 柔らかくて、少し熱くなっている美咲の頬。


 僕は、美咲の瞳を見つめながら、言った。


「すごく綺麗だよ。美咲の裸。とても綺麗だ。ギリシャ神話のアンドロメダよりも綺麗で、どんな星座よりも美しいのに、星座と違って、君には触れることもできるんだね。」

 


 なんだ、期待やら不安やらでいっぱいなのは、僕だけじゃない。

 美咲だって、顔は真っ赤にしてるじゃないか。




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