(第3話)サキュバス・フェロモンで、もう大変

 立ち話もなんだし、今、私、裸だし、と美咲は、僕の手を取って、部屋の中に入れてくれた。


 そして、僕と美咲は、部屋の中、ベッドに、ふたり並んで座っている。





 ああ、ヤバい。

 僕の身体がヤバいくらいに熱い。

 下半身が熱い。

 そして、頭が、脳の中が、燃え出してしまいそうだ。

 クラクラする。






「サキュバス・フェロモン」






 サキュバスである美咲は、セックスして、生命エネルギーをもらわなければならない。

 だから、セックスしてもらえるように、強烈なフェロモンを分泌する。

 それが、「サキュバス・フェロモン」。



 美しい花が、自分の雄蘂雌蘂を蹂躙する虫を、甘い蜜で誘い込むように。






 そして、僕は、今、美咲の強烈なサキュバス・フェロモンで、クラクラになってしまっているらしい。












 母さんは、言っていた。

「一樹。美咲はね。サキュバスだけど、毎日、エッチしなくちゃいけないけど、それでも普通の女の子なの。

 女の子はね。初めてのときは、とても不安で緊張するものよ。

 だから、できるだけ優しくしてあげてね。」




 父さんは、言っていた。

「一樹。美咲を泣かせるようなことがあったら、私がお前を半殺しにする。」









 ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ、

 ヤりたい、ヤりたい、ヤりたい、

 ダメだ、ダメだ、ダメだ、

 ヤりたい、ヤりたい、ヤりたい、

 ヤりたい、ヤりたい、

 ダメだ、ダメだ、

 ヤりたい、ヤりたい、ヤりたい、

 ヤりたい、ヤりたい、

 ヤりたい、

 美咲……

 オカシたい、ブちマケたい

 ジュウリンしたい、

 ムチャクチャにしたい、

 ダメだ……



「私なら、大丈夫だよ。兄さん。」


 そう言って、美咲は、僕の唇にキスをした。



 僕にとって、初めてのキスで、たぶん、美咲にとって初めてのキス。


 初めてのキスは、僕の方から、できるだけロマンチックにって決めてたのに。



 でも、美咲からのキスで、僕の理性がぶっ飛んでしまった。タガが外れてしまった。



 僕は、美咲の唇が離れないように、両手で美咲の頭をつかんで、無理やりディープでアダルトなキスをした。



 美咲は、抵抗しない。





 僕は、美咲の頭をつかんでいた両手を離し、今度は、美咲の両肩をつかんで、乱暴に美咲をベッドに押し倒した。



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